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第13話:拒絶
「真美とは遊び」と言う太郎。
美香の気持ちは戻らない。
一度壊れた信頼は戻らない。
太郎は必死だった。
「違う!」
「俺は美香が好きだ!」
「真美とは遊びで」
その瞬間。
美香の目が冷たくなった。
「最低」
小さく言った。
太郎は固まる。
「遊びって」
「相手にも失礼だよね」
美香は言う。
「好きって言ったんでしょ?」
太郎は言葉を失った。
図星だった。
真美には言った。
好きだと。
体の関係のあと。
勢いで。
「ねえ太郎」
美香は静かに聞く。
「もし私が浮気して」
「同じこと言ったら」
「許す?」
太郎は答えられない。
美香は立ち上がった。
「ごめん」
「プロポーズ」
「受けられない」
太郎の顔が青くなる。
「待って」
「まだ終わってない」
「終わりだよ」
美香は言った。
「信頼って」
「一回壊れたら」
「元に戻らない」
その言葉は。
静かな宣告だった。




