22.おかえりとただいまと
プロポーズを承諾したあとのアルフォードさんの動きは早かった。
次に会いに来た時には、一緒に何軒かの家を見て回った。
どこも私の部屋よりは王宮に近く、とにかく大きい。
「ナオミはどの家がよかった?俺はナオミが居ればどの家でもいい」
満面の笑顔で言われて、初めて私…達の新居を見て回ったのだと気付いた。
大きすぎない?家賃いくらなんだ?
掃除!掃除どうするの?
営業してた場所やお店には通えそうだけど…
黙りこんだ私に、アルフォードさんが申し訳なさそうな顔をした。
「悪いが、家を建てると、引っ越しまで時間がかかりそうなんだ…。一旦どれかの家に引っ越してくれれば、そこから家を建てるから」
「え!?いえ、建ててくれなくていいですよ!?
見たお家が大きすぎて、掃除が大変だ、な、と…」
アルフォードさんと私の向いてる方向が違いすぎてものすごく不安になる。
結婚して大丈夫か?って思うのに…
「掃除なんて俺がするし、家政婦を雇ってもいい。ナオミが、俺と住みたいと思った家を選んでくれ」
蕩けるような、幸せそうなこの顔を見ると、やっぱり結婚したいと思う。
いや、言ってる内容が私に甘すぎるのは置いておいてね。
言われるがままに絞られた選択肢から新居を決めると、その次は家具、インテリア、雑貨。
立て続けに決めて、危うくそのまま引っ越しまで済みそうだったので、流石にちょっと待ってもらった。
だってこの部屋はマーサさん達の紹介で住ませてもらったんだもの。
マーサさん達にも、ゲルハルトさんにも、きちんと説明して都合の調整をつけてから引っ越したい。
家賃は払い続けて、先に引っ越しだけ終わらせるのはどうか、とアルフォードさんが言ってたけどそれも断った。
だって最後の一人暮らしを満喫したかったし、小さいながらに私の初めてのアトリエだったからね。
オーミットさん達に思いの外早く部屋を出ることになった事を謝りにいき、結婚の報告もした。
「シュリシュでは、たくさんの人にお祝いされるとたくさんの幸せが訪れると言われているのよ。
だから、ご近所の人とか、両親の親しい友人とか、本人のことを知る人はみんな参加するの。
ぜひ私達も参加させてね」
「エリーゼさん達のお披露目会みたいに、入れ替わり立ち替わり、人が来ては帰っていくのを繰り返すんです。
だから半日~2日かかるのが普通ですね。
半日~2日って幅があるのは、知り合いが多ければ長くなるからで、うちでは最高5日連続っていうのが1度ありましたよ。
ナオミさんの結婚でしたら、ぜひうちでもしたかったです」
謝る私に、気にしないでいい。孫がお嫁にいく気分だと2人は喜んでくれた。
それから、いつものようにお店に営業に行き結婚の報告をして回った。
「ナオミちゃんが結婚かぁ!おめでとう。結婚式は呼んでくれよな!」
感慨深そうにリックさんが言えば、ルドルフさんが深く頷く。
「おめでとう!シュリシュの男はいい男が多いぞ」
「お前以外な」
「酒飲みに言われたくねぇよ!」
リックさんやルドルフさんを始め、どこに行っても祝い酒だとお酒をご馳走してくれ、全く営業にならないけどぜひ結婚式には参加させてと言わるたびに嬉しくなる。
ちなみにアルフォードさんの職場の方も参加したいと言ってくれたとのことなので、2日はする(お休みの関係で1日では参加出来ない人が出るから)予定。
