表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
終章 打倒! 悪のヤドリギ!
368/377

イケノくん戦!2



 とにかく、今は仲間の一人がいないことにだけかまってはいられない。


「じゃあ、後衛は、ぽよちゃん、たまりん、アンドーくん……もう一人は誰にしよう」


 スズランやダディロンさんはNPCだから頭数に入れなくてもいいとして、ケロちゃん、シルバン、モリーと残っている。

 このなかで後衛向きなのは、モリーかな? モリーならスズランにでも変身してくれたら、たいていの魔法が使えるようになる。


「モリーに頼もうかな」


 僕が告げると、急にケロちゃんがあばれた。


「ケロケロっ! ケロー! ケロケロ……ケロケロ……」


 あっ、傷ついたようだ。

 ヤダヤダ。ぼくも戦うよ。ぼくもみんなといっしょに戦うよぉー!——と言ったに違いない。

 なんか、ケロちゃんの言葉はわかりやすいなぁ。


 そばで見ていたワレスさんが笑った。


「こんなときだというのに微笑ましいヤツらだな。カエルには水の結界を使わせればいいじゃないか。水の結界は水属性魔法なら攻撃だけじゃなく、補助や回復魔法の効果も高めてくれる。しかも、特技だからMPを使わない」

「回復?」

「何を言ってる。回復魔法は一部の例外をのぞき、ほとんどが水属性だろ?」

「あっ、そうなんですか」

「のんきなヤツだ。では、ゴーレムと森スライムはこっちに貸してくれ。こっちのNPCとして戦ってもらう」

「わかりました」

「ケロ〜! ケロ〜!」


 ケロちゃん、喜ぶなぁ。

 可愛いんだけど、困った子だ。


 ワレスさんたちはモリーとシルバンをつれて、部屋の壁ぎわまでさがった。そののち、大まわりでイケノくんの背後にまわっていく。

 途中で姿が消えたから、隊のなかの誰かが隠れ身を使えるんだろう。


 じゃあ、気持ちを切りかえて、戦闘だ。


「ロランとアンドーくんにはツライと思うけど、イケノくんとロランのお母さんは、あとで手当てすれば、もとに戻る。ナッツのお母さんほど長いあいだ、悪い魔法にかかってたわけじゃないから、イケノくんも人間に戻れると思う」


 ロランとアンドーくんはうなずいた。


「そうですね。今は戦いましょう。迷っててもしかたない。お願いがあります。最初、前衛をクマりんではなく、ケロちゃんにしてください。ケロちゃん、母上を石にしてくれますか? 石化なら即効で戦闘不能だし、あまり痛くもないと思うので」と、蘭さんが頼みこむ。


「そうだよね。お母さんに痛い思いさせたくないよね。じゃあ、ケロちゃん、ロランのお母さんを石化させてね」

「ケロ!」


 了解!——と言った。

 わかりやすい。


 よし。戦闘開始だ。

 バランの薔薇が舞い、続いて、ケロちゃんの自動石化攻撃!

 残念。ヤドリギのひざこぞうをペロンとしたが、効果なかった。

 自動発動はターゲットを選べないことが欠点だ。ボスには効きめないからなぁ。


「ぽよちゃん。聞き耳お願い!」

「キュイ……」


 真夜中なんで、まだ寝てるぽよちゃん。

 パジャマセットでお耳ピクピクー


「えーと、悪のヤドリギの行動パターンは、ウソをつく、憑依、あやつる。それに、のっとる。ああ、仲間呼びもする。多彩だなぁ」

「ウソをつくって言うのは知りませんが、やっかいな技が多いですね」

「だよね。レベルは30。あっ、でもHPがやけに低いなぁ。2000って、ボスにしては少ないよね」


 レッドドラゴンはHP30000だった。ケタが一つ違う。

 これなら、倒せない敵じゃない……かも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