表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第七部 決戦! ミルキー城 十九章 ミルキー城潜入作戦
301/377

潜入作戦開始!



 翌朝は快晴。

 これから決戦に向かうとは思えないほど、のどかだ。


「では、出発だ!」


 ワレスさんの号令で、僕らは四台の馬車をつらねて街道を南へ進む。


 先頭はワレスさんの馬車。

 その次が蘭さんや三村くんたち第一パーティーの乗った馬車。

 その次が僕やアンドーくんの第二パーティーの猫車。

 猫車、乗り降りはちょっとだけ窮屈だけど、乗り心地はけっこう快適だ。

 最後尾はクルウたちのパーティーだ。

 前後を強い戦士たちに守られている。


「ミルキーまで街道が続いてるんだね」

「先代王の時代までは国交があったけんね」

「あっ、そうだったね」


 そうだ。特訓に夢中でウッカリまだ聞いてなかったけど、蘭さんの両親はどうなったんだろうか? 無事にシルキー城からつれだせたのかな?

 いや、無事だったんなら、蘭さんが喜んで僕らに報告してるはずだ。

 てことは、つれだせなかったか。またはワレスさんがたどりついたときには、すでに……?


 あっ、ダメだ。ダメだ。

 これから決戦ってときに、そんな暗いこと考えてちゃ。

 とりあえず、いっしょうけんめい、がんばる。それしかない!


 街から街へは、ワレスさんかクルウの転移魔法で馬車ごと飛び、街のなかは馬車で移動するという方法で南下していく。ワレスさんたちの馬車が軍隊用の大きなやつなので、転移魔法でも遠距離は飛びにくいらしい。


 馬車のなかでは退屈なので、僕はこの世界のスゴロクみたいなものやカードで遊んでいた。

 けど、そろそろミルキー国に入るので、何が起こっても大事ないように武器の整備をしておいてくれと、ワレスさんから伝達が入ってきた。

 なので、それぞれの武器を磨いたり、不備がないかチェックする。


 僕はこれまで精霊王のレプリカ剣を、ずっと『燃えつきろ〜』効果の精霊石のままにしてたけど、もっと戦いを有利に運べる効果がないのかな?


 あらためて精霊石をながめる。

 すぐにセットできるよう加工済みのやつは、最初に廃墟の幽霊店主から買ったときのセット、七つだけだ。

 赤、青、黄色、緑、透明、オレンジ、紫のレインボー色。

 ずっと赤をつけてたから、ほかの効果がわからない。ちゃんと特訓のときにでも試しとくんだった。属性最上級魔法の『燃えつきろ〜』がふつうに戦闘に便利だったもんだからさ。


「次は……そうだな。オレンジにしてみようかな。元気の出る色だから」


 勇気の色って感じ。

 内側から力が湧いてくるような。

 ん? 剣の攻撃力が20上がった?

 なんだ。攻撃力プラス20効果なのか。

 魔法がよかった気もするけど、まあいいや。ちょっとこれで試してみよう。


 僕は燃える太陽のようなあったかいオレンジ色を、しばらく見つめていた。

 この精霊石がこれからの戦いに、すごい力を与えてくれるとは、このときは思いもしなかったんだよねぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