エドワードさんやケントさんには「お披露目会はぜひうちで!」と言ってもらえたので、1日ずつお願いするつもりでいる。
◇
久しぶりにメアリーさんとマリアさんとお茶会をすることになった。
アトリエに引きこもってた間も声をかけてくれていたので、よかったらと初めて私から誘ってみた。
2人とも快く誘いに応じてくれ、場所はお腹の大きなマリアさんに気遣ってマリアさんのお家にお呼ばれという形だ。
普段よりいいお菓子を買って伺うと、お腹が大きくなったマリアさんが迎えてくれた。
「ナオミさんが元気になったみたいで、よかったですわ」
「ご心配おかけしてすみません。マリアさん、ちょっと見ない間にお腹がすごく大きくなってませんか?」
穏やかにお腹を撫でるマリアさんは、細身な体は変わらないのにお腹が大きくなって、そこに命が宿っているのを感じられる。
「ええ、大きくなり始めたらあっという間で」
「臨月に入ると、そこからさらに大きくなるわよ」
「…今でもお腹が重たいのだけれど?」
「臨月で今の倍位になるわ」
メアリーさんも楽しそうに笑った。
授かった命を純粋に喜べるマリアさんを眩しく思っていると、話題は私に移ったようで。
「ねぇ、ナオミさん?何か…報告があるのでは?」
メアリーさんの目がキラリとする。
マリアさんも興味が押さえられないといった様子だ。
「あ~、私、今度結婚をすることになりまして」
2人の目がそれでそれで?と促すようにキラキラしてる。
言うつもりで来たけど、なんだか恥ずかしくなってきた。
「なりました!」
以上!と心で付け加えると、マリアさんが珍しく大きめな声を出した。
「……………え?まさかそれで終わりになさるつもり?
そんなの楽しくないですわ!」
「お相手がどなたかとか、どんななれそめかとか、ありますよね!?」
メアリーさんからの追撃も受けて、暴露話から逃れられない雰囲気が出てきた。
ダメだ。ダメだ。恥ずかしい!
あれ?ガールズトークって話してる人こんな恥ずかしいの?
日本にいた時は話させる専門だったから、わからないんだけど!
「ナオミさん?お相手、シュビック隊長でしょう?」
「え!?マリアさんまでご存知なんですか!?」
トムさんといい、マリアさんといい、私そんなに目立ってたの…?
顔が熱い。耳が熱いよ!
「私は確かな情報筋から聞きましたから、合ってるはずですわよ?」
「…はい、シュビック隊長です…」
にんまり笑ったマリアさんに圧され、小さく返事をする。
「え?え?シュビック隊長ってどなた?マリア!?」
ついていけてないメアリーさんにマリアさんがとても楽しそうに説明してる。
アルフォードさんの知名度ってものすごく高いのかと思ってたけど、知らない人もいるのね。
…もっともっと知名度低くてもいいのに…。
「それで?ナオミさん。なれそめとか、プロポーズの言葉とか…ねぇ?ふふふ」
「のろけ話でも、大歓迎ですわよ?ふふふ」
その後散々話をさせられ、私はずっと顔が熱いままだった。
◇
この部屋に引っ越して来た時より、随分増えた荷物を整理していた。
普段使ってない物から順に新居に運ぶため、ざっくり分別していく。
もう少しでこの部屋ともお別れか…
暖かな風が開け放った窓から入り、ここに来た時は肌寒かったことを思い出す。
色々あってここに住まわせてもらえることになって、それからまた色々あって今度はアルフォードさんと、新婚…生活…。
いや、まだ結婚式してないから同棲ね!同棲!
