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ひとつめ

恥ずかしながら苦手な系統のお話にチャレンジしてみようと思います。

 月曜の朝、俺はいつもの様に自転車を漕ぎつつ高校へ急いでいた。


すれ違うサラリーマン達も大概ダルそうな顔をしている。

やっぱりみんな、月曜朝は嫌だよな。

世の中が灰色に包まれている、そんな感じがした。


 信号につかまって止まり、ふっと一呼吸。

ーーーいつもここの信号で止められるんだよな…。まぁ休憩のつもりで良いか。


目の前を流れ過ぎて行く自動車の群れを眺めながらボーッとしていると、突然のキッという音で我に返った。


隣に女子高生の乗る自転車が止まったのだ。

このブレザーの制服は、俺と同じ高校の生徒か…。

見覚えがある子の気もするけど同じ学年かな?少なくともうちのクラスでは無いが。


 信号が変わり、自動車が一斉に停まる。

さて、また自転車を漕がなくちゃな。


ここで隣の女子高生が気になった。

そう、俺は小学生の頃“チャリンコケンちゃん”と渾名された程の自転車使いなのだ。

正直言うと運動全般には自信が無いが、こと自転車のスピードだけは定評がある。


ーーーじゃ悪いけど一気にスピードを上げて千切るか!


ペダルを踏み込んだその瞬間、目の前に女子高生の背中があった。


「なんだと!?」


女の子としては身長も体型もごく平均的な感じに見えた。でもとても綺麗なフォームの立ち漕ぎで自転車を操っている。


「くそっ俺は…チャリ…ケンちゃ…はあはあはあ…。」


息切れを起こす俺を尻目に、その女子高生はみるみるスピードを上げて遠ざかると角を曲がった先で遂には視界から消え去ってしまった。


最後に記憶に残ったのは特徴的な緑色の自転車、そして漕ぐ度に左右にたなびく黒髪ポニテとそれを括っている鮮やかな赤色のリボンが付いた髪留め。


そんなバカな!?


いやもしかして自信過剰だったのか。


恥ずかしいな、まったく俺は…。


女子高生に負けている。

もうしばらくお付き合いをお願いいたします。

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