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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十章 ミルキー城をめざせ!
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ミルキー城に潜入したというか



 はい! かーくんですっ。

 僕視点、戻ってきました!

 僕が主役だからね。

 勇者じゃなくても、ぽよぽよ系でも、兄ちゃんみたいにイケメンじゃなくても、主役は僕!


 はぁ……。

 その主役、地下牢に入れられちゃったよ。

 これで何度め?

 廃墟の地下牢に続き二回めか。

 二度あることは三度あるって言うよね? まさか、まだもう一回、牢屋にぶっこまれるのかな? しょぼん……。


 お縄で縛られたまま、お城に入ったはいいけど、そのまま地下牢に直行だ。

 これは潜入とは言わない気がする。

 なにしろ、まだ縛られてるし、牢屋の鉄格子にはカギかかってるしな。


「おまえたちは明日の朝、中庭で火焙ひあぶりの刑だ。それまでおとなしくしてろよ」と、言いすてて、さっき牢屋のなかにポイッとされた。


 幸い、口はふさがれてない。


「僕たち火焙りだって。どうする?」

「逃げだすしかないだない?」

「どうやって? 縛られてるし、カギもかかってるよ」

「カギはともかく、縄は切ればいいがね」


 アンドーくんはいつのまにとりだしたんだ? 手に短剣を持ってる。

 そういえば、今回は武器や手荷物はとりあげられなかった。


「えーと、それ、ポイズンダガー……」

「大丈夫だけん。こっち寄るだわ」


 大丈夫って言われてもなぁ。

 うしろ手に縛られたままだしなぁ。見ずに切るってことだよね?


「手元が狂っちゃったぁ、とかなしだよ?」

「かーくんも心配性だねぇ」


 あははと笑われたけど、心配にもなるよ。薄暗いなかで、うしろ向きのまま、毒の刃でロープ切ろうっていうんだから。

 とは言え、ほかに方法がない。


「……じゃあ、お願い」


 僕は覚悟を決めて、両腕をさしだした。

 アンドーくんはナイフ使いの達人だねぇ。

 パラリと切れて、手が自由になる。


「あっ、ちゃんと切れた」

「あはは……信用しちょらんだった?」

「そ、そんなことないよ?」


 お返しにアンドーくんのロープを切って、イケノくんも解放して、これで全員、拘束脱却!

 ……けど、問題はここからなんだ。

 牢屋のカギ、どうしよう?

 以前はアンドーくんが牢の外にいたから、カギをとってきてもらったんだけど、今回はいっしょになかにいる。


 うーん。密室。

 いや、牢の出入り口は鉄格子だ。

 五センチ間隔のスキマはある。

 けど、それは人間が出ていける幅じゃない。


 ん? 人間は出ていけないよね。人間ならね。

 でも、クピピコなら出入りできる……。


「あっ、ダメだ。コビットたちはロランといっしょにいるんだった」


 思わず頭をかかえる。

 よこから、アンドーくんがつぶやいた。


「コビットなら、預かりボックスに入れぇだない?」


 ん? 預かりボックス……?

 ハッ! そうだった。

 手紙のやりとりをするためのボックスだと認識してたけど、よく考えたら、コビットたちのサイズなら、ボックスのなかにも入れるんじゃ?


「そうだね! ロランに頼んでみよう」


 クピピコならコビット王の剣を持ってるしね。全員でコビットサイズになって、今すぐ牢屋から脱出だー!

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