………それでも十分気恥ずかしい……。
でも、日本に突然帰ってしまったらと心配するようになったんだから、不思議な感じがする。
引っ越しが済めば、いよいよ結婚式。
アルフォードさんのご両親もいらっしゃるんだよね…。
離れて住んでいると結婚前に挨拶、という習慣は薄いらしくて、アルフォードさんのご実家も貸し切り馬車で半日という事もあって結婚式が初顔合わせになる。
今から緊張するな…。
国に届け出る施設が教会を兼ねてるので、そこで本人達と親が来れば親も立ち会いのもと結婚式をする。来ない場合も普通にある。
だから、私の親族が誰も来なくても気にすることはないとのことで、ほっとした。
そんなこんなで、あっという間に引っ越しの日が来た。
ほとんどの荷物は運び終えていたので、台車に少しの荷物が残っているだけ。その荷物もアルフォードさんが持ってくれた。
丁寧に掃除をして、いつも眺めていた窓からの景色を最後にもう一度みて、窓を閉めた。
思っていたより短い期間しか住んでいなかったのに、やっぱり引っ越すのは寂しく感じる。
扉から看板を外し、部屋に向かって一礼した。
「今のは?」
「ん~…部屋に、住まわせてくれてありがとう、といった意味ですかね」
不思議そうな顔をしたアルフォードさんに答えると、納得したような顔に変わって私の隣で真似るようにお辞儀をした。
ゲルハルトさんにお礼を言って鍵を返し、新居に向かって一緒に歩く。
「ナオミの国では、家に礼をするのは普通なのか?」
「普通かはわかりませんが、日本には八百万の神様がいると考えられてて、物にも神様が宿ってるんです。だから、部屋にも神様がいるかなと」
「やおよよず?」
「やおよ、ろ、ずです。すごくたくさん、なんにでも。って意味ですよ」
いい文化だと言ってもらえて、嬉しく思いながら新居に到着した。
着いてみて思うんだけど、やっぱり大きい。
絶対大きすぎると思う。
4階建てなのはここら辺なら普通だとしても、横にも奥にも大きいからね。しかも庭付き。
「この庭どうやって維持するんだろ…」
芝付きの庭なんてどうやって維持するの?
草みたいにむしっちゃダメだよね。
「庭師が月に1回は来るはずだが、もう少し頻度をあげるか?
育てたいものがあるなら持ってこさせればいい」
「庭師!?」
「ん?ああ、庭の雑草を抜いたり、花を植えたり…」
「いえ、庭師さんは知ってますよ。そうじゃなくて、庭師さんが来るのは普通なんですか?」
「素人が庭を維持するのは難しいからな」
「そう、ですか…」
それが、普通…?
いや、そもそも庭があるお家の方が少ないような?
「それと、普段使わない部屋も月に1度家政婦が掃除に来るようになってるから」
「はい…」
一応言い訳をするとね!
私は小さい家でいいって言ったんだよ?
でも、近衛騎士団の隊長・副隊長クラスの人は、万が一の時には家が騎士隊の待機場所になることがあるんだって。
だから、日本で一般的ファミリー向けの3、4LDKとかでも、寝泊まりが出来ないからこの大きさが必要と言われ…お仕事で必要なら仕方ないなと大きな家になった。
維持費は近衛騎士団から出るって言われたし、反対意見が掃除位しか思い浮かばなかった…。
それも家政婦さんで解決しちゃったし。
外門を通って玄関に行くとアルフォードさんが鍵を開けて先に入り、続けて入ろうとした私の方をくるりと振り返った。
「ナオミ、おかえり」
「………っ!」
思いがけない一言に思わず目を見開いて固まった。
その様子を見て、アルフォードさんは目を細めて優しく微笑み、もう一度言った。
「おかえり、ナオミ」
「…ただいま…」
声に出せばほんの一言。
でも、その一言で急に結婚するんだと実感がわいた。
私はこの人と結婚するんだ。
そして、家族になるんだ。
私も扉をくぐり一歩家に入った。
「アルフォードさん、おかえりなさい」
「ただいま」
アルフォードさんがそのまま頭を撫でたから、せっかく我慢した涙が溢れた。
その涙を指先で拭われて目を閉じれば、優しくキスをされ、私はそっと抱きついた。
抱き締め返してくれる腕は温かくて、ずっとこうしていたいと思う。
でも、パタンと扉を閉める音に、今まで扉が開いたままだったことに気付いた。
わぁぁ!なんか、雰囲気に飲まれてつい。
恥ずかしい!
