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追放された俺だけが、魔物の感情を見ることができる ~役立たずスキル《閲覧》で助けた魔物たちに慕われました~  作者: 浦嶋亀タロー


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1/13

「役立たずスキル《閲覧》」

「どうしてあいつを殺した!」

夜の森に、俺の声が響いた。

焚き火を囲んでいた仲間たちが、一斉にこちらを見る。

リーダーのレオンは、静かに薪を火へくべながら言った。

「……またその話か。」

「またじゃない!逃げるだけだった!あいつは戦う気なんてなかった!」

レオンはゆっくりと立ち上がる。

「どうして、そう言い切れる。」

「《閲覧》で見えたからだ!」

思わず叫んでいた。

昼間、討伐したフォレストウルフは仲間には獰猛な魔物にしか見えなかった。でも俺には違った。

---

【フォレストウルフ】

Lv.12

状態:左後脚骨折・出血

感情

・いたい

・こわい

・にげたい

---

「見ただろ!足を折られて、必死に逃げようとしてただけだった!最後まで牙も向けなかった!」

レオンの表情が険しくなる。

「だから何だ。」

「だから……助けられた!」

「村へ向かわず森へ逃がせば済んだ話だ!」

「その保証は?」

言葉が止まる。

レオンは一歩前へ出た。

「もし、お前の言うことが間違っていたら?」

「もし夜中に村を襲ったら?」

「もし子どもが殺されたら?」

「その責任は誰が取る。」

「それは……!」

何も言えなかった。

責任なんて取れるはずがない。

でも…

「あいつは襲わない!」

「どうして分かる!」

「見えたからだ!」

「だから!」

レオンも声を荒げた。

「その《閲覧》を、誰が信じる!」

森が静まり返る。

焚き火の音だけが耳に残る。

俺にしか見えない。

だから証明もできない。

だから誰にも信じてもらえない。

レオンは深く息を吐き、静かに座り直した。

さっきまでの怒鳴り声が嘘のように、穏やかな声だった。

「……俺も信じたい。」

その一言に、俺は顔を上げる。

「でも、お前にしか見えないものを、俺は信じられない。」

「証明できないものに、人の命は預けられない。」

その言葉を聞いて、ようやく分かった。

レオンは俺を否定しているわけじゃない。

俺の見ているものを、理解できないだけなんだ。

長い沈黙のあと、レオンが口を開いた。

「悪い。」

「今日で、お前にはパーティを抜けてもらう。」

怒りは、不思議と湧かなかった。

ただ、胸の奥が少しだけ痛かった。

「……分かった。」

荷物をまとめる。

背負い袋を肩に掛けると、ヒーラーのミリアが小さな袋を差し出してきた。

「薬草と包帯。一人になるんだから、持っていって。」

「ありがとう。」

受け取ると、彼女は少し寂しそうに笑った。

レオンは最後まで俺を見つめていた。

「元気でな。」

「ああ。」

俺は振り返らず、夜の森を歩き出した。

もう、このパーティに俺の居場所はない。

---

翌朝。

冒険者ギルドで受けた依頼は、薬草採取だった。

昨日まで魔物を討伐していた俺には物足りない仕事だ。

それでも、生きるためには受けるしかない。

森へ入り、薬草を摘んでいく。

「あと少しか。」

その時だった。

草むらの奥で、小さな青い何かが震えた。

俺は自然と《閲覧》を使う。

---

【スライム】

Lv.1

状態:脱水

感情

・みず

・くるしい

---

「……脱水?」

思わず声が漏れた。

俺は腰の水筒を外し、手のひらに少しだけ水を注ぐ。

「ほら。」

スライムはびくりと身体を震わせる。

警戒しているのだろう。

無理もない。

人間に近づけば、たいていは討伐される。

俺はその場にしゃがんだまま、水の入った手を差し出した。

「飲まないのか?」

数秒。

いや、十秒ほどだっただろうか。

ぷる……

恐る恐るスライムが近づいてくる。

そして、俺の手のひらに触れた。

ひんやりとした感触。

水を吸い込むように、小さく身体を震わせる。

ぷるっ。

ぷるるっ。

少しずつ透明だった身体に弾力が戻っていく。

もう一度《閲覧》を開いた。

---

【スライム】

Lv.1

状態:回復中

感情

・みず

・あったかい

---

「あったかい……?」

思わず笑ってしまう。

水が温かかったわけじゃない。きっと、安心したという意味なんだろう。

「元気になったなら、それでいい。」

空になった水筒を腰へ戻し、立ち上がる。

薬草採取はまだ終わっていない。

依頼を済ませなければ、今日の宿代も払えない。

スライムを一度だけ振り返る。

ぷるん。

元気を取り戻した身体を揺らしていた。

「じゃあな。」

それだけ言って歩き出す。

助けたのは、放っておけなかったから。

それ以上の理由はない。

だから気づかなかった。

少し離れた草むらから、小さな青い身体がぴょこんと飛び出したことに。

一定の距離を保ちながら、こっそり後を追いかけていることに。

そして、その小さな身体にもう一度《閲覧》を向ければ――

---

【スライム】

Lv.1

状態:健康

感情

・ごしゅじん

・ついていく

---

もちろん、その画面を見ることはなかった。

俺は背中の気配に気づかないまま、森の奥へ歩いていく。

その日。

俺はまだ知らなかった。

これが、俺にとって新しい仲間との出会いだったことを。



初めての投稿になります。また本作品はAIによる推敲、助言をもらい制作しています温かい目で見てくれると嬉しいです。

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