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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十章 ミルキー城をめざせ!
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火祭り開催中



 うーん。なんだ?

 サラマンダーに火竜の子に、ブッキー赤。

 やけに火属性ばっかりだなぁ。


「もしかして、ここって火属性のモンスターだけ出てくるのかな?」

「そげみたいだねぇ」

「そう言えば、アンドーくんやイケノくんはお城の兵士だったんでしょ? 知らなかったの?」

「だって、前はダンジョンじゃなかったけん」

「あっ、そうか」


 ダンジョンになっちゃったのは、たぶん、悪のヤドリギに占拠されてからだ。ポルッカさんのお屋敷や、クラウディ村と同じ状態なんだろう。お城全体に悪い魔法がかかってる。


「うおー! 火竜! サラマンダー! 火の素材だらけじゃないか。なんなんだー! わし、大興奮!」


 あっ、そうだった。おじさんが一人いるんだったな。

 やたらと大声でわめくのやめてくれないかな。モンスターが集まってくるじゃないか。


「ダディロンさん。戦えるんですか?」

「もちろんだ! わしを誰だと思ってる? 伝説の鍛冶屋だぞ。若いころは冒険者としてもならしたもんだ」

「そうですか」


 ほんとはイケノくんがどんな戦いかたするのか興味があったんだけどな。

 スキルとか、行動パターンとか、アンドーくんといっしょなんだろうか?

 まあ、彼らはNPCなんで、放置しといても勝手に戦ってくれるかな。


 僕らの前衛は、僕、ぽよちゃん、ケロちゃん、シルバンだ。

 アンドーくんと、たまりんは後衛で援護してもらうことにする。


 たまりんのハープの効果。

 これまであんまり意識してなかったけど、どんななのかな?


 たしか、これまでに詩神のハープに付加されてる効果は、一ターンめが『月光のセレナーデ』、二ターンめが『小悪魔のワルツ』、三ターンめが『海鳴りのラプソディー』で、四ターン、五ターンが何もなく、六ターンめに『詩神のバラード』だ。

 海鳴りのラプソディーが勇者の職業スキルである、虹のオーロラと同じ効果だってことはわかってるんだけど。


 ターン開始直後。

 ケロちゃんの自動石化!

 火竜の子の顔をペロンとした。

 あっ、やった! いきなり火竜の子は石になったぞ。


「ケロちゃん、スゴイよ! 敵が一体減ったよ」

「ケロケロ〜」


 あっ、ケロちゃん、嬉しそう。

 これまで、みんなにイヤがられてたもんな。ケロちゃんの舌ペロン。


「よし。じゃあ、次はぽよちゃん、聞き耳お願い!」

「キュイ〜!」


 モンスターが大活躍してくれるこのパーティー。

 聞き耳によると、石になってしまった火竜の子の行動パターンは、親の火竜と同一だ。雄叫びからのブレス攻撃。ただし、子どもだから、ブレスはプチブレスになってる。たぶん、威力が親ほど強くないんだろう。

 どっちみち、火竜の子はもう石だから、次に現れたときの参考までに。


 サラマンダーは見ためが少しケロちゃんに似てる。二足立ちした赤いトカゲで、炎シリーズの赤い帽子と長靴をまとってる。手には剣だ。裸に帽子、長靴。人間だったら逮捕されてる。

 行動パターンは火属性攻撃。

 そうか。通常攻撃が火属性なんだな。

 そのほかに、炎の結界って言うのを使う。なんだろう? この炎の結界っていうの。


 ビッグブッキー赤は、もうまんま、ブッキーの大きいやつだ。デカイ。本のモンスターのくせに、高さが二メートルはある。

 赤色だから、攻撃魔法も火属性を使ってくるようだ。

 ちっちゃいブッキーは『燃えろ〜』をベースに、たまに『もっと燃えろ〜』だったんだけど、それよりワンランク上の魔法を使うと予想される。


「こっちに火が苦手なメンバーいなかったよね? それに、みんな、炎シリーズの装備品をつけてるから、火属性の攻撃は軽減される」


 全部セットで炎シリーズを身につけてるのはケロちゃんだけだ。でも、一つ二つでもダメージは弱まる。

 よし。有利だ。


「炎シリーズの防具はこの場所用の装備だったんだ。単純に防御力より、あとで全員、炎シリーズに着替えたほうがいいかもね。予備は買ってあるし」

「かーくん。どっちから倒すで?」

「高位魔法を使う可能性のあるビッグブッキーかな」

「じゃあ、わは世界樹の枝先で援護すうけん」

「うん」


 後衛戦にもちょっと慣れてきてわかったんだけど、後衛は素早さの数値に関係なく、前衛よりさきに行動できるみたいだ。


 たまりんがポロンとハープを弾く。

 なんかこう、優しい月の光が降りそそぎ、僕らを包んでくれた感じ。

 数値が変わったようではない。

 なんの効果だろう?


「じゃあ、僕の攻撃だね。行くよー!」


 僕はその場でパタパタ足ぶみした。

 よしよし。素早さが上がってくる。

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