慌てて体を離すと、見透かしたようにアルフォードさんから笑われた。
◇
結婚式の前日。
アルフォードさんのご両親がやって来た。
「久しぶり。こちらがナオミ・タグチ嬢だ」
「こんにちは。遠い所からご足労いただいてありがとうございます。ナオミ・タグチと申します」
「こんにちは、ナオミさん。息子がお世話になります」
「まぁ可愛らしい人を捕まえたわね、アルフ」
お父さんはアルフォードさんがそのまま歳を重ねたような見かけで、渋格好いい。ダンディとかロマンスグレーとかそんな言葉が似合う。
お母さんはちょっと小柄で可愛らしい雰囲気の人で、目を細めて優しく笑う顔はアルフォードさんと重なる。
部屋だけは大量にあるので、掃除しておいた一室に案内する。
「夕飯は外に食べに行くから、それまで適当に寛いでてくれ」
「私、買い物に行きたいから、ちょっとお父さんと出掛けてくるわ。お土産を買っておかないとね」
荷物を置いて、またすぐにお二人は出掛けていった。
一応案内を申し出たけど、気を使わないで大丈夫よとコロコロ笑われたのでお見送りに徹した。
夕飯はアルフォードさんおすすめのお店に行って、明日に備えて早めに就寝した。
そして、ついに結婚式当日。
朝告げの鐘より早くに目が覚めた。
隣のアルフォードさんはまだ寝ていて、私の方が先に起きるなんて珍しいなと思う。
でも、観察する時間もないうちに目が開いた。
「おはようございます、アルフォードさん」
「おはよう、ナオミ」
まだ慣れなくて、この時間は何となく照れる。
ゆっくり言葉を交わしていると朝告げの鐘が鳴り、準備のために起き上がった。
朝ごはんも4人で食べ終え、さて服とかを準備しようかという時ノックが鳴った。まだ人の家を訪ねるにはかなり早い時間で、誰も思い当たらない。
アルフォードさんに出てもらおうかとちらりと視線を向けると、にやりと笑った。
「ナオミ、お客さんだ」
私に出て、ってことだよね?
誰だろう?
玄関を開けると、なぜかマーサさんが立っていてその手には大きな荷物。
「おはようございます。あの、どうかされましたか?」
「おはよう、ナオミさん。とっても大事な用があってね。入ってもよろしいかしら、旦那さん?」
マーサさんが私の後ろにいるアルフォードさんに向かって、楽しそうににやりと笑った。
なにごと?
私も振り返ったけど、視線に気づいてるはずのアルフォードさんは私とは目を合わせずにマーサさんに向かって頭を下げた。
「おはようございます。今日はよろしくお願いいたします」
ん?状況把握出来てないのは、もしかして私だけ?
あ いや、アルフォードさんのご両親もよく分からないって顔かな。
「さ、ナオミさん、お部屋に案内してくれるかしら?急がなくてはね」
「南の部屋を片付けてありますので、そちらで」
状況がよく分からないまま急かされ、アルフォードさんのいう部屋に案内する。
普段使ってないはずの部屋には大きめの鏡が置かれ、イスやテーブルもきれいに整えられていた。
なんか…覚えがある。
その時は私がマーサさん側だったような?
予想が当たり、テーブルに置いた袋からはドレスが出てきた。
「どう?私の娘達も着たドレスでね、サイズは調整してるから大丈夫だと思うのだけれど」
それは白いAラインのドレスで、私の思い浮かべるウェディングドレスそのものだった。
引き締まった胸からお腹にかけては白い糸で花の刺繍がされ、腰から緩やかに広がるスカートは薄い布が何重にも重ねられ華やかだ。
言葉が出ない私に、マーサさんが心配そうに眉を下げた。
「…あなたが持ってるドレスの方がいいものだし、やっぱり好みじゃなかったかしら?
前にナオミさんの国では結婚式は白いドレスを着ると言っていたから、私のところのドレスをと思ったのだけど…」
「いえ、どてもずてきでず~!」
涙と一緒に鼻水まで出てきてしまって、話辛い。
でも、マーサさんはちゃんと聞き取ってくれてにっこり笑った。
「あらあら、今泣いちゃ目が腫れるわよ。
喜んでもらえたならよかったわ!
さぁ!準備をしましょう」
メイクを後回しに、服を着替え、髪をセットされる。
涙が落ち着いたところでメイクをして、最後にアルフォードさんから貰った口紅を乗せれば、鏡の中には花嫁さんが映し出された。
「まぁ!きれいね。さ、シュビックさんに見てもらいましょう」
結構動きにくいドレスの裾を蹴りながら居間に行く。
ご両親と一緒にアルフォードさんが居て、正装なのかいつもの紺の制服に金がかった黄色の飾り帯をかけ、マントを着けている。
うわぁ 似合うな。格好いい。
「ナオミ、綺麗だな」
蕩けるような笑顔で言われると、かなり恥ずかしい。
だってご両親いるんだよ?
