2018年度事業計画書 法政大学
2018年度(平成30年度)
事業計画書
学校法人 法政大学
I.はじめに
本学は,2014 年度以降,創立 150 周年となる 2030 年を展望した長期ビジョン「HOSEI2030」の策定に 取り組み,基本構想である「HOSEI2030 最終報告」を取りまとめました。それを受け,今後の本学の方 向性・理念を明らかにするために,「法政大学憲章」及び「法政大学ダイバーシティ宣言」を制定・公 表し,また,構想実現のためのロードマップ及び「HOSEI2030 アクション・プラン報告」を取りまとめ ました。2017 年度には,「HOSEI2030 アクション・プラン報告」を踏まえ,本学初となる「中期経営計 画」第I期(2018 年度~2021 年度)を策定し,2018 年度は,この「中期経営計画」を具体的に実施して いきます。
また,2017 年 11 月,平成 29 年度文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」タイプ B(世界展 開型)の支援対象校に本学の「江戸東京研究の先端的・学際的拠点形成」事業が選定されました。本事 業は,学長のリーダーシップの下,大学の特色ある研究を基軸として,全学的な独自色を大きく打ち出 す取組を行う私立大学に対し,最大 5 年間にわたり支援されるものです。2017 年度に,国際日本学研究 所及びエコ地域デザイン研究センターを基に教育研究拠点として「江戸東京研究センター」を設立しま した。この研究センターを中心にして,日本文化の国際的発信者としての本学のブランドイメージを強 化していきます。
その他,大学部では,グローバル化を始めとする社会環境の変化に対応した柔軟な授業設計を可能と するため,授業時間割及び学年暦を見直し,2018 年度から,100 分授業を導入するとともに,サマーセ ッション等の短期集中授業の実施を可能とします。学生は長い夏期休暇が確保され,海外留学や海外イ ンターンシップに参加し易い環境が整います。付属校では,法政大学女子高等学校が,2018 年 4 月,校 名を法政大学国際高等学校に変更し,男女共学でIB(国際バカロレアInternational Baccalaureate) コースを持つグローバル型の付属校として新たに出発します。
これらの新たな諸施策を可能とするため,以下により 2018 年度予算を策定しました。
II.2018年度予算編成における基本方針
中期経営計画に基づく新たな諸施策への取り組みは,十分な財政的裏付けを持たなければなりませ ん。2018 年度予算編成方針の策定に先立ち,まず、中長期財政試算を行いました。学生生徒等納付金を 主とする収入規模を見通し,支出面においては,予算編成に大きな影響を及ぼす大規模な事業予算を要 する建設・修繕事業,施設・設備の維持・管理事業,ICT 事業,人件費等を中心として試算を行いまし た。2018 年度入学者から学部の学費を増額改定しますが,文部科学省による定員管理の厳格化政策の 下,学生生徒等納付金の大幅な収入増を見込むことは困難であり,この状況は今後も続くことが見込ま れます。一方,支出面において,人件費,施設・設備の維持・管理・更新等の教育・研究環境整備に要 する経費,奨学金等学生生活を支援する経費等は,今後も拡大・固定化傾向が見込まれます。その他, 2019 年秋に予定される消費税率の改定等の外部要因もあり,厳しい財政状況が続く試算結果となりまし た。
試算結果を受け,2018 年度予算は,「HOSEI2030 アクション・プラン報告(中長期財政支出削減)」に て示した中長期財政の指標等を見据え,将来において事業活動収支差額比率 10%の確保を目標指標とし つつ,現時点の収支状況を勘案して,基本金組入前当年度収支差額 13 億円(事業活動収支差額比率 2.7%相当,対 2017 年度予算比 3 億円増)を目標に,以下の基本方針を掲げ,予算編成を行いました。
2018 年度予算編成の基本方針
I. 事業活動収支計算において,基本金組入前当年度収支差額13億円を確保できるよう予算を 編成する。
II.「重点施策事業」及び「特別事業」は,事業内容を精査したうえで,予算額の縮減を図る。 III. 経常経費は,内容を精査したうえで,予算額の縮減を図る。
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「HOSEI2030 アクション・プラン報告(中長期財政支出削減)」及び「中期経営計画」においては,経 費削減策や増収策への取組みの必要性についても記しています。重点的・強化事業への予算配分による 事業実施と並行して,経費削減及び増収に係る計画的な取り組みも進めていく必要があります。
2030 年の本学の目指す姿を実現するための諸事業の推進には,多くの財源を必要とします。その財源 の捻出のためにも,「HOSEI2030 アクション・プラン報告(中長期財政支出削減)」にて取りまとめた収 入源の拡充,経費削減等の具体的重要施策の実現が必要です。諸施策・事業の推進と財政の健全性の確 保を両立することの必要性を十分に認識し,財政運営に反映してまいります。
