終章 あれから……
――この村を出たあの日から、もう2年の月日経とうとしていた。
あれからと言うもの、私は『青い目の死神』のレイ・ベンバーの弟子になって、この世界の様々なことを学んだ。そして、今も学んでいる最中だ……。
この日、私は師匠に無理を言って故郷である、この村にやって来ていた。
村の建物は、どれも黒焦げに焼き崩れていて、今ではこの場所に集落があったのかすら、分からない有様になっている。
もともと、私の住んでいた家の目の前に立つと、師匠と一緒に、ここにお父さんが眠っていると分かる程度の墓を作り、積んだ白い花を傍に置いた。
「まったく、お父さんは馬鹿ですね……。私に何も言わずに死んでしまって……」
祈りを終えた私は、隣に立っていた師匠に、何かを込み上げてくる感情を押し堪えるように、そう言うと、彼は一言
「リコ、大丈夫か?」
と聞いてきた。
なんだか辛気臭くなるのも嫌だった私は、師匠のことを茶化すように笑いながらこう言う。
「あれ?師匠、私のことを、心配してくれるんですか?全く、珍しいことも、あるものですね……」
だけど、私の言ったことに、師匠は言葉を返してはくれなかった。
「師匠、私、ずっと弱かったあの頃よりは、少しだけ、強なれたのでしょうか……?」
その瞬間、黙っていた師匠は、私のことをぎゅっと、抱きしめた。そして小さく
「無理すんなよ……」と言った。
そう言われた瞬間、今まで心の中でなめこまれていた思いが、奥底から湧き上がって来たような気がした。
そして、この日初めて、私は師匠の胸の中で泣いた。
それは、まるで緊張の糸が切れてしまったように、我慢が出来ず涙が止まらない。
早く、泣き止まないと、また師匠に馬鹿にされてしまうかもしれないのに,泣き止まないといけないのに、次々と涙がこぼれてくる。
師匠は、そんな私の頭をなでながら、
「今までよく頑張ったな……」
そう言われた瞬間、私はまた、涙があふれてきてしまった。
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しばらくして、リコとレイを馬車に乗り込むと、馬を走らせた
当然、馬を操縦しているのはレイである。
道中、リコは目に前で、馬の手綱を握るレイの後ろ姿を見ながらこう言った。
「私、あの時、師匠の弟子になって、本当に良かったです……」と。
レイは馬車が地面をかける音で聞こえていなかったのか、リコの方を向いて
「なんだって?」と聞き返した。
そんなレイをごまかすように笑うと、リコは
「師匠、もっと面白いことを、一緒に見つけに行きましょう!」
と元気よく言うと、レイはにっと笑った。
「あぁ、俺に任せておけ!」
こうして、2人の旅は、これからも続くのであった……
読んでくださった読者の皆様。本当に、ありがとうございました。
ここまでが、「それでもお前は傭兵か!」の投稿した話になります。
物語の続きは、書くかどうかはまだまだ未定ですが、反響しだいかな?と心の中では思っております。
ここまで付き添っていただいた方々、感想や評価など、していただければ、とても励みになるので、ぜひよろしくお願いします。
それでは、次回の物語で、お会いしましょう。
大塚 束紗より。ではでは……!




