表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

ファミレスへ

「ふへぇ……気持ちよかった」


俺は脱ぎ捨てていた服を再び着ていた。

え? 色々と飛んだ? 当たり前だろ。これ以上言ったら18禁になるわ!

誰に言い訳してるか分からないが、申し訳ない。

スーツは脱いだ状態で、ワイシャツとタイトスカート、ストッキングを履いた状態でのんびりしてたら、時計が目に入った。


「あー、もう昼か」


12時ちょい前だが、昼の時間だ。

いつもの俺ならスルーしてハロワに向かっていたが、今日の俺はカメラのせいで行く気が無くなっていた。

むしろもっともっと遊びたかったのだ。


「お昼にしようと思うが、本当にこの金を使っていいものか」


さっき投げ捨てた2万3千円を、再び拾いなおした。そしてじっくりの観察しつつ考える。


「うーん……完全なるコピーだから使えることには使えるだろうな。番号なんて誰も気にしないし……まあいいか! 使おう!」


使うことを決意した俺は、お金を財布の中に入れた。そしてそのままカメラを取り出して元に戻ろうとした。


「って、元に戻ったら財布とかが消えちまうよな。このままで行こうっと」


スーツを着て、財布をハンドバックの中に入れる。そしてもう一度鏡の前で身なりを整え、玄関でハイヒールを履いた。他に女の靴なんてないし、この服にはこのハイヒールしかないから我慢するしかない。

扉を開けて近くのファミレスへ向かっていった。


「な、なんだか緊張するな」


それもそのはず、俺は女性として、さらには女性物のスーツを身に付けて道路を歩いているからだ。

履き慣れないスカートに、歩く度にコツコツとなるハイヒール。

いつも以上に緊張して、転ばないように慎重に歩いたため、ファミレスまで時間がかかってしまった。


「いらっしゃいませ! お客様は一名ですか?」


「ええ」


「では、こちらへどうぞ」


通された席に座った。ふぅ、ようやく落ち着ける。

ぐたりと背もたれに持たれて、リラックスする。


「ふー、女ってのは意外と疲れるな……慣れていないだけかもしれないけど。でもまあ、気分はいいぞ」


呟きながら、ニヤリと笑ってしまう俺。

さて、いい加減注文しなければ、と思い、メニューを見るため体制を整えるとと、目の前の男が俺を凝視していた。特に下半身を見ている。

リラックスしていたため、俺の足はだらしなく開いていた。男のときは問題は無いが、今の俺はスカートを履いた女。誰が見てもだらしなく思うだろう。


(ふーん、なるほど。あいつ美人の女性が股を開いてるなんて、覗けるチャンスだもんな。俺も当然見る。でもな……時間切れだ)


俺はゆっくりと開いていた足を戻す。そのまま、男の顔を見ていた。

男は股が閉じられると、舌打ちをしたのか、残念そうに俺の顔を見た。そして目があう。


「っ!?」


目があった瞬間、男は凄い勢いでそっぽを向いた。


(へへ、これは面白い。あいつの反応がこんなに面白いとは思わなかったぜ。)


少し女の気持ち? が、分かった俺は、再びメニューを見て選ぶことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