最終話
「あのサ、ちょっとぶっ飛びすぎじゃない?」
「はぁ」
「いきなり法政大学の予算報告とか見せられてもサ、ね?」
またダメだったのか…と犬山は落胆する。
「前衛的すぎんのサ」
編集の八畑に言われた言葉が耳に残って繰り返される。
」っと」
小説と呼べるかもわからないものを私は書き終えた。
「それしても本当に前衛的すぎたかなぁ」
そうぼやいた。
視点がコロコロ変わり、実は誰かに書かれている世界でその世界も書かれてる世界というような形にしてある。
「最初がホラー?小説みたいな?んで次に異世界転生作品。最後がそれを全て書いた作家の話」
そこで何かに気がついた。
この世界も誰かによって書かれた世界なら?
私の思考も行動も全て誰かが書いたものなら?
ありえるのである。
この世界が誰かの小説なら、
目を瞑れば何も書かれなくなる
ことはなく、思考を止めれば
考えるのをやめるんだ。
考えるな
考えるな
書かれなくなる…
……
……
……
駄目だ。
この小説を終わらせるには
男はまだディスプレイが光るパソコンの前に置かれた夜食のカップラーメン、の上に置かれた箸を見た。
おもむろに箸を掴んだ。
男は箸の先端をじっと見つめた。
ブスリ
目から
脳まで届くように。
グリグリと押し込む。
…
あなたは液晶画面から目を離した。
なんだこの小説とも呼べないものは、と困惑している。
そこで何かに気がついた。
あぁ、誰かが書いてるな。




