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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十一章 いよいよ、ミルキー城攻略!
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レッドドラゴン戦!6



 ああ……こんなことなら、ケチなこと言わずに、財布、持ったままでバトルにのぞめばよかった。

 そうしたら、この瞬間に25億ダメージで勝ってたのに。


 なんでなくなったんだろ?

 誰かが預かりボックスから、とりだしたってことかな?


 まあいい。

 とにかく今はレッドドラゴン戦だ。

 ドラゴンを倒してしまわないと。


「じゃあ、さっき言ったとおりの作戦で。僕が倒されたら、よろしく」


 ぽよちゃんに魔法をかけてもらい、僕は精霊王のレプリカ剣をかまえて走りだした。


「わあッ! わあっ、わあっ! えいえい! これでもか! これでもかっ! ふう……まだまだ行くよー!」


 三十回って、けっこうな回数なんだよねぇ。レッドドラゴンのまわりをチョコマカしながら、尻尾や足、背中など、よけられないところを重点的に狙う。


 刺す。刺す。もう刺すよぉー。

 現実世界でなら、そうとうなサイコやろうと恐れられてるとこだけど、僕はレッドドラゴンの固い皮膚を切り裂きまくった。


 プス。プス。プス。ツプ。ツプ。プシャー。


 はぁはぁ……。

 行動回数、使いきった。

 三十回。

 ダメージの合計は18216。

 前のターンで一万弱だったから、計28500ほど。

 やっぱり残ったか。

 あと1500ほどなんだけどなぁ。


「じゃあ、みんな、さがってて。ケロちゃんたちのカンオケも車に入れといてね〜」


 僕が手をふると、アンドーくんが猫車からおりてきて、カンオケを車内に回収する。


 さあ、もうしょうがない。

 運がよければ、レッドドラゴンの攻撃力が思いのほか低くて、僕も生き残ることができるかもしれないし。

 それよりショックなのは財布がなくなっちゃったことだなぁ。

 ああ、僕の招き猫ぉ……。


 だけど、そのときだ。

 とつぜん、ダディロンさんが「ぬおーッ!」と叫んだ。


「男ダディロン! ひくわけにはいかんな! 助けてもらった恩、ここで返そうではないかー! 冷却水ィーッ!」


 えっ? なんで逃げないんだ?

 だって、どうせ攻撃したって、1500には届かないのに。


「ぬおおおーッ!」


 ダディロンさんの体が赤く光る。

 あっ、もしかして、『ためる』かな? いや、ためるによく似た効果で、魔法攻撃のダメージを上げることのできる『気合』のようだ。


 気合のおかげで、ダディロンさんの攻撃魔法が少しだけ強力になった。

 1200ダメージ!

 水の結界ほどではないけど、三割増しだ。


 あと300。

 300ほどで、レッドドラゴンは立ってる。

 でも、もう攻撃できるメンバーはいない。アンドーくんと、たまりんは回復魔法を使った。

 やっぱり、僕は一回、死ぬしかないんだ。


 僕があきらめきっていた瞬間、猫車から誰かがとびだした。


 ん? まだ誰かいたっけ?


 それは、イケノくんだった。

 イケノくんは両手ににぎった短剣を、一回、二回、レッドドラゴンの足元に素早くつきさす。


 十数秒のあいだ、なんの変化もなかった。


 ど、どうなんだ?

 ドラゴン、倒れたのか?

 倒れないのか?


 やがて巨体がグラリとゆれる。

 レッドドラゴンは地に伏した。


 やった……。

 倒した。

 僕たち、レッドドラゴンを倒したぞー!

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