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62 ピンクのリボン

私は改めてガリバー王子をまじまじと見た。


―『自分がかっこいいと思ってるのよ。』

 『ファションセンスなさすぎだし、性格悪いし。』


とメアイは言っていたが、確かにその通りかも・・・。

ガリバー王子はポケットに手を入れて、ドヤ顔をなぜだか私に向けてくるし。

しかも、恰好が・・・・王子なのかよくわからない・・・。

上はなぜだか学校とかでよく着るジャージ。

下はラッパーとかがよく着てそうなダボダボズボン。

靴は運動靴。

・・・・・王子なの?本当に・・・。

ファッションセンスがないのは私でもわかった・・・。

・・・・ていうか、ジャージあったのね、ここ。


「きれいなお嬢さんですね」

ガリバー王子が言った。

なんなの?イラつくんだけど・・・。

まあ、チャン国王が言うのはまだ分かるけど、なんで結婚相手に「お嬢さん」って言われなきゃいけないの?

まあ、どうせ結婚前に抜け出すけどね。

それにしても、ガリバー王子なんか自信たっぷりで生意気だけど、私が引き気味なの気が付いてるの?

・・・・・周りがよく見えないタイプというか・・・。


結局、急遽きゅうきょチャン国王とガリバー王子は来たが、十分ぐらいで帰ってしまった。

・・・・・舞踏会の偵察といったところなのだろうか?


「ああ、もうなんで突然来たんだ・・・・はあ」

ガシスは帰った後、独り言をつぶやいてどこかへ行ってしまった。

・・・・・・でもさっきの結局なんだったの?

十分話してただけだけど・・・。

チャンはすごく優しそうだったけど・・・・あのガリバー王子・・・。

すごく・・・・・・・・格好悪い・・。

そして初対面なのに自分の口の中に入っていた棒付きキャンディーを勧めるなんて・・・。

そりゃあ・・・引くよ・・・。

っていうか、初対面じゃなくてもそれは引くよ・・・。

それでも自信たっぷりなガリバー王子がすごい不思議・・・。


とりあえず、私はゆっくり四階に上がって、アマノ王女の部屋に戻ろうとした。

しかし、二階のフロアまで上ったときにちらりと、窓にピンク色のリボンが見えた。

・・・・・なんか見たことあるよね・・・。

私はピンク色のリボンを追いかけた。

というより、ピンク色のリボンを追って、廊下を走っていたんだが・・・。

さすがに誰かの部屋をおじゃまして追うのは嫌だった。


・・・・・・え?

なんか急に消えたけど・・・。

・・・・最後にリボンを見たのは、ある部屋の前だった。

その部屋のプレートにはなにも文字は書かれていない。

ってことは空き部屋だ、よし入るぞ!

ただこの部屋のドア、開いていたので開ける必要はなかった。


部屋の中は私のゾルランの部屋と同じ造りになっていた。

棚があって、ベットがあって、鏡があって、ベランダがある。

・・・・でもやっぱりいなかった。

ベランダに隠れてるとかかな?

・・・・・なんで私こんなに探してるんだろう・・・ピンクのリボンなんかで・・。


もしかしたら人じゃなくて、リボンが風に乗って飛んでいるだけかもしれないし。

・・・・気のせいかな・・・。

「きゃあっ!!」

「え?」

「何やってんのよ!!!」

人がいる!

私は思わず、ベランダのドアを開けた。




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