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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
二十章 ミルキー城をめざせ!
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お母さん戦!1



 はぁ……タイトルが『お母さん戦!』だって。

 なんかもう、コレだけでイヤんなるなぁ。気が重い。

 でも、これはやっつけるための戦いじゃないからね。

 アンドーくんのお母さんを悪のヤドリギの支配下から自由にするための戦いだ。


「アンドーくんのお母さんは、さっきの村人たちみたいに夢遊拳を使うんでしょうか?」


蘭さんがたずねてくるので、

「えーと、どうかな。ぽよちゃんに聞き耳してもらおう。ぽよちゃん、後衛に入ってくれる?」

「キュ〜イ……」


 あれ? ちゃんと返事した。目がさめたのかと思ったけど、まぶたは閉じてる。寝言か。


「ぽよちゃん、聞き耳できる?」

「キュウ……イ」


 あっ、ピクピクした。

 できるんだ!

 これから夜の戦いでは、眠りシリーズに着替えさせよう。聞き耳は補助スキルだから後衛でも使える。聞き耳だけでも、すごく助かるね。


 なになに?

 聞き耳によると、アンドーくんのお母さんの行動パターンは、村人を呼ぶと、泣きマネ……ん?

 泣きマネは僕もできるような?

 いや、まだできないんだけどね。

 できるはずの得意技なんだけど、いつになったらできるようになるんだ?


 これまではレベルが上がると表記が明るくなって使えるようになった。

 あと、一回だけ、ぽよちゃんが平原のイベントで使えるようになったよね。

 もしかして、僕もイベントで解禁になるのかな?

 その前に、泣きマネってどんな得意技? 気になる。

 最初に見たとき、しょぼいと思った僕の得意技たち。

 でも、じっさいには、小銭拾いも、小説を書くも、つまみ食いもものすごいチート技だった。泣きマネにも期待してしまう。

 まあ、文字通りの泣きマネで、ほんとにショボくても、ほかがチートだからいいんだけどね。


「行動パターンに村人を呼ぶってのがありますね。ポルッカさんも仲間呼びをしましたね。ヤドリギにあやつられてる人って、みんな、何かを呼ぶのかもしれません」と、蘭さん。


「そうだね。ヤドリギ本体の戦法なのかもしれない」

「たしか、ポルッカさんのとき、ターンの数だけ仲間を呼びましたよね。ポルッカさん本人をやっつけないとキリがなくなった」

「村人は夢遊拳を使うから、たくさん呼ばれる前に決着をつけないと」


 お母さんのお供は見たところいない。

 これなら、わりと短期ですみそうだ。

 ポルッカさんのときには最初から、バジリスク隊長が二体もついてたもんな。


 僕らが安心しきっていたときだ。

 馬車の陰から誰かが走ってきた。

 パジャマを着て三角帽子をかぶり、くつしたをはいた、高校生くらいの女の子。

 アンドーくんの妹だ!

 それも二人。

 年子の妹ちゃんたちだね。



 アンドーくんのステータスが激減した!



 わッ。大変だ。

 このままじゃ、アンドーくんが精神的にやられてしまう。

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