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地脈龍様とシェリーさんの電話待ちをしていた所、地脈龍様が唐突に頭を抱えました。
『済まぬが、急用が出来た。また連絡する、それでは』
「どうした?」
『……余り説明したくないがしないと駄目じゃろうな。吾に子供が産まれた。……いや、産まされた、と言うべきかの』
「……レ○プごっこを無視していたら、能力で子供を造らされた、と?」
『まあ、そうなるかの。……自前で星を確保する為に欲しかったので有ろうの』
「……対処した方が良いのでは?」
『産まれた子供は吾ではないし、吾の力量も継いでは居ない。付喪神としての格はゴミと言って差し支えない。そもそも付喪神としての格を付ける行動を作り手以外ほぼ一切合切やって居ないから当たり前だがの』
「……一応地脈龍様の子供ですよね?」
『要は単為生殖で此方をモチーフに産まれただけで、江浦草とか名乗って居る様じゃがの』
「……えぇ、名前を付喪神と被せるのですか」
『付喪神を造りたいからそう言う名前にしただけで有ろうの。少なくとも今は前提条件上付喪神としての蓄積が零に等しいから比べるのもおこがましいレベルの下位互換じゃろうがの』
「いや、ステータスが底値だったとしても星の付喪神、ですよね?」
『此処で言う底値は一では無く、力の前提の物の蓄積が皆無と言う意味で、零じゃがな。さて、どうするかの、……ってレ○プした後殺し居ったわ』
「……えぇ……」
『で、レ○プで産まれた子供のステータスを見てゴミだったから、またレ○プして子供産ませてまた殺す、と……強い奴が産まれるまでリセマラしているのじゃろうが、……レアリティ判定とかの前提知識が無い状態でのリセマラとか正気かのぅ……?』
「……止めなくて良いのですか?」
『所詮能力の価値も解らない類いの奴だし止めに入るとむしろ余計なヒントを与える事に成りかねんのじゃが……』
「……えげつないですね」
『殺さないのもまた一興。パクる気満々の奴に全部理解させてやる必要も無いしの』
「……それでも殺しておきません?」
『まあ、産まれた子供らがちゃんとした生命体なら普通に犯罪行為しまくりで有るしの。テキトウに処しておく』
「……本当アレですよ」
『あの体たらくだと本当に強い奴を得たとしても雑魚扱いにして死蔵しそうだしの。まあ、アンチヘイト的には万々歳なのかの?』
「いや、その目的も有るとは思いますが、人工惑星を造りたいからやって居ると思いますよ、流石に」
『能力の精査もしないのに目的の物を得た所で使い熟せる気がしないのぉ。脳死で使える能力以外はゴミとか思ってそうだしの』
「……頭痛くなって来た……」
『一応、吾はヴィシュヌ様に比べればましだがの。ヴィシュヌ様が全てに宿って居るなら女性達にも宿って居る訳で、彼女達が和姦をすれば間接的にレ○プされる形になるでの』
「……えぇ……している際は宿って無いとか?」
『もし仮にそうなら、性行為は大真面目に神祓いの手法と成るでの』
「……業が深すぎますよ……」
『現実で遥か昔から未来含めて全知の救世主をほざく馬鹿なんぞ、パンデミックを防げ無かったら、パンデミックを潰せなかったや意図的に潰さなかった理由が必要なのよの』
「……何の話ですか?」
『いや、此方の話じゃの。未来予知が出来て全ての災いを防ぐ意志が有る完璧な神など居るなら世界規模の災いなんぞ一切起きはしないと言うだけじゃの』
「……神は人々に試練を与えるとも言いますし」
『理由はどうあれ人類に過剰なレベルで過保護な神は居ない、はず。そうでなければそもそも世界恐慌やパンデミックなんぞ起きぬ』
「……パンデミックはともかく、只の人災を神のせいにするのは話が違うと思いますがね……」
『人災なら人災の原因を処せ、過保護ならそれくらいするじゃろ?それにそもそも疫病に一切合切掛からない体を世界中の奴に与えろと言う話では有るの』
「……人類に防疫の意識が皆無なのもアレですし……」
『重ねて言うが、全ての生物を遍く救う全てをご都合主義的に解決してくれる神など居ない。パンデミックが天罰だからノーカンと言うのは違う気がするのぅ』
「……居るかも知れないじゃ無いですか」
『居たとしても他所の世界の話じゃの』
「……はぁ、雑談はもう良いですよね?帰らせて貰います」
『そうか。それではまた今度連絡するからの』
「……それでは、また」
水霧さんがその場を立ち去った後私は敢えて残り、聞いてみたい事を聞く事にします。
『おぬしは帰らなくて良かったんかの?』
「……聞きたい事が少し有りまして……何故、私には直接連絡を取りに来なかったのですか?」
『何か? マッサージの邪魔をした方が良かったかの?』
「……つまり地脈龍様は私がマッサージを受けていた事を把握していた、と……変態」
『かかか、吾だって配慮は出来るがの、無条件の全知と言える輩には全部知られているから今更だの』
「全知を名乗る奴にはアレな方が多いのですか?」
『いや、正真正銘の例外無しの全知なら、そう言う事を知らない訳が無いと言うだけだの』
「……範囲を絞らない真の全知の奴は、能力で他人のパーソナルデータを全部知った奴って認識で良い、と言う事、ですか?犯罪者では?」
『それを犯罪者とするなら人間対象が可能な鑑定系能力を持つ奴は全員犯罪者認定で良くないかの?』
「……あはは……雑な効果の奴なら結構居ますよね」
『まあ、そうだの。ついでに言って置くと技量と言う点での最強は鬼畜死に覚えゲーの主人公(キャラ側には記憶引き継ぎ無しに限る)の内の誰かだと個人的には思うのじゃの』
「何故です?」
『要はプレイヤーからすれば何度も死に覚えして突破するレベルの内容を完全初見で突破する化け物ぞ?』
「うわぁ……」
『さて、他に聞きたい事は有るかの?』
「……水霧さんがやって居る事は知っていると思いますが、地脈龍様は本心で水霧さんが好きとか有るのですか?」
『そう言う意図は無いと断言させて貰うかの』
「……ならなんであんな話を水霧さんに?」
『それに商売敵への対抗心以外の理由が必要かの?』
「……なんかすみません。ですが、地脈龍様は色々と情報を星の住民に開示しなくて良いのですか?」
『するつもりでは有るがの……星全体に一斉告知すると成るとある程度の割合で寝ているじゃろう?それにその形だと二番煎じ感も有るしの』
「……では、そうですね……ゲームとかの情報纏めの公式サイト的な物を造って、其処で情報を開示してルド様に告知して貰ってみてはどうでしょうか?」
『ふむ、まあ、アイディア自体は沢山の企業がやって居る事だとは言え、……ん?面白そうなアイディアが浮かんだのう。ネイト、吾と融合してみる気は無いかの?』
「嫌です。なんで子供を強制的に造らされたイベントを熟したばっかりの人と一つに成らないといけないのですか?」
『あの商売敵が付喪神と融合したので人間の都合で星を動かせます……と言う事を売りにするなら、吾にそう言う事を狙って来る奴がこの先出ないとも限らぬし、先にやって置こうと言うだけだからの。……嫌なら他とやるだけだがの』
「……地脈龍様が敵と融合する展開に成ってもアレなのは解りますが」
『最悪、そう言う能力を避ける為の仕組みを組む際に名前を貸して貰えればそれで構わぬが、どうかの?』
「……一度持ち帰って考えさせてください」
『良かろう。よく考えるが宜しい』
私もその場を後にしました。……さて、どうしましょうか……。




