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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十一章 いよいよ、ミルキー城攻略!
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レッドドラゴン戦!4



 おそらく、レッドドラゴンの火力はひじょうに高い。

 急いで100ずつ、こっちのモンスターたちのHP増やしたけど、それでも足りない可能性がある。


 できることなら、このターンで終わらせたかった。けど、前衛のみんなは行動し終わってしまった。


 どうか、頼む。

 この一ターンだけ、もってくれ。

 ギガファイアーさえ来なければ……。


 と思ってた、そのときだ。


「ハハハハハ!」


 あっ、忘れてた。

 伝説のおじさんがいたんだっけな。

 NPCなのに、この人、自己主張が強いなぁ。


「おいおい。忘れていないかね? 若者よ。たしかに君らの攻撃はなかなかのもんだ。しかし! 水の結界には、やはり水属性魔法だろう? 行くぞ。わが奥義。冷却水ーッ!」


 あっ、そうだった。

 ダディロンさん、冷却水が使えるんだったなぁ。


 大量の水が噴水のように湧きだし、レッドドラゴンを包みこむように渦巻く。ケロちゃんの呼んだミストを吸いこんで、渦巻きはいっそう激しくなった。


 さすがは弱点属性だ。

 レッドドラゴンは身をよじって悶え苦しんでる。

 ザーッとレッドドラゴンのHPが、みるみる下がる。

 一発で1800ダメージだ!

 魔法攻撃にしては、最大級クラスの効きだ。


 が、それでも、レッドドラゴンのHPは17000以上、残ってる。


 来るッ!

 いよいよ来るぞ。

 レッドドラゴンの攻撃だ。

 どうか、どうか、雄叫びだけですましてくれますように!


 僕の願いは聞きとどけ……られなかったー!

 レッドドラゴンは大きく息を吸いこみ、カッと口が裂けそうなくらいひらく。

 これまで見たこともないほど巨大な火柱が吐きだされてきたーッ!


「わあーッ!」


 僕は両手を前につきだして、炎の手袋で、ごうごうと轟音をあげて迫りくる炎をなんとかさけようとした。

 もうね。火の粉とか火の玉とかじゃない。数分間続く、炎の壁!

 熱風だけで髪の毛がチリチリ焼けていく。


 ギガファイアーだ。

 僕のHPは400も減った。

 僕はかぶとも旅人の帽子のままだし、火属性の防御がほとんどないからね。これで炎の手袋じゃなかったら、まともにくらってたとこだ。


 ようやく、火炎放射器の一斉掃射みたいな、ぶ厚い火の壁がやんだ。

 ああ……僕のHPが400減るんだもんな。

 僕のまわりは死体(戦闘不能)がるいるいだ。


 HPの低いケロちゃん、知力が低く魔法攻撃に弱いシルバンは、もちろんアウト。


 アンドーくんは人間だから、三村くん開発のよろい下の装備などのおかげで、なんとか生き残ってる。でも、フラフラだ。平手打ちされただけで、かんたんに倒れてしまう。


 ダディロンさんは——かなりキツそうだけど、アンドーくんよりはマシな感じ。たぶん、最大HPがそうとう高い。500くらいはあるんだろう。


 そうか。僕らって、まだブレス攻撃を軽減する魔法、誰も覚えてないもんな。今の僕らの弱点はブレスだ。


「アンドーくん、猫車に入って」

「……うん」


「たまりん、全体回復魔法お願い。アンドーくんは、『みんな、元気になれ〜』で。たまりんの回復だけじゃ半分くらいしか治らないと思う」


 たまりんは詩聖の職業スキルで、『みんな、もっと元気になれ〜』に相当する全体回復技を使える。


 これで生き残ったメンバーのHPはほぼ全回復できるだろう。


 だけど、ケロちゃんが倒れてしまったせいで、水の結界が消えた。

 水の結界は補助魔法だから、後衛でも使えた。最初からケロちゃんを後衛にして、うしろから水の結界をかけてもらうべきだったんだ。


 これで計算が変わってしまったぞ。

 僕がこのターンでレッドドラゴンに与えることができるダメージは約18000だ。通常攻撃やクリティカルダメージには幅がある。ことによると、それより少ないかも。


 ダディロンさんは生き残ってるけど、水の結界が消えたから、冷却水のダメージは、さっきの半分の900ていどだ。


 ダメだ。足りてない。

 このターン、どうやってもレッドドラゴンを倒せない。

 あと千か二千、ことによると、ほんの数百だけ、レッドドラゴンのHPが残ってしまう。


 どうしたらいいんだ!

 次のターンでのギガファイアーに僕らが耐えれるかどうか、勝負はそこにかかってる。

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