↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
175/220

175:さぁ、食うぞおおぉぉ!

「ディル様。おはようございます」

「お、おはよう、エヴァ。あの、これは……」


 な、なんでエヴァがもうゼナスに?

 朝からまた、あれこれ注文されて錬金し、昼食前に少しでも会場準備をと思っていたのに。双子にせかされてやってきたのはその会場。

 そして目の前にはエヴァがいて……ど、どういうこと。

 なんで俺、囲まれてる?

 かごめかごめ? あ、懐かしいな。やったことないけど。


「お、驚いていますよね?」

「そ、そうだね、少し」


 嘘ですめちゃくちゃ驚いています。


「あ、あの。私がみなさんにお願いしたんです。ディル様を驚かせたいからって」

「そ、そんなんですか。さ、作戦成功ですね」

「ふふ、はい」


 満面の笑みを浮かべるエヴァを見たら、驚いてよかったと思う。うん……でもなんで?


「エヴァンゼリン様。おそらく坊っちゃんはまだ気付いておりません。坊っちゃんのアレということを」


 アレ?


「まぁ! 本当なのですか、ディル様?」

「え? い、いや、アレだよね。うん、わかってるよ。アレね。アレ……」

「「はぁ……」」


 ちょ! 周りで一斉に溜息吐くのやめてくれる?


「ふふふ。コレですよ、ディル様」

「こ、これ?」


 そう言ってエヴァが後ろ手に隠していたものを差し出した。

 青い包装紙に包まれた箱。

 んん?


「ディル様。お誕生日、おめでとうございます」

「た…………え? たん……え?」

「「はぁ……」」


 誕生日……俺の?


「えっと、今日って何月何日でしたっけ?」

「今日は六の月の十四日ですよ」

「おお! まさに俺の誕生日! え、もうそんな日?」


 まだ四月ぐらいだと思ってた……。あの正月祭りからもう半年? 早くない?


「おいおい。ボケるには早すぎんだろ。えぇっと、何歳だ?」

「親方、ボケるには早すぎですぜ。坊は今日で十四歳ですよ」

「うるせえ! お前ぇは一言多いんだよ」


 十四歳……つまりえっと……三十四で死んだから……四十八……おっさんになったなぁ。

 いや、もう前世の年齢を上乗せするのは止めよう。虚しくなる。


「もう六の月になっていたのには気づきませんでした。いや、ほら、ここってずっと暑いからさ、季節感ないんですよね」

「あぁ、そうですね。ふふ。毎日しっかりとカレンダーを確認しないといけませんね」


 カレンダーか。カレンダー……部屋にはあるんだけどね。


「あの、これ開けても?」

「ひゃい! は、はい。どどど、どうぞ」

「は、恥ずかしいようでしたら、その……」


 だってこのままじゃ、公開処刑ものだし。

 だけどエヴァは首を振って「どうぞ」と言った。

 じゃ、じゃあ開けるか。

 ……………………。


「ってかこんなに見られたら俺が緊張するんだけど!」

「頑張って、兄さま」

「諦めましょう、兄上」


 他人事だと思ってぇ。あぁ、父上殿なんてにこにこだし。微笑ましい光景じゃないからね、これ。

 はぁ……もういいよ。開けてやるよ!


 箱の裏側から青い包装紙をべりってやると、まぁた一斉に溜息が漏れた。

 あ、圧……え? 何? 身ぶり手ぶりでみんなが何かを伝えようとしている。

 え? やぶる、な?

 はぁ……わかったよ。丁寧に剥がせってんだろ。まったくもう。


 ビリっとしたところから、今度は丁寧に剥がしていく。周りが頷く。

 なんかじんわり汗ばむな。

 やたら時間をかけて剥がした包装紙を、いつの間にか待機していたマーガレットが受け取る。

 もしかしてそれ、綺麗にしてとっとけってこと?

 ま、まぁいいや。


 箱の中身は……これってカフスボタン?

 オレンジ色した宝石が嵌め込まれている。


「お父様とお祖父様に手伝ってもらい、ディル様の瞳と同じ琥珀色のものを探していたんです」

「俺と同じ? わざわざその色で作ってもらったんだ。へぇ、綺麗だなぁ。何て名前の宝石なんだい?」

「はい。オレンジダイヤモンドです」

「へぇ、オレンジダイヤ……ダイヤモンド!?」


 え、待って。ダイヤモンド? オレンジダイヤモンド?

 ダイヤモンドが高価ってぐらいは知ってる。この世界でもそれは同じ。

 ただのダイヤモンドじゃなく、オレンジ? さ、流石に知らないけど、色がついてたら価値は高いのかな?

 こ、怖くていけない。


「い、色付きのダイヤモンドなんて、たぶん初めてみました」

「私はピンクを見たことがありますが、オレンジは初めてです。珍しいって、お祖父様も言ってました」


 にこにこ顔で言ってるけど、もしかしてこれ、凄いもの?

 チラりとドワーフの親方を見ると、その目が輝いていた。

 ドワーフも虜にするオレンジダイヤモンド……マジか……。

 そんな希少なものを俺のために。


「ありがとう、エヴァ。大事にするよ」

「大事にしまい込まないでくださいね。使って頂きたいもの」

「うん、わかったよ」


 エヴァと会う時や王宮へ行く時に着けよう。


「それじゃあ、ディルムッドの誕生日祝はここまでにして」


 え、父上殿。こ、ここまで?


「ここからは騎士団の歓迎会といこうか」

「「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」


 俺の誕生日、あっさり終わってしまった……。

 ま、いいか。

 朝食の量がいつもより少なかったのは、この為だったのかな。


 さぁ、食うぞおおぉぉ!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。