再び女性変身へ
おばあさんと別れてアパートまで誰とも会わずに帰ってきてしまった……
「まあ、この人がいるからいいか」
俺はさっきの女性の写真を、またカメラの中に入れた。そして、自分にカメラを向けて黄色のボタンを押した。
フラッシュの光が消えたと思うと、ボロアパートの一室にスーツ姿の女性が現れた。
「よ、よし。また変身できた。っと、ハイヒールは脱いでおこう」
歩きにくいハイヒールを玄関に脱いで置いた。
そして、部屋の隅に置いてある姿見の前に立つ。
「この女性が俺なんだよな……はあ、綺麗だ」
自分の姿にうっとりしながら、顔や胸。お腹からお尻、足まで自分の細い手で触り続ける。
「なんだか気持ちいいな。ああ、全てが柔らかい」
鏡を見ながら、軽く少し足を動かしたとき、何かに当たり、足元からパタッと倒れる小さな音が聞こえた。
姿見から目を離して下を見ると、女性物のハンドバッグが落ちていた。
「え? なにこれ?」
座り込んでバックを開いてみると、財布やハンカチ、化粧道具。そして仕事用なのか筆記用具とスケジュール帳が入っていた。
これってもしかして……と思うと、俺は財布から免許証を見つけて取り出した。
「谷澤美月……さん、か。この顔は間違いなく今の俺の顔だ。つまり俺は谷澤美月さんという女性に変身してるんだな」
ついニヤリと笑ってしまう。そんな黒い心が出てきてしまって、俺は財布からお金を取り出していた。
「2万3千円だと……」
お札だけでこんなに持っているとは……ビジネスマンとしては、これくらい持つのが普通なのかな。
まあ、今の俺は谷澤美月。ということは、このお金は俺のものなんだ!
「変身を続けていればお金持ち……って、待てよ」
少し冷静になって考えてみると、これは変身してその人になるということは、コピーに近いものがある。
ということはこのお札も……
「なーんだ。コピー札じゃん。番号同じになるわ」
持っていたお札を放り投げて、床に倒れ込む。
あーあ、期待して損した。
そう思っていると、体が蒸れてきたような感覚がしてきた。
「何だか暑いな……って、そりゃそうだよな。こんなスーツを着ているからだよな」
俺は起き上がって、スーツのボタンを外して脱いだ。
部屋に白いワイシャツ姿の女性が現れた。
先ほどよりも、胸が良く見え水色のブラジャーが透けて見えた。
「おお! お、俺がブラジャーつけてるよ! へ、変態じゃ無いよな。うん、違和感もないし今の俺は女性だもんな……う、うん?」
胡座をかき、もっと詳しく見ようとしたがタイトスカートを履いていたため、足の可動領域が狭くなっており、足を広げれなかった。
「これじゃあ、座り込めないから、し、下も脱いでしまおうかな」
俺は立ち上がり、震える手で腰横にあるスカートのホックを外そうとしたのだった。