III.事業計画の概要
1.重点施策事業
重点施策事業においては,長期ビジョン「HOSEI2030」の実現に向けた具体的な取り組み等を実施しま す。2018 年度に実施する主な事業は,以下のとおりです。
〇「法政大学ミュージアム(仮称)の設置・運営事業」 本学の研究・教育資源の収集・保管・展示を通して,ブランド発信及び社会貢献を担います。
〇「オンライン化システム構築事業」 さらなる教育の質の向上を目指して,時代に合った新たな授業の実施方法・教育手法を開発します。
〇「ブランディング推進事業」 「法政大学憲章」の体現を通じて,ブランド価値の強化・向上を図ります。
〇「研究力強化事業」「若手研究者公募研究プロジェクト事業」 課題解決につながる実践知を創出する研究支援の仕組みを構築するための評価システムの検討,条 件整備を行うとともに,本学における若手研究者支援の仕組みを強化します。
2.特別事業
年次計画に基づいて行う事業について,特別事業と位置付け,事業を実施します。主な事業は,以下の とおりです。
(1)スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU事業)
2014 年度に採択された文部科学省・スーパーグローバル大学等事業「スーパーグローバル大学創成
支援」は,事業開始から 2018 年度で 5 年目を迎えます。本事業は,派遣留学制度等の充実による学生 の留学機会の拡大,海外協定校の拡大,海外拠点の拡充,卒業生のグローバル・ネットワークの構築, 教職員の国際通用性の向上等,幅広い事業内容を有しています。
また,既に始動している 4 つの英語学位プログラム(1大学院イノベーション・マネジメント研究科 Global MBA Program(GMBA),2経営学部 Global Business Program(GBP),3人間環境学部 Sustainability Co-Creation Programme(SCOPE),4大学院情報科学研究科・理工学研究科 Institute of Integrated Science and Technology(IIST))に加え,2018 年度には,多摩キャンパス(最初の 3 セ メスターは市ヶ谷キャンパス)において,経済学部 Institute for Global Economics and Social Sciences(IGESS)の始動を予定しています。
(2)建設・修繕事業
全ての校地における建設・修繕事業について,中長期計画策定の下,2018 年度事業を予算化し,実
施します。特に大規模予算を要する事業は,以下のとおりです。 a.市ヶ谷キャンパス 55・58 年館建替工事
2014 年 3 月に着工した当該工事は,2016 年 8 月に完成した「富士見ゲート」に続き,2018 年度に 「南棟(仮称)」の竣工(2019 年 2 月)を予定しています。2019 年 4 月から使用開始予定です。
当該工事全体は,南棟(仮称)完成後,55・58 年館の解体工事を行い,2021 年 1 月に全ての工事を 完了する予定です。
b.多摩長期修繕工事
1984 年に開設以降 30 年以上を経過している多摩キャンパスの施設は,長期修繕計画に基づき整
備を進めています。2018 年度に予定する主な工事は,以下のとおりです。
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〇受変電設備更新工事(6 号館) 〇高圧ケーブル更新工事(3 号館他) 〇エレベータ改修工事(1・3 号館)他
c.その他修繕工事等 その他予定している主な修繕工事は,以下のとおりです。 〇市ヶ谷キャンパス富士見坂校舎空調更新・屋上防水工事 〇小金井キャンパス南館・西館・部室棟防犯設備更新工事 〇国際高校4号館空調,2・新3号館衛生他工事 他
d.市ヶ谷地区土地・建物購入事業 将来的な施設拡充,現施設の建て替えのために有効と判断する現校地に隣接する土地・建物を購
入し,校舎として使用するための環境整備を行います。
(3)奨学金事業 経済的な理由によって就学困難な学生の支援強化
〇 〇 〇 〇
(4)ICT事業(Information and Communication Technology) 情報環境の充実・整備は,教育・研究活動の生命線であり,また,学校法人の運営においても欠かせ
ません。適切かつ安定した運用を維持していくため,計画的なICT環境整備を行っています。2018 年度の主な事業は,以下のとおりです。
〇教育学術情報ネットワーク(net2017)の運用 〇情報基盤システムの運用 〇市ヶ谷・多摩・小金井情報教育システム(edu)の運用 〇図書館システムのリプレイス
〇国際高校IT基盤整備 他
(5)補助金事業 事業費の全額または一部について,国庫補助金,地方公共団体補助金の交付を受けて実施するプロ
