50 『白状しなさい』
「つまり、こういうことだね・・・・アマノは、異世界の・・・なんだ、君の名前は?」
「天野姫です」
もう、今更?遅すぎるよ、私の名前を確認するの・・。
「テンヤヒメ?を利用して、・・・代わりを作って、そしてアマノは・・森の中でワイワイしてた・・と?」
ガシスは私に同意を求めてきた。
「はい、間違いないです」
ここに・・・アマノ王女本人はいるけどね。
もういない人扱い。
「ちょっと待ってよ!!」
思わず、アマノ王女はいすから立ち上がった。
口の中にはまだ、アザラシリアルが・・・。
やっぱり汚い・・・。
「なんでそんなことになってるの?違うよ!!」
「え?だってそうでしょ?」
なんでそんなめんどくさいの?あなたは・・・。
「違うってば」
「じゃあ、ホントは?事実は何なの?」
アマノ王女はくちびるをかみしめた。
「嫌よ、それは言えない・・・」
何よ?ガシスにつかまりたくないの?
もう、つかまってるけどね。
どうせ、お城に行きたくないってだけじゃないの?
「なんでよ?あんた、恋したいからって抜け出したからって?それは到底言えないって?そういうことなの?」
すると、アマノ王女が睨んできた。
「『あんた』って失礼ね」
「何よ?それぐらい、我慢してたから。私を身代わりにして、で当の自分は森で男と恋をしようとする。でも、結局男、集めてるだけじゃない!何回、あんたにイライラしたことか・・・」
「そうなのか・・・アマノ・・・」
あ、完全にガシスドン引きしてる・・。
さすがに父親でも女を集めるってことしないか・・。
親が子にドン引きすることってあるんだ・・・。
「違う!違うの!!」
「白状しなさい」
さっきまで黙っていた、メアイが鋭く言う。
メアイは、昔アマノ王女の侍女だったとはいえ、味方はしないらしい。
・・・・・これ、完全に拷問を匂わせるけど・・・。
「もう、違うってば!!」
「じゃあ、何してたの?私がお城にいるとき、町にいるとき、森にいるときにさ?そのとき、どこで何してたの?」
「・・・・」
アマノ王女は黙ってしまった。
「白状しなさい」
またさっきと同じトーンの同じ言葉でメアイが鋭く言った。
「もう!分かったって!!私が、テンヤを身代わりにして、森に逃げ込んで男とつるんでた!
これでいいでしょ!!」
やった。白状した!
単純だなあ・・・。
アマノ王女がかなり感情的なのに対して、みんなは冷静だった。
「ということで、落ち着いたね。さ、帰ろう」
「え?」




