表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

飽きた

この物語はフィクションです。




…俺は今、ネット上にある、いわゆる異世界スレッドと言うものにハマっていた。

ネット上には色々な情報が転がっている。

俺の見ていた異世界スレッドのほとんどは嘘…

つまり作り話が多く、そんな作り話を俺は見て楽しんでいる。

更にとてつもなくヒマな時、異世界に行く方法というものを実際にやるわけだが…

当然の如く全てが意味を為さなかった。

そんな感じでフラフラとネット上を放浪しているとき、またその手のスレッドを見つけた。


『飽きた』


小さな紙に六芒星の図形を描き、その中心に飽きたという文字を書く。

そして枕の下に置いておくという物だ。

その状況下に寝て、枕の下の紙が消えていれば、異世界へと行けるらしい。


…何故俺が最近異世界スレッドにハマったかという経緯というと、俺は約一週間くらい前…

高校の友人と駄弁っていたのだが、ふとその友人を見ると消えていたのだ。

消えていたと言ってもそれは文字通りの意味で、消滅。消失。フッと一瞬で消えてしまったのだ。

何が起きたかは俺には理解出来なかった。

だから俺はネットで探りを入れることにしたのだ。

そこで手にいれた情報はどれが本当でどれが嘘なのかなんて全然分からない。

片っ端からどの情報と情報が合致し、デマなのか真実なのかを見分けるというのはハッキリ言って不可能だ。

諦めかけ、ふと、目に止まったのが『異世界』という単語。

前の俺なら鼻で笑い飛ばしていただろうが、友人が目の前で消えてしまった今なら可能性としてあると思ったのだ。

…それでハマったというワケだ。


「…飽きた…確か赤色で書けば効果が高まるとかだったよな…」


時刻はPM.11:30…

夜中だ。

親は朝に帰ってくるから好きな音楽をスピーカーでガンガン鳴らしている。

その中で寝るのが俺の楽しみだ。

だが、今はそんな趣味には浸らず作業を進める。

紙を用意し、そこに赤ペンで六芒星の陣を描き、中に

『飽きた』

と書く。

後は枕の下にこの紙を置いて…

…これで準備は整った。

もしもの時の為に書き置きを書いて…

後は…

スピーカーに流れている音楽をお気に入りの音楽へと替えた。

…しんみりとしたような空気が俺の部屋を包み込む。

さて、そろそろ寝るか。

部屋の電気を消した。

…明日はどうせ日曜だ…

起きたってなんもすることねぇよ……





サァァァ………


心地よい音…


木々が揺れるような…

風に吹かれる草原のような…

そんな音が耳元に広がってくる…


たまにはこんな音も良いもんだな…

…どうせ日曜なんだ…

二度寝くらい…いいよな…





…俺に意識が戻る。

何故ならいつもとは違う、異質な空気…というのだろうか?

そんなものを感じたからだ。

普段なら心地がよいであろう風が俺の髪を乱す。

いい天気だなぁ……

うん…


俺は立ち上がり辺りを見渡す。

見事な山々。

見事な草原。

見事な森の数。



「ここどこだぁぁッ!!」


幸か不幸か…

無事に?

異世界トリップをしてしまったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