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毒親育ちの俺、異世界で優しい家族を得る~不運な男爵家ですが、錬金魔法で辺境領地を発展させます~  作者: 夢・風魔
3章

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124/124

124:まずは優先順位を決めよう。

「えっと……ご領主様の坊ちゃん。これは何の形なんだ?」

「六芒星の魔法陣形です」


 むふんっと鼻息を吐き、胸を張ってドヤる。

 上から見下ろせないのが残念で仕方がない。ドローンでもあればいいんだけどなぁ。

 地球のドローンって、今ごろどんな進化をしているんだろうか。


 万が一のスタンピードに備える必要があって、それでダンジョンの入り口を壁で囲うのが習わしだ。

 どうせ囲むならカッコよく。

 どうカッコよくするか。そう考えたとき浮かんだのが六芒星だ。

 その六芒星をさらに円で囲めば、魔法陣そのもの。


 カッコいい。


「こうすればほら、ダンジョンからモンスターが出てきて最初の門を突破されても――次の門がある」


 六芒星の中心は六角形。全ての辺に扉を付けてある。

 その扉を潜ると正三角形の部屋だ。そこにも扉があって、つまりスタンピードが発生した場合、この正三角形の扉の前で防衛することになる。

 一度に相手にするモンスターが少なければ、防衛だってしやすい。

 さらに、外周をぐるっと囲む壁の上から遠距離職が攻撃することで、内側の六角形部分で身動きが取れなくなっているモンスターも倒せるって作戦だ。


「外周の壁にある塔は?」

「あぁ、休憩スペースですよ。高くなっていれば、周りから見てそこが休憩スペースだってわかりやすいでしょう? それに頂上に登れば、他の塔とも連絡を取り合えますし」


 六芒星の角の延長線上にある外壁に、高めの塔を錬金してある。

 中は螺旋階段にし、全部で四階構造にした。外壁の上からも直接中に入れる。


「い、至れり尽くせりだな」

「冒険者の皆さんの安全を考えてですよ。安全第一、ヨシ!」

「よ、よし」


 冒険者ギルドのマスターのヨシもいただいたことで、ダンジョン包囲作業は完了。

 宿場町に戻って父上殿たちにも報告し、俺たちの仕事は終わった。


「では領主さま。後日もろもろの契約などをさせていただくため、ゼナスに職員を行かせます」

「承知しました。わざわざ来てもらうことになって申し訳ない」

「いえいえ。浮遊馬車のおかげで、ゼナスまで三時間ほどで到着できますんで」


 浮遊馬車は町に二台置いてある。宿場町とゼナスを往復するための馬車だ。

 これがあれば、砂漠へ行き来する冒険者の移動が速くなるからな。

 

 ギルドとの契約。

 それは、ダンジョンができたことで得られる利益の取り分についてだ。


 ゼナスへ戻りながら、その辺りの話をロバート卿に教えてもらった。


「冒険者ギルドが領主に支払う税金は、その支部の付近にダンジョンがあるかないかで税率が変わってきます。といっても、その辺りの裁量は領主次第ですが」

「ふぅ~ん。父上はどうなさる予定なのですか?」

「ん? そうだねぇ。別にこれまで通りでいいんだけど」


 岩塩でぼろ儲けしているし、特に税上げする気はないのか。

 でもまぁ、そうだよな。

 税率を上げなくても、宿場町にあるギルドの収益は自然に増えていくんだ。

 ギルドが繁盛すれば、収めてくれる税の金額だって増える。


 この件は俺も父上殿の意見に賛成だな。

 

 あのダンジョンからどんな素材が採れるんだろうか。

 まぁその辺りはこれからかぁ。

 





「お帰りなさいませ、旦那様。随分と大変な目に遭われたようで」

「ただいま、セバスチャン。いやぁ、久しぶりに夜通しのモンスター討伐だったよ」

「私なんて初めてよ。ですがいい経験でしたわ」


 父上殿は男爵領にいたときも、年に一回ぐらいはモンスター討伐にでていたもんな。

 でも母上はずっと留守番をしていたし、貴族の令嬢がモンスター討伐に向かうなんて、そんなことないだろうしなぁ。


 ん? いや、そんなこともない、のか?

 ん?


「お湯の準備もできております。みなさま、まずは湯あみで疲れをほぐしてください」

「あぁ、ありがとうセバスチャン」


 やった、風呂だ!

 と心の中で喜んだところで。


「お父様~、お母様~、兄さま~」

「おかえりなさいっ」


 ティファニーとジークが駆けてきた。

 少し、ほんの少しだけ、ふたりは目を潤ませている。

 不安だったんだろうな。


「ただいま、ふたりとも。良い子にしていたかい?」

「はい、父上」

「もちろんよ。ね、もう大丈夫? ダンジョンに行かなくて平気?」

「あぁ。ダンジョンはディルムットが壁で囲ってくれたし、もう安全だ」


 それを聞いて双子の表情が明るくなった。


「だけど宿場町にはまたいかないとなぁ」

「え、あっちの町に行くの、兄さま?」

「そうだね。ダンジョンがあるとなると、これからもっと冒険者がやってくるだろうし」

「あ、つまり泊まるところが足りなくなるってことね?」

「その通りだよ、ティファ」


 正解を言い当てたティファの頭を撫でてやる。

 ギルドのマスターには、どのくらいの施設が必要か、そこも考えてまとめてもらうようお願いしてある。

 ゼナス同様、向こうも町を囲った壁から拡張しないとダメかもなぁ。


 ま、考えるのは今度にして。

 今日はとにかくゆっくり休むぞ~!

 

 明日は転送の魔導具を設置する地下室を錬金して、それから公爵家にも行ってみて、それから一時保存機能が付いたし、岩とか竹とか保存したいな。

 畑の様子も見に行かなきゃ。岩塩の採掘場も。そろそろトロッコの拡張が必要じゃないかな?

 あぁ、北側の農地開拓も進めなきゃ。コロコロのんこ玉土壌改良計画も再開して、あっ、新しいガチャの中身も錬金しないと!


 ……うん。まずは優先順位を決めよう。

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