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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十一章 いよいよ、ミルキー城攻略!
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宴をぶちこわせ!



 ブラン王の決意をムダにはできない。

 僕らはすぐにも大広間へ行って、宴をぶちこわさないと。


「かーくんさん」と、クルウが助言してくれた。

「鏡は回収していきましょう。もしも、ブラン王が倒されたときに、ヤドリギの魂がとびだしても、鏡のなかへ帰ることができないように。行き場を失った魂は消滅すると、さきほどミラン様がおっしゃった」

「そうですね。だけど、魂って壁ぬけができるんですよ。回収したあと、どこで保管しておくんですか?」


 たまりんが壁のこっちからあっちへ、あっちからこっちへ往復してみせると、クルウは思案した。


「カバンのなかなら、いかかです? 各自が持つ無限収納のバッグ。あれなら、持ちぬし以外は出し入れができません。つまり、魔法の結界と同じ効果があるのです」

「なるほどね! それなら鏡を入れとけば、万一のときにもヤドリギが帰っていく場所はなくなるね」


 というわけで、僕のミャーコが自分の体より十倍も二十倍も大きな姿見を、ミャーンと一口で飲みこむ。スゴイなぁ。なんでも飲めるミャーコ。


「じゃあ、行きましょう!」

「ええ。今度こそ、爆薬を使います。さがっていてください」


 僕らは仕掛け扉の前にまで下がった。

 クルウが爆弾の点火ヒモに火をつけ、彼自身も扉の前までかけさった。

 まもなく、ドカンと一発。

 頑丈な石造りの壁も、さすがにくずれる。


「かーくんさん。壁の穴が思ったより小さい。あなたがたの小さな車なら通るが、我々の戦車は通らない。さきに行ってください。我々はあとから追います」

「わかりました!」


 一刻の猶予もないからね。

 こうしてるあいだにも偽の王様が何をするか。


 僕らはクルウたちを残して、さきを急いだ。


 鏡の間のむこうには細い階段があった。両側を壁に挟まれてる。

 むーん。これは、クルウの隊の戦車は、どっちみち通れないなぁ。

 僕らの猫車は小さいし、それに車をひいてるのが猫なんで、器用にトコトコついてくる。


 やっと地上部分についたのかな?

 細いろうかだ。

 そこから、ダンジョンになっていた。

 クルウが言ってたとおり、竜兵士やガーゴイル、それにバジリスク隊長なんかが出てくる。


 もう、うっとうしいなぁ。

 急いでるのに!


 道が細くてカクカクして、進みにくい。部屋に入っていく扉がいっこうにない。

 ミルキー城ってこんな感じなのかな?

 もしかして、ここ、壁のなかなんじゃない?

 王様が秘密で外に脱出するための秘密のぬけ道。

 部屋と部屋のあいだにスキマを作っておいて、そこを通り道にした感じだ。


 これ、どこから出たらいいんだ?

 ふつうにお城のなかに入りたいんだけど。


 カク、カク、カクっと大きく直角にまがるところは、たぶんお城のかどっこ。小さくカクカクまがるのは、小部屋をよけて進んだのかな。


 たまに階段。

 ちょっとずつ上階に上がってる。

 これ、出口、どこにつながってるんだ?


 ようやく前方にかすかな光が見えた。

 ドアの形に四角く光がもれている。


 出口だ!


「みんな、行くよ!」

「おおー!」

「うん。行かや」

「ケロケロ〜」


 僕らは一丸となって光のなかにとびこむ。

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