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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
終章 打倒! 悪のヤドリギ!
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イケノくん戦!3



 さあ、いよいよ行動だ。

 すっかり一番手になった僕。

 いつものようにその場でパタパタ足ぶみ。

 素早さを150%くらい上げておく。

 どうせ攻撃のときに走りまわるので、戦闘が進めば、ほっといても残りの素早さも上がる。


 このくらい上げとけば、とりあえず三、四回は行動できるかな?

 ふつうのザコモンスターなら、優に十回、あるいはそれ以上の回数、攻撃できる。

 というか、HP2000しかないなら、十回も叩く必要ないよね。

 クリティカルがキマれば、四、五回で倒せるんじゃ?

 それにしても、あの巨大な見ためで、HP2000ってのが解せないんだけど。二万の間違いじゃないのかな? ほんとに二千?


 ちょっとだけ不安にはなったものの、ふんぎりをつけて、僕は前線へとびこんでいく。

 精霊王の剣、頼む!


「やあーッ!」


 勢いよく跳躍し、ブクブクに大きくなってしまったヤドリギの肩に刃をたたきこんだ。

 固いというよりは……なんだか変な感触だ。弾力に富んだマシュマロっぽいような。

 姿形がまったく変わっちゃったから、かえってイケノくんを痛めつけてるって感じはしない。


 思ったとおり、まだ動ける。

 肩からとびおりながら、剣をふった。

 ブンッと、すさまじい剣圧が頰を打つ。

 ヤドリギの胸から血が流れた。

 その色は緑色だった。


 一撃で五百ダメージだ。

 これなら、このターンだけで終わりにできる。

 待っててね。イケノくん。

 今、悪いもの追いだすよ。


 一撃、二撃、もう一回、攻撃!

 ヤドリギはいいようにやられてるだけだ。

 簡単にいきすぎて、なんか怖い。

 あと一撃で倒せるぞ!


 ……ん?

 なんか、気のせい?

 ヤドリギってか、イケノくんの体、さっきより大きくなってないか?

 ブクブクと表面が波打って、またひとまわり大きく——


 えっ? なんだ、これ?

 イケノくんの体が目に見えて膨張してる!

 な、なんなんだー!


 背面のほうから、ワレスさんの声が聞こえてきた。


「さっきのスライムと同じだ! 急がないと、コイツ、増殖して手に負えなくなるぞ!」


 アメ玉なみが倍々にデッカくなっていったっていう、アレか。

 てことは、HP2000ってのは初期値で、それが毎秒二倍、四倍、八倍って増えていくという……?


 なんだ、それ。

 バケモノじゃないか!


 フハハハハハ——と、ヤツは笑った。


「見よ! これぞ、実験中の最新体! こやつを魔物にするときに、あるものを組みこんでやったわ。増える。増える。増えるぞ。まだまだ増える。おまえたちには勝てない! フハハハハハハハーッ!」


 あるものってなんだよッ!

 こいつ、イケノくんに何をしたんだ!

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