「ありがとうございます…」
ご両親も褒めてくれ、マーサさんは得意気にそうでしょう?と言っていた。
「また後から月の光亭で会いましょうね」
マーサさんを見送って、4人で教会に向かった。
結婚式は思った以上に簡単だった。
司祭さんらしき人が出した結婚誓約書に、練習した名前を書き込む。
アルフォードさんも名前を書き込むと司祭さんが確認をして頷き、片手を差し出す。
その上にアルフォードさんと重ねるように手を乗せ、司祭さんの言葉を繰り返す。
「「私たちは本日より夫婦となり、
貧すれば1つのものを分け合い、
富めればそれを与え、
病めばその手を取り、
健やかなれば笑顔を向け、
死という別れが訪れるまで、
互いに助け合うことをここに誓う」」
「シュリシュ国にまた1組の幸せに満ちた夫婦が誕生したことを喜ばしく思います」
司祭さんがゆっくりとそう宣言した。
後ろではアルフォードさんのお母さんが泣いていて、泣くタイミングをなくした私はアルフォードさんと目を合わせて笑った。
月の光亭に着くと、すでに紺色の制服で埋め尽くされていた。
私達を見た隊員さん達がワァっと声をあげる。
「隊長!おめでとうございます!」
「シュビック隊長~!おめでとうございます!」
「アルフォード!美人な奥さん捕まえたな!」
ちょっとたじろいでいるとアルフォードさんがスッと背中を支えてくれ、ちらりと見上げれば私を見つめる優しい瞳がある。
大丈夫。ちょっと…結構、緊張するけど1人じゃない。大丈夫。
にっこりと笑顔を返し頷いた。
「シュビック隊長!ナオミちゃん!おめでとうございます」
私の名前を呼ばれて驚いて声の方を向くと、ジャックさんも参加してくれているのを見つけた。
笑って小さく手を振ると、ジャックさんは大きく手を振り返した後、ハッと手を下ろしてばつが悪そうに苦笑いした。少しだけ緊張が緩んだ。
その後は同じことの繰り返しだった。
来る人来る人に挨拶をして、お祝いを言ってもらい、お祝いの品をもらって、お礼を言って、乾杯をして、そうしたらまた次の人がやってくる。
途中でメアリーさんとジュリアちゃんが来て、来れなかったマリアさんと一緒に選んだのだとお祝いをいただいた。
ジュリアちゃん可愛かったのよ!
「ナオミおねえちゃん、ごけっこんおめでとうございます。おふたりが…おふたりが…」
メアリーさんのことチラ見。
「末永く」
メアリーさん小声。
「おふたりがすえながくおしあわせにすごせますように!」
力強く言い切ったジュリアちゃんにお礼を言うと、ふふふと照れてしまって、それもまた可愛かった。
騎士団の方が帰り始めるとアルフォードさんの知り合いの方達がきて、営業で行っているお店の常連さん達がきて、また騎士団の方達がきて、リックさんやルドルフさん達月の光亭の常連さんが来て、マーサさんがオーミットさんと来て、一度帰ったと思った人たちがまたやって来て、どんちゃん騒ぎになったところ1日目はでお開きになった。
2日目も同じ流れで、ドレスが報奨でもらったものになって、来てくれた人たちがトムさんたち宝箱の常連さんに変わっただけで、やっぱりどんちゃん騒ぎになってお開き。
特になにもしてないのに、帰る頃にはぐったりだった。
家に帰るとご両親がまだ起きていて、
「お帰りなさい。お疲れ様」
と労ってくれた。
お二人はお披露目には参加せず、シュリシュナ観光を楽しんだようだった。
本当になんのお相手も出来なかったんだけど、ご両親からもアルフォードさんからもそんなものだと言われ、嫁姑問題が少なそうだと思った。
次の日はご両親を見送って、ようやく結婚式も一段落した。




