ギルマスとの会話
今私は試験管シザーロとギルドマスターフェールに招かれギルドマスターの執務室にいる。
物は少ない質素な部屋の中に拘っているだろうアンティークの類いがポイントを押さえて配置され上品に気品が満ちた素敵な部屋でギルドマスターの話から始まる。
「単刀直入に言いますね 勇者パーティに加入しますか?」
「は? いきなりね でも…面白そうね!でも何でかしら?」
「依頼されたのですよ その勇者にね。」
何でもギルドマスターが言うには この街の近くに特殊なダンジョンが存在し勇者パーティはその攻略の為にギルドの前に募集しており
さらにギルドマスターに対して勇者は見所ある冒険者が現れたら勧誘して欲しいと依頼したとのこと
ギルドマスターは最終的には本人が決定するならばと引き受けた事。
で その冒険者が私と言うわけね。
因みにリンゴは完全に飽きて私の膝でスヤスヤしている。
プルプルヒンヤリしていて気持ちぃ~
思わず頭をナデナテしちゃう このモフモフがまた堪らないのよね。
ん?モフモフ?
よく見るとリンゴの頭にケモミミがある!
何で!?
鑑定してみたらどうやら食べことのある性質を自由に変化することが出来るみたいね。
ふむふむ リンゴはやはりスゴいね!
さて話がそれそうだったけど この話は別に受けてもいいと思っている。
加入してから嫌だったら抜ければいいだけの話。
「その勇者パーティは有名なの?」
これはちょっとした好奇心からの質問。
異世界ものだしね 気にならないと言ったら嘘になる。
「有名ですよ ここから馬車で2週間ほどかかる王国ではかなり有名なパーティですからね。」
「何でも王国で大々的に召喚魔法によって大勢の勇者を呼び出し優秀な奴らが多いと聞くな。」
なるほどね あちらは召喚タイプの異世界ものなのね。
ますます嫌になったら 抜け出すか。
後はそうだなダンジョンのことも質問してみるか。
ここに来て初めてのあのドッペルゲンガーみたいなダンジョンじゃなきゃいいけど。
「特殊なダンジョンというけど どんなダンジョンなの?」
「この街には幾つかダンジョンがあるのですが特殊なダンジョンと呼ばれるのは2つあるのですよ。」
「1つはソロじゃねぇと意味ねぇから除外するとして パーティで行くなら花樹園と呼ばれるもう1つのダンジョンだな。」
ソロの方のダンジョンが気になるけど花樹園の響きはいいわね。
「何か楽しそうな場所みたいね そのダンジョン。」
「ええ 実際楽しい場所ですよ この街の観光名所でもあるので。」
「冒険者どころか普通の子供でも遊び場になるほど安全なダンジョンになっているからな。」
「どう言うこと?」
彼らの話ではこの花樹園と呼ばれるダンジョン 普通に入るだけでは何も危険はないとのこと。
だがある条件で入ると危険性のあるダンジョンに変わると言う。
その条件が実に冒険者向けなのである。
「かなり奥に進むと魔獣が現れるのですが その魔獣を討伐するとその先はダンジョンとしての性質が現れるのですよ。」
「しかもその魔獣もそうだがダンジョン事態も危険性の高いからな 腕のあるパーティじゃねぇとボロボロにされて追い出されてしまうしな。」
「追い出される?」
これは奇妙ね? 普通ダンジョンの危険性と言ったら命を賭けることなのに追い出されるなんて。
「これが特殊なダンジョンと呼ばれる最大の要因なのです。
何故か死なない程度にえげつない危険なダンジョンなんですよ。」
「俺も何度か挑戦したことあるが全然攻略出来ねぇんだな。」
死なないダンジョンというのはダンジョン攻略初心者の私たちにとっては魅力的ね。
後は準備さえ整えば どのみち私たちだけでもそのダンジョンに行っているから
この話 断る理由がないわね。
「分かったわ この話乗るわ。」
「よろしいのですか? 強制ではありませんよ。」
「ええ 構わないわ 勇者パーティの紹介お願いするわね。」
「分かりました すぐに手配します。 シザーロお願いしても?」
「了解ギルドマスター んで顔合わせはいつにする?」
「準備があるから 明日の朝 ここギルドで待ち合わせにしてもいいかしら?」
「よし それで話をつける んじゃ行ってくる。」
試験管シザーロはすーっと足跡をたてずに執務室から出ていった。
やはりただ者ではないわね。
………ようやくギルドマスターだけになったわね。
「準備があるようなので 今回はここまでにしましょう お時間をとらせました。」
「ええ けどもう1ついいかしら?」
「なんでしょう?」
私は懐から出すよう見せるように空間魔法を扱い あの手紙を取り出した。
「それは………!一体それをどこで!」
常に冷静だったギルドマスターが物凄い前のめりで驚きを隠せてない。
やはりスゴいものなのね この手紙。
「イチゴさん貴方その手紙どこで手に入れましたか!」
「この街から離れたところに深い森があるでしょう その近くのはびこる盗賊のアジトを潰したときに出会った女性よりも女性らしいスゴい美人にこの手紙を頂いたわ。」
「その手紙見せていただいてもよろしいのですか?」
「構わないわ 私もまだ読んでないもの。」
「ありがとうございます では拝見します。」
私はこの手紙をギルドマスターに渡した。
考えすぎだと思うけど どこかの忍の試験みたいに勝手に読んだら偉い目に合いそうだからね。
私はギルドマスターが手紙を読んでる間 ずっとリンゴの頭を撫でていた。
より正確に表すならずっとケモミミをモフモフしていた!
