65 会議というか、情報伝えというか?
「明日と明後日について会議をしましょ」
フイザーは、床に座り直しながら、言った。
・・・・・・なぜ?
おまけにフイザーは、自分の隣にあたる床に座るよう、手で合図している。
・・・・・えっと、ここフイザーの部屋じゃないよね?
・・・・なんかフイザーの部屋感がする・・・。
ま、実際アマノ王女の部屋なんだけどね・・・。
「・・・・・それで明日と明後日の何を話し合うんですか?」
「・・・・・・座ってよ」
・・・座らないと話さないってこと?
私は、床に座り込んだ。
と、同時にメアイが急に立ち上がった。
え?なんで?
「あ、フイザー、テンヤさん。私、トイレに行ってくるよ」
このタイミングで?
「え~?なんでえ~~」
フイザーはすごく嫌そうな顔をした。
二人っきりになるのが嫌なのか・・・。
「いいじゃない、トイレくらい。二人で話し合っててよ」
「なんでえ~~」
フイザーは訴えたが、メアイはさっさと姿を消してしまった。
「で何を話し合う・・・・いや、話すんですか?」
「・・・・」
フイザーは黙ってしまった。
・・・・そんなに私のこと嫌だったっけ?
私、なんか悪いことしたっけ?
「・・・・とりあえずこれを見て」
フイザーは真っ黒ジーンズのポケットから、ぐしゃぐしゃになった紙を取り出した。
・・・・何これ?
ゴミ?
私はとりあえず、紙を元の形に戻した。
・・・・・・・うんと・・・・何これ?
なんかのメモだけど・・・あの城内の地図みたいに黄色と黒のレイアウトで目がチカチカする・・。
読めない・・・。
「これ・・、何ですか?」
「見て分からない?メモよ」
いや、それは分かってるんだけど・・・。
何て書いてあるかが分からないんだけど・・・。
「王様のメモ」
・・・これはガシスが書いたメモってこと?
「・・・・・なんでこのメモ、フイザーが持ってるんですか?」
「そりゃ、こっそり持ち出したに決まってるでしょう?あたしは王様に気に入られているメイクを施せるゆういつの侍女なのだもの」
それより・・フイザー、侍女だったの?
全身真っ黒なかっこうをしてて?
「・・えっと、これなんて書いてあるんですか?」
「はあ?!」
フイザーは驚きすぎて、思わず立ち上がった。
「ゾル語勉強したんじゃないの?読めないの?」
いやいや、読めるけど黒と黄色はチカチカして見にくいんだって・・。
「それは、明日・明後日・し明後日の予定です。明後日は王冠式。そして夜にはお祝いパーティー。し明後日は、ガリバー王子との結婚式。そして夜には舞踏会です」
・・・・・やっぱり読めないよ・・・。
ゾルラン人ってこの目がチカチカするレイアウトでも平気で読めるわけ?
それより、なんでいつも夜には舞踏会かパーティーが入ってるの・・?
何?ここの城の人たち、パーティー好き?
「なので、し明後日には、もう結婚式なので、明後日に抜け出した方がいいのかと」
確かに・・明日抜け出してもきっとバレるだろうし・・・。
し明後日はすごく目立つ・・・。
でも、どこの日に抜け出してもやっぱり目立つのでは・・・。
障害物多すぎ・・・。
・・・・なんなの、もう。
アマノ王女、早く帰ってきてよ・・・。
早く戻りたい・・・。
「明後日の段取りについては、また明日の夜にこっそりこっちに来て言いますからね。じゃ、さよなら~」
フイザーはそう言ってさっさと去ってしまった。




