制作経緯
※本編とは関係ありません。少し自分語りになります。
自分は、筋肉が徐々に衰えていく難病を抱えています。
4年前、26歳のときに喉を詰まらせ、気管切開の手術を受けました。幸い一命は取り留めましたが、その代償は大きく、声と食事をする機能を失いました。
退院後も、入院中の寝たきり生活で失った筋肉は戻らず、やがて椅子に座ることさえできなくなりました。
それから数カ月が経ったころ、特殊な装置を使ってタブレットを操作できるようになりました。
自分の意思を伝えたり、インターネットを使ったりできるようになったことで、少しずつ生活が落ち着いていきました。
しかし、そんな頃に人生で初めて「死にたい」と考えました。
そして同時に、自分には自殺する自由すらないのだ、と絶望しました。
そんな時期、AIの発展が急速に進んでいました。
世の中がどんどん先へ進んでいく一方で、自分だけが取り残されていくような感覚に陥りました。
試しに、自分の障害についてAIに尋ねてみたことがあります。
すると「12万人に一人」といった数字が返ってきました。
もともとネット小説が好きで、以前は1日1時間ほど読んでいました。
しかし、自由に使える時間が大幅に増えたことで、今では1日8時間ほど小説を読むようになりました。
もはや活字依存症と言ってもいいかもしれません。
昔から、神や仏、天国や地獄、そして転生といった死後の世界は、あまり信じられない性格でした。
ところが、寝たきりになってからは、毎日のように「転生したい」と願うようになりました。
不幸自慢になってしまいますが、自分より不幸な転生小説の主人公を見ることは、めったにありません。
「もし本当に前世があるのなら、自分は何だったんだろう」
そんなことを考えることもありました。
自分は岐阜出身なので、前世は織田信長だったのかもしれない。
……いや、信長なら12万人どころか、もっと多くの人に恨まれていそうです。
それなら斎藤道三か。
いや、前世が「マムシ」というのは生理的に受け付けない。
ならば竹中半兵衛か。
病弱だった半兵衛の病気が、何らかの悪行によって悪化し、その因果が今世の自分に……。
そんな、どうでもいいことを考えていました。
そんなある日、『これ描いて死ね』というアニメを見ました。
そして、
「このまま一日中、小説を読んでサブスクを見るだけの生きた屍のような生活を続けていていいのだろうか」
と思うようになりました。
そこで、作品のタイトルにも背中を押されるような形で、小説を書くことを決意しました。
もちろん、普通にキーボードを打つことはできません。
そこで、視線入力を使って小説を書くことにしました。
せっかく書くのなら、自分にしか書けない小説を書こう。
そう考え、主人公には自分自身をモデルにすることにしました。
ただ、自分は転生という概念を信じていません。
そこで考えたのが、科学によって「疑似的な転生」を実現するという設定でした。
しかし、一般人の自分には科学者の知り合いもいません。
そこで、「パラレルワールドにいる友人」という設定を思いつきました。
そこから少しずつ世界観やキャラクターを考えていき、現在の物語になっています。
読者だった頃は、1話を2分ほどで読んでいました。
ところが、実際に作者になってみると、たった数分で読める文章を書くために、何時間もかかることがあります。
そこで初めて、作者がどれだけ苦労して1話を書いているのかを実感しました。
ちなみに、これは人生で初めて書く小説です。
小説の書き方を本格的に勉強したわけでもありません。
プロットすらありません。
そのため、作者である自分自身にも、この物語が最終的にどうなるのか分かっていません。
これから先、物語がどう転がっていくのか。
自分でも分からないからこそ、楽しみながら書いていこうと思っています。
拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。




