まぁ異世界ものだしこれはやらないとね。
所持金も充分にありまた、ただ寝るだけの宿のため特に問題など起きるはずもなく。
さっさと宿の手配を済ませ、用事が済んだ私たちは冒険者ギルドへと向かうことにしたわ。
瞑眼の遠見で分かることだけど、どうやら街の中央に冒険者ギルドがあり、また広場にもなっているので非常に分かりやすい場所にある。
ただ広場には妙な人だかりがあり、どうやら演説が行われているようだが今は冒険者ギルドへの方が興味あるのでスルーした。
その冒険者ギルドは酒場にもなっているのか、よく西部劇によくでる顔と足元が見えるタイプのドアであり中に入っていくと案の定一斉に視線を集める展開になる。
まぁ異世界ものならではのテンプレみたいなものだし、いちいち気にしていたら切りがないわよね。
あっ!張り紙の張られた掲示板がある!やっぱり定番なんだねアレ。
私たちは取り敢えずカウンターへと向かう。
「えらい美人が来たな。」
「それも双子だ」
「なかなかの上物だな。」
「依頼人かあいつらは?」
「あの先頭に歩いている方、アレ目が見えないのか?」
「それにしては淀みのない歩きだな。」
「だがくっついて歩いている方はなんか愛嬌があって可愛いな。」
「ああどっちも良いものだな。」
ふむ、どうやら注目されてるみたいだけど異形の類いような扱いではなさそうね。
ただ中の広さと比べて人の数は少ない、あの演説の方へと人が流れたのかな。
まぁ問題無さそうだし、異世界に来たらやはりアレが欲しいでしょう。
私はカウンターにいる受付嬢の前に立つ。
「ようこそ冒険者ギルドへ、依頼ですか?」
「いいえ、依頼ではないわ冒険者として登録をお願い。」
「おいおい嘘だろ?」
「あんな可憐なお嬢ちゃんが冒険者なんて何の冗談だ?」
「けど外の連中よりは俺はこっちの方が興味ある。」
「なんか面白そうな予感がするぜ!」
周りがザワついたわね。
「えっと過酷ですよ?冒険者は、登録するだけなら見習いということで問題ないですが一定期間活躍しないと登録抹消されてしまいますよ?」
「ええ、問題ないわ。それより私たちはここで職業に就きたいのよ」
そう一応気にしているんだからね、私のステータスの職業が無職なのは。
これ鑑定で分かったことだけどゲームとかでよくあるジョブやクラスと呼ばれるそのものであり、様々な恩恵が身に付く定番のものなのよ。
でその職業に就くダー○神殿みたいな施設があるのは、瞑眼で判明したけどこの冒険者ギルドなのよね。
受付嬢は私の言葉を聞いて神妙な顔で私たちに心配をかねた警告をする。
「その場合ですと飛び級の試験に挑むことになりますが危険ですよ?
それに怪我などされてもこちらは責任は負えませんが本当に宜しいのですか?」
受付嬢の話ではまず見習いと呼ばれる一番下のGランクからはじめ、研修と冒険者のいろはを教わったあと将来性を見極めるために試験管と模擬戦を行い、認められてFランクに階級が上がったあと初めて職業に就くことができると言う。
で話に出たこの飛び級の試験はいきなり試験管と模擬戦を行うものであり、この方法なら実力さえあれば最高でDランクまでなら認められる。
それより上は実際の功績と人格が求められると言う。
「ええ構わないわ、すぐにできるかしら?」
「わかりました、ではこちらに」
「おいおいマジかよあいつら行きやがった」
「なぁ賭けしねぇか?」
「賭けになるのか?ここの試験管強すぎんだろ?」
「まぁ暇潰しみたいなもんだし適当に賭けるがな」
やはり色々言われているがどうも本当に暇を潰すみたいな気だるげな感じが少し気になるが
私たちは別室にある、ちょっとした道場みたいな広い部屋に移動した。
「それでは少々お待ちください、今試験管をお呼びしますので」
受付嬢は部屋から出ていき、私たち二人だけになった。
「さてと、どうしよかな」
私は少し悩んでいた、勿論それは模擬戦だ。
ただそれはどうやって勝つかではなく、どうやって戦うかだ。
いや勝つことだけ考えれば勝てるだろう。
問題はどうやって加減と玄人の負担を減らせるかだ。
さすがに盗賊どもに使ったあの液体窒素のウォーターカッターと玄人魔法は強すぎる。
それに色々とやって分かったことだけど、どうもこの玄人魔法は創作系よりも戦闘系の方が負担が大きいことに気づいた。
何て言うかこれもまたゲームみたいな話なんだけど、戦いの最中に戦闘に関する動き全てにスタミナを気にするような感覚になるのよね。
まぁ私がやったことなんて全部力ずくのごり押しの部分もあるだろうけどもう少し負担を減らしたいのよね。
まぁアイデアがないと言ったら嘘になるけど成功するかどうか別なのよね。
…………まぁやるだけやるか!やるだけなら只だしね!
やること決めたら暇ねこの時間………
………
………
「おうお前らか飛び級をしたいと言う向こう見ず、ん?なにやってんだお前ら?」
「興味深い味ね、ふむふむなるほどそう調理するのね。あらリンゴ、口にタレ付いてるわよ。」
「おいおい………なにここで寛いでんだ?」
「暇だからさっき買った屋台の料理を堪能してるのよ。」
テーブルセット予め創っておいて良かったわ。
さて試験管が来たことだししまうか。
それにしてもローブを着てこれ見よがしな杖を持つ典型的な魔法使いな姿だけど筋肉隆々の体は明らかに大剣や斧といった前衛向きだろ!と言いたくなるほど異質な男ね。
「!!収納魔法だと!それに無詠唱………これはなかなか面白いやつだな」
「それで?どうするの?」
「あ………あぁ今から俺とお前ら2人で実戦形式の模擬戦を行う」
「あら?2人まとめて相手するの?」
「その疑問に対する答えがこれだ。『我が僕よ、ここに集え、ブラックナイト』」
男の足元に魔方陣が現れて無機質な黒い騎士の姿をした空洞の鎧が現れた。
なるほどねこれで数は合うわね。
「さぁ!さっそく試験開始だ!」
おぉ!これはちょっと興奮するわね!
………それにしても詠唱………恥ずいわね………基本無詠唱にしよう。
私は密かに心に決めた。




