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学園でのバレンタイン―16歳―


 リド歴795年 二の月 二日


 学園を意を沿わぬ形で去った生徒達はやっぱり出来れば学び直しはしたいみたいだね。

 ただ年齢を重ねた後に学び直すのは躊躇したりするのかな。確かミリーの前世では何歳からでも学べたりしたんだよね?

 そのあたりの打ち合わせも会ってしよう。


 ティモ



 リド歴795年 二の月 六日


 私達の通っている学園は、お金がかかりすぎよね。王族や貴族が通う学園だから当然だけれども……。

 それでいて平民などが通う学び舎には行きたくないというプライドがある方も多いのね…。そちらに移動したら学ぶことは出来るのだけど。

 私達の通う学園を卒業したら箔が付いたり、実績になることも当然だとは思っているわ。だけれども就職の際に特定の学園を出ていないからという理由でチャンスも手に入らないのはどうかと思うもの。

 学園時代には試作的にしか試せないかもしれないけれど、そのあたりもどうにかしたいわね。


 ミリセント



 リド歴795年 二の月 九日


 ミリーの提案はいつだって魅力的だよね。ただ理想を追い求めているわけではなく、現実的にまとめているのが流石だよ。そういうミリーだからこそ、私は好きなんだよ?

 進めていくうちに色んな意見は来るかもしれないけれど、私は全力で手助けするから。


 ティモ



 リド歴795年 二の月 十二日


 少しずつ制度を整えるための準備を進めるわ。色んな人に連絡をしなければならないから、まだすぐには無理だけれども、頑張るわ。

 十四日は開けておいてね。ティモと過ごしたいから。


 ミリセント




 リド歴795年 二の月 十四日


 今日はチョコレートをくれてありがとう。毎年もらっているけれど、こうして直接もらえるとやっぱり嬉しいな。

 ミリーが丹精を込めて準備してくれたものだと思うとそれだけでも嬉しい。もちろん、味も美味しいけれど。

 それにチョコレートをもらった後にデート出来たのも楽しかった。来年も同じようにデートしたいな。


 ティモ



 リド歴795年 二の月 十五日


 今日は令嬢達と一緒にバレンタインの成果を話したわ。

 婚約者のいる方は、そのまま婚約者に渡したみたい。仲睦まじい様子を見ていると私はとても幸せな気持ちでいっぱいになるわ。あとは片想い中の令嬢を応援したりもしていたわ。ただ告白が上手く行かなかった子もいたからどんなふうに慰めたらいいかと悩んだわ。

 私とティモはたまたまこうして婚約者になって、互いに思いあうことが出来ているけれどそれってある意味奇跡なのよね。そうじゃなかった未来が幾らでもあったんだなと思うと、ティモとの時間を大切にしたいと思ったわ。


 ミリセント


 

 リド歴795年 二の月 十八日


 私も男子生徒達がチョコレートをもらった、もらってないで盛り上がっていたよ。

 私はミリーからもらえれば十分だけど、婚約者が居ても色んな令嬢からもらいたがる人たちはよく分からないなと思った。

 私も仲睦まじい様子の婚約者や恋人同士は見ていて良いなと思うけれど、それ以外はちょっとどうかなと思う。

 ミリーが私の婚約者で良かったと本当に心からそう思うよ。私は君が婚約者じゃなかったらこんなにも幸せじゃなかっただろうから。ホワイトデーの時のことは楽しみにしていてね。


 ティモ




 リド歴795年 二の月 二十二日


 学び直しの制度に関することを色々と進めているのだけど、一度挫折した人にそんなにお金をかけるなんてと口にする人もいるのよね。エリート街道を生きていれば、一度挫折した人を信じられなかったりするかもしれないけれど、誰だってそういう瞬間があるもの。

 私やティモだってもしかしたらそんなことになり得るかもしれない。そのエリートな人達だってね。だからそのあたりはちゃんと、なるべくそう言う人たちも立ち上がれる国にしたいわ。

 私の知り合いの令嬢にも色んな方にチョコレートを渡す人もいたわ。婚約者がいないからこそ、作るために色んな人に渡していたみたい。

 ホワイトデー、楽しみにしているわ。


 ミリセント




 リド歴795年 二の月 二十五日


 エイブルガンたちも含めて、ミリーのやろうとしている制度についての話し合いをしたよ。やっぱり私達がそう言う風に道をそれてしまうのは想像出来ないって言われた。でも私はミリーのいうようにそんな未来も来る可能性はあると思っているんだ。

 だからそういう大変な時になったことは考えておかなきゃね。財産とか、何かあった時にどうするかとか。

 私はそうなったとしても、ミリーを手放しは出来ないだろうけれど。

 私も失敗した人が立ち上がれる方がずっと嬉しいな。そうした方が人材資産を活用できるしね。


 ティモ



 リド歴795年 二の月 二十九日


 私だってティモがどうなったとしても傍に居るわ。取り返しのつかない失敗だったとしても、私にとってはティモの傍にいることが大事だから。

 私は王妃という地位も大事にしているけれど、ティモの婚約者だからこそそうなりたいんだもん。

 そのあたりもちゃんと準備しているわ。個人資産もそれなりにため込んでいるもの。


 ミリセント




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