39 詰めが甘いなあ
また、私は建物内の銀色のステージを見ることになった。
メアイは、慌てて「ハアハア」と息を切らし、私についてきた。
・・・・・まだ、復活したことにバレていない!!
なんで、アマノ王女って詰めが甘いかなあ。
普通、なんか魔法とか使ってガードするでしょ、追い出した人には。
まあ、ここゾルランに魔法が存在してるかは、分からないけど。
相変わらず、ステージの上にはたくさんの人が踊って楽しんでいる。
そして、やっぱりどこから、この音楽が聞こえるのか・・・。
・・・・そういえば、気になってしょうがないことがあるんだった。
「あっ、テンヤさんっ」
また、メアイは慌ててついてきた。
私が、入ったのは、さっき入った大きな穴ではなく、ステージから見て、左側にある、さっきよりは大きくないが、人が十数人入れる、穴だ。
実は、さっきアマノ王女の侍女、『オリコ』と『レルナ』、略して『オリレル』は、勧誘した『サンタス』という男を、ここに導いていたのだ。
なんで、大きな穴ではなくここにサンタスを入らせたのか・・・?
「ダメですよっ、もし見つかったらどうするんですかっ!」
聞くもんか。
どうせ、あっちに戻ったってなにも変わらないんだっ・・・!
気になるものは、気になっている内に見ていく方がいいんだっ・・!
と、またもや、メアイの言葉を無視した。
これで何度メアイの言葉を無視したことか・・・。
一番、心が折れているのはメアイかもしれない・・・。
とは、思ってもやっぱり無視した。
あの穴の中には、入って早々、男たちがうじゃうじゃいた。
うわっ・・・・気持ち悪い・・・。
これで「まだ満足してない」の?
「恋」の意味、分かってんの?
ああっ・・・ダメだ・・・。ゾルランではきっと「恋」という言葉の意味が違うんだ・・・。
だとしたら、悲しい・・・
「うわっ、アマノ王女はこんなこと、やってるんですか・・・ちょっとさすがに私・・・」
ああ、メアイでも「気持ちが悪い」のね。
なら、おかしいね。
いや、そもそもここ、ゾルランみんながみんな、おかしいけど。
「さあ、君たち、今日はテスト18日目だ」
アマノ王女の声が奥で聞こえる。
きっと穴の奥にいるのだ。
だったら、まあ気づかれないか・・・。
私は、顔をもっと近づけた。
「今日も、みんな頑張ってくれ」
・・・・う~ん、テストしたところでどうするのかな・・・。
その目的がよく分からないんだけど・・・。
「ダメですよ、テンヤさん」
ふっと、後ろを振り向くとメアイが、首を横に振っていた。
「こんなのは、ダメですよ」
・・・?
首をかしげていると、なぜだか、穴から誰か出てきた。
「はああ?!」
それは、アマノ王女の侍女の一人、ええっと、左にピンクのリボンを付けているから・・・『レルナ』だったのだ。
レルナは私を見るなり、また外へと引きずった。
「オリコ、メアイを外に出してくれ」
「はい、分かりました」
その後、メアイも私の後に続き、引きずられた。
「いったっ」
何回言ったのだろうか?
また、乱暴に外に投げ出されてしまった。
なんで、全く扱いが荒いんだ・・・。
私は、立ち上がって、ワイドパンツに付いた、砂などを払った。
―「ダメですよ、テンヤさん」
なぜだか、頭の中でメアイのあの言葉が、繰り返された。
「ええええ?」
正面を向くと、馬の顔がまじかにあった。
「見つけたぞ、アマノ。お城に戻るぞ」
歳をとった、ガシスの声。
・・・・・しまった。
「いや、いやいや私はアマノ王女じゃなくてっ!アマノ王女は、あの建物の中にっ!」
「つべこべ言わず、行くぞっ」
ガシスは少し不機嫌だった。
強制的にガシスの馬に押された。
これで馬の力はものすごく強いということが分かった・・。
でも、どうしたらいいだろう。
メアイは、まだ建物の中にいるみたいだし・・。
でも、なんで森に私がいるんだと、分かったんだろう・・・?
そして、これからどうなっちゃうんだろう・・・・?




