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23 ゾルランでお買い物♪

「ふうん・・・・へえ」

そう呟きながら、色々な品々を見た。

・・・・・・ただいま、ゾルランの城下町のお店を一軒一軒見て、探索中。

一応、リディアに許可をもらったのだが、リディアは

「あ、うん・・」

となんだか上の空で許可をもらった。

・・・・本当に話聞いてる?

多分「レヴィリディ」のあまりの忙しさに頭がボッーとしてしまったんだと思う。

そんなのないと思うけど・・。


ゾルランのお店は、飲食店[バーなどがほとんど]・服屋・食器店がある。

インテリアの置いてあるお店や、家具店なんてなかった。

少し、倉庫になにかインテリアを入れられるんじゃないか、と期待していた私はその事実に知り、がっかりした。そうか、あんな殺風景な倉庫は変えることができないんだな・・・・。

しかし、そうなると、なぜ倉庫にベットやカーテン、机がぶっこまれていたのか?という疑問が浮かんでくる。

なんでだろう?どうやって、家具をゲットしたんだろう・・・?

「さあさ、いらっしゃい!お安いお服が勢ぞろいだよおっ」

服屋の店先には声を張り上げた男の人が宣伝をしている。

服か・・・・

そう言えば、ここには「お風呂」という習慣がない・・・お城の時は別だけど。

だから、汚れた服をずっと着続けているのも・・なんだか気持ちが悪い・・。

それにこの服はそもそも侍女のメアイがくれたお下がり(って言うのかな?)なのでもっと汚れている。

新しい服ぐらい買ってもいいだろう・・。

私はふらっとその服屋、「ミスター」に立ち寄った。

もちろん、店先にいる男の人が反応した。

「何をお探しだい?」

・・・・分かるだろう。

こんな衣装着てるんだから。

それに・・・・この服のジャンルが分からん。

それで無言でいると、さっとなぜかその人は、私を奥へと連れて行った。

ただでさえ、狭い店。

「レヴィリディ」とは違い、レンガではなく、鉄の柱に大きな布をかけただけの店なので、頭が当たった。

でも、当たったのは布なのでそれほど痛くなかった。

「お客様なら、このコーナーがおすすめだいっ」

それは、ゾル語で「セール」と書かれた赤い紙が貼られ、その上の台に服が置かれたコーナーだった。

そのコーナーには今、付けているストールや、コート、履いているブーツ。そして、着けていないワンピースや、tシャツ、麦わら帽子やつばのついた帽子、ワイドパンツも、様々な形、色でたたまれたりして、山づみだった。(麻の服はどこへ?)

こんなに種類があると迷ってしまう。私の世界のお店の物よりはダサいけど。

・・・・・にしてはこの店、不人気なのかな?

他の店は品物がこんなにたくさんなかった。

お店の人の強引さと言い、その宣伝であまり人がやってこないのと言い・・・。

それに・・。

あの宣伝の男の人以外にこの店に人がいない。

まあ、それは「レヴィリディ」と一緒か。

このまま、「ミスター」のことを気にしても仕方がないので、ここはひとまず何を買おうか、考えることにした。そもそも、服買いにここに来たから・・。

「う~ん・・・」


そこから、私は薄いピンクのストールと、黄土色の暖かそうなコート、ブーツは今ので十分なので、薄い黄緑のワイドパンツを買うことにした。

「あの・・・」

「は~い」

男の人に話しかけるとその人は嬉しそうに奥のレジへと向かった。

あっ、レジあったんだ・・・。

ガタガタとなんだか、今にも壊れそうな音を立てている。・・大丈夫か?

でもその計算の奴は思い切り、機械。

「合計、319,112ビルドになりますっ」

「はいっ?!!?」

男の人、その結果見て嬉しそう。

それもそのはず、ビルドはゾルランの単位で、日本円にしてみると671,769円。なぜ、そんな金額になるのだろう?コート、ストール、ワイドパンツは合わせても一万程度なのに・・・。

と、ふと見るとワイドパンツが314,363ビルド(日本円にすると661,771円)になっているではないか!

コートと、ストールの値段価格は一緒だというのに、なぜワイドパンツだけ、六十万円という、異例の金額になっているのだろう・・・。


-「これは農民のかっこうです・・・農民の中でも二番目くらいに身分が高い人の・・・」


その時、メアイの言葉がフラッシュバックした。

たしか、この言葉は私がお城から逃げようとしたときに、この今着ている服の説明の言葉・・・。

今着ている服は、ストール、コート、麻服、そしてブーツ。ワイドパンツはこの中に含まれていない。

つまり、多分ワイドパンツは農民の中で一番位が高い人が着るものなのではないか?

いや、そもそもその対象者が農民なのだろうか・・・・?

ああっ・・やっちまった・・。

とか言ってここで断るのもちょっと・・・・

この人はとても嬉しそうにニヤニヤと笑顔を浮かべているし、なんか憎まれそうで怖いなあ。

でもそもそも三十万ビルドも私の元にあるのだろうか?

「あっ」

あったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!

ナイス、メアイ!

っていうかそれ以上にお金持ってたし。

うん、こんな大金もいらないのに。


と、私はメアイからもらった財布の中から、319,112ビルド、きっちり出したのだった。

満面の笑みで。




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