51 その後の予定
ということで、ガシス・キトワ・私・メアイ・アマノ王女(は・・・パニック状態でついていけてなかったけど)の5人は、リディアに「ごちそうさま」と声をかけて、帰ることにした。
帰るっていっても、お城にね!
「でもガシス、私どうしたらいいんですか?どう、自分の世界に帰ったらいいか、分からないんですけど」
「とりあえず、客間に入れ。うちの魔法使いが、なんとか考えてくれるはずだ」
魔法使い?!
いや、初耳。
ここ、ゾルランに魔法が存在していた?!
そして、魔法使いって・・・誰?
助けを求めるようにメアイに視線を移した。
・・・・なんでメアイを見たかは分からないけど・・・。
「フイザー」
「え?」
「・・・だから、フイザー!!」
フイザー?あの、あのフイザー?
全身真っ黒のやたらと語尾をのばす、あのフイザー?
一時、イメチェンさせられたな・・・・。
そんな、嫌な人が魔法使いって・・・・。
どういうこと?
「ほら、一回逃げるときにマットあったじゃない」
メアイは私の気持ちを汲み取ったのか、言い出した。
・・・確かに・・・。
妙に庭に白いマットがあったけど・・・。
・・・・なんでいままで不思議に思わなかったのが不思議。
そう言われちゃうと、信じるしかないなあ・・・。
「レヴィリディ」を去ると、その出入り口に馬にのった護衛が立っていた。
・・・そういえば、忘れてた。
護衛たち、とりあえずここに置いといたの。
ガシスは一瞬、びっくりしたけど、先頭にいた護衛に帰ることを伝えた。
「分かりました。王様、乗りますか?」
乗るとは、馬のこと。
その証拠に、ガシスに向かって、馬を後ろにした。
「いや、いいんだ。歩きで。・・・・やることがあってね」
ガシスは、明らかに後ろにいたアマノ王女に視線を移した。
アマノ王女は視線に気づいて「ええ!!?」と嫌そうな声を出した。
「ええ、じゃない。帰るんだ」
「嫌!」
「嫌じゃない」
と、ガシスはむりやりアマノ王女を引きずった。
「嫌ああああああああーーーーーー・・・・」
残りの三人は、苦笑いをしながら、ガシスとアマノ王女についていった。
もちろん、徒歩で。




