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春を探せ!  作者: ぎる太
2/2

春は案外近くにいるらしい

気がつけば春爛漫


春を気付いて欲しい彼女

春に気づけない彼

「うわーん、フラれたぁ!」


私は、藤原 由香里。

今が一番楽しい高校2年生。

泣いているの私の前で呆れているのが、同じ高校2年の笹川 彬。


「お前、これで通算何回目だよ…。」


「そんなの一々覚える訳無いでしょー。てゆーか慰めなさいよぅ。」


ため息を吐きながら言う彬にムッとして言い返す。


「フラれる度に付き合わされてんだぞ。呆れしか出て来んわ。」


私は彬の中で超惚れっぽい事になっている。

まぁ、約一月に一回のペースでフラれたと騒いでいれば当然の評価なんだろうなぁ。

別に私は惚れっぽい訳じゃない。

今回のも前回のも前々回のも、ぜーーーんぶ嘘なのだ。

特に可愛いという訳じゃないし、自分が至って普通だというのは分かってる。

身の程を弁えてるのだ。

なのになんで毎度そんな嘘をつくかと言えば。

目の前の彬が全ての元凶だ。

私は幼い頃から彬が好き。

幼稚園の時は結婚の約束までしたのに、それなのに目の前の男はそんな約束を綺麗さっぱり忘れた揚句、私など眼中にないのだ。

ムカつくちょームカつく。


「酷いひどーい!目の前でこんな可愛い女の子が泣いてるのにっ。鬼、悪魔!」


「鬼で悪魔の俺は帰りますよっ。」


「彬が虐める~。」


「俺を罵ったその口で何を言う。大体こーゆー話は女友達にするもんだろ。」


「しましたよー。でも毎回彬に報告してるからさー。私と君の仲じゃないか。潔く慰めたまえ。」


「ただの幼なじみだろー。はぁ。ま、次頑張れ。」


どんなにムカついていようが、好きな人に触られて嬉しくないはずがない。

幸せだなぁ。

これだから、焦れったいこの関係も悪くないかもと思ってしまう。


でも、でもでも。

気付いて欲しいし、どーせなら彬から告白されたい。

だから私は、彬の注目を集める為に嘘の恋愛をする。

お願いだから、早く早く気付いて!




翌日、私はボーイッシュなショートにして登校した。

嘘のフラれた報告を彬にしたら、髪を切ることにしている。

心機一転して次の恋を頑張る為と言ってるけど、前に彬がショートが好きって言ってたから。

私なりにアピールしているのだが、全然気付いて貰えない。

早く気付け、この鈍感!

誤字・脱字などありましたらお知らせください。

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