スゴい気持ちいいのこれ!
サラサラしていてツヤツヤもしていて 触るだけで幸せになるの!
それにリンゴも気持ち良さそうだしね。
これがまたいい寝顔なのよ。
どれぐらい時間が過ぎたのか分からないけど ようやく読み終えたギルドマスターがこちらに話しかけた。
「なるほど………イチゴさ えっとよろしいでしょうかイチゴさん。」
「ええ ちゃんと聞いているわ 続けてくれる?」
「わ………分かりました。」
この幸せを妨げるのであれば何であろうと敵とみなす。
「まず内容としては盗賊に対する貴方の活躍が書いてました。 こちらとしても悩みの種でしたので非常に助かるはなしです。
また この中に賞金が懸けられた者がいますので こちらで話を通しますのでギルドの受付に話せばすぐにでも賞金を受けられます。」
「あら アレ賞金が懸かっていたの でも証拠なんて私は持ってないわよ。」
首とか提示しろとか言われても嫌だしね。
それに生け捕りにするにしても おとなしく付いてくるかどうかの話もあるし。
「問題ありませんよ ………この手紙にそんな虚偽なんてあり得ませんから。」
「その手紙 そんなにスゴいものなの?」
「ええまぁ………これは話しても問題ないみたいですね 実はこの手紙の信用といいますか 扱いは貴族の手紙よりも重いのですよ。」
貴族よりも扱いがいいなんて ホントに何者なのかしらあの『彼女』は
「そしてイチゴさんそれからリンゴさんも 貴方たちがよろしければこの場でBランクに昇格することも可能ですが どうされます?」
「別にそこまでの地位は今は欲しくないわ。」
「分かりました では代わりにこちらをどうぞ。」
そう言ってギルドマスターが出したのはカードである。
するとまるでカードアニメのように 何か箱が召喚と言えばいいのかしら とにかく箱が2つ現れた。
「なにこれ?」
なかに入っていたのは 様々な針や糸や布などの裁縫セットに何か動物や魔獣の毛皮や繊維のセットにキラキラと輝く宝石が少々。
しかもこの宝石 量は少ないけどかなり希少な魔石の類いである。
それだけではなく もう1つの箱の中身は大量の食材が入っており
しかも調理器具まで揃っている。
これは 正直お誂え向き過ぎて怖いわね………
「『彼女』に気に入られましたね。」
「どう言うこと?」
「説明しますと『彼女』は気に入った人や恩を受けたとき必ず過剰とも言えるお返しをするのですよ。」
「これ………貰ってもいいのかしら?」
「それは問題ないです。
私の名にかけて それは保証します。」
「そう 色々と活用出来そうだし 有り難く頂いていくわ。」
私はカードに戻したそれを収納魔法にしまった。
思わぬところでお金が浮いたわね。
「それじゃあ今度こそ失礼するわね。」
「ええ 長々とお時間をとらせてありがとうございます。
機会があればまた会いましょ。」
「ええ またね。
リンゴ起きてもう終わったよ。」
リンゴはムニャムニャと大きなあくびをしてバッチリと目覚めた どうやら寝起きはいいみたいだ。