グラム・事業(スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU事業)を除く)の予算について,本事業 区分において計上しています。文部科学省による 2018 年度の支援が決定されている主な事業は,以下 のとおりです。
〇私立大学研究ブランディング事業「江戸東京研究の先端的・学際的拠点形成」
2017 年 11 月に,文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」タイプ B(世界展開型)の支援対 象校に選定されました(申請 188 校,選定 60 校<うちタイプ A(社会展開型):33 件,タイプ B:27 件 >,事業期間 2017 年度から 5 年間,領域「人文・社会系,理工・情報系」)。タイプ B は,先端的・学 際的な研究拠点の整備により,全国的あるいは国際的な経済・社会の発展,科学技術の進展に寄与する 取組を対象としています。
江戸東京に蓄積され,現在にも生きる固有の自然・歴史・文化・人的資源の発掘と再評価を通じて, この都市が文化的・空間的に持続している理由を解明し,そこから持続可能な地球社会を構築するた めの方法と理論とを導き出します。
2018 年度は,「江戸東京の都市空間の特性に関する研究と<実践知>を生かした事業参加拡大」を事 業目標とし,江戸東京についての 4 つの研究プロジェクト(1水都‐基層構造,2江戸東京の「ユニー クさ」,3テクノロジーとアート,4都市東京の近未来)が研究活動を展開します。また,ブランディ
をはじめ,優秀な成績等を収めた学生の奨励,海
外留学支援等,学生への奨学・奨励事業を実施します。2018 年度予算においては,限られた財源の中,
経済支援型の奨学金へシフトしていくことを主旨に,全体の見直しを行っています。2018 年度の主な
事業は,以下のとおりです。
「開かれた法政21」奨学・奨励金
新・法政大学100周年記念奨学金
SA等奨学金
交換留学生受入れプログラム実施事業 他
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ング戦略としては,様々なステークホルダーと連携しながら事業参加拡大を図り,共同して事業を推 進します。
上記,重点施策事業及び特別事業のほか,経常的な事業運営に要する経費について,経常経費として予 算計上しています。
IV.2018年度における主な事業
2018年度予算に計上した主な事業は,以下のとおりです。
2018年度 事業別予算(概要)
(単位:百万円)
分 類
主な事業内容
予算額
人件費関係
学内年金の再設計に伴う特別繰入
1,680
分 類
重点施策事業
HOSEI2030推進事業関連等の重点施策の実施
スーパーグローバル 大学創成支援事業
建設・修繕事業
奨学金事業
ICT事業
補助金事業
施設の維持・管理事業
広報事業
後援会事業
その他
総長室他
法人本部
環境保全本部
教育支援本部
学術支援本部
上記以外の年次計画に基づく各種事業
総務,人事,経理,卒業生・後援会連携,募金
施設部,環境センター
主な事業内容
文部科学省補助金採択によるグローバル化推進の強化
(市ヶ谷)55・58年館建替工事,(多摩)長期修繕計画に基づく工事, 市ヶ谷地区土地・建物購入事業 など
「開かれた法政21」奨学・奨励金,新・法政大学100周年記念奨学金,SA等奨学金, 交換留学生受入れプログラム実施事業 など
教育学術情報ネットワーク(net2017),情報基盤システム, 市ヶ谷・多摩・小金井情報教育システム(edu),図書館システム など
(文部科学省)私立大学研究ブランディング事業 など
総合管理委託事業(警備・清掃) など
学生募集に係る入試広報事業 など
後援会からの寄付金収入を伴う事業
小 計
(大学部)学部・大学院研究科・専門職大学院の運営,通信教育部, 入学センター,グローバル教育センター
学生センター,保健体育センター,キャリアセンター
研究開発センター,研究所,総合情報センター,図書館 など
予算額
321
特 別 事 業
202
10,478
1,182
1,705
159
1,887
179
100
959
16,851
経 常 経 費
総長室(法人企画・広報・大学史),大学評価室,付属校連携室, ハラスメント相談室,監査室 など
小 計
1,964
95
661
593
学生支援本部
(付属校)中学高等学校,第二中・高等学校,国際高等学校
250
317
1,064
個別予算管理事業
上記の経常経費とは区分して,個別に予算管理を行う事業(光熱水費など)
1,242
6,186
総 合 計
25,039
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2018年度事業計画書 学校法人法政大学 発行
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