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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十章 ミルキー城をめざせ!
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詩神のハープの能力



 残りはブッキーたちばっかりだったから、次のターンに軽く殲滅せんめつできた。


 百体もブッキーがいたせいで、なんか貰えた経験値がスゴイ。経験値10700って、ボス戦より多いよ。

 ケロちゃんとシルバンがガンガン、レベル上がっていく。たまりんも一つ上がった。


 それに宝箱だ。

 僕の幸運値のせいで、ほぼ全部の敵が宝箱ドロップする。百個、魔法カードを回収するのは、なかなかの手間だった。ブッキーはバサバサふるとカードが落ちてくるんで、まだラクなほうか。


「えーと。ダディロンさんが六十体倒したので、六十枚、魔法カードあげますよ」

「わしはカードはいらん。それより、そのサラマンダーの石像をくれ。くだいて、玉鋼を作るときに使うから」

「はあ。いいですよ」


 ああ……石化されちゃうと体ごと持っていかれるのか。モンスターとは言え、ちょっとかわいそう。

 ごめん。サラちゃん。さらば!


 サラマンダーの像をダディロンさんがカバンに押しこむのを、僕は黙って見守った。


「それにしても、なんでブッキーの魔法攻撃が途中で消えたんだろう? あれのおかげで僕がまにあったんだよね」


 じゃないと、最初の数発をくらった時点で、ケロちゃんは倒れてた。


 ゆら〜り。

 ん? たまりんがやけにユラユラしてるな。


「あっ! もしかして、月光のセレナーデの効果なんだ?」


 ゆらり!


「へえ。月光のセレナーデって攻撃魔法のダメージを吸収してくれるんだね」


 どれどれ。長押しで詳細説明を見てみると、奏者の知力の三倍までの攻撃魔法ダメージを吸収するバリアを張るって書いてある。

 たまりん、知力だけは高いもんね。

 さっきレベルアップしたから、今の知力は190だ。レベルアップ前でも182だったかな? その三倍だから、570。


「そうか。魔法ダメージじゃないと吸収しないのか。ブレス攻撃には無効なんだね」


 そこは注意しとかないとな。

 それにしても詩神のハープっていうのは、なんてありがたい武器なんだ。


 ついでに見たけど、小悪魔のワルツは、敵全体に防御力無視でハープの攻撃力ぶんの固定ダメージ。プラス50%で魅了の効果か。

 これは後衛では、たぶん発揮されなくなる。なぜなら、後衛でできることは補助魔法と回復のみだからだ。弓使いだけが後衛からでも攻撃できるっていうし。オマケの魅了だけは効果あるかも。


 んで、詩神のバラードってのが、もともとのこのハープに付属の装備魔法だよね?


 見ると、詩神のハープにセットされたすべてのハープの装備魔法の効果、とある。

 すべての効果……。

 つまり、月光のセレナーデと、小悪魔のワルツと、海鳴りのラプソディーが一ターンで発現するってことか。

 それはすごい。

 しかも、今後もセットしていけば、その数は増えるんだ。


「助かったよ。たまりん。ありがとう」


 ゆら〜り。


 あーあ。たまりんがしゃべれたらなぁ。ユラユラかげんで、なんとなく感情はわかるんだけどさ。


「じゃあ、次からはサラマンダーが出たら、まっさきにやろう。ここは火属性のモンスターが集中してるみたいだから、いっしょに出てこられるとやっかいだからね」


 いきなり大苦戦してしまった。

 この洞くつは強敵ぞろいなのかもしれないなぁ。


 僕らは悪のヤドリギの秘密をさぐるために、ダンジョンの奥深くをめざす……。

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