ミッシェルとの再会と忠告
私はすぐに返事の手紙を出しその日の夜、お父様にも報告した。
「そうか、ミッシェル様はお元気そうみたいだな」
「えぇ、手紙の方ではお元気そうですよ、今回も我が国で取引の仕事があるみたいで旦那様と一緒にこられるようです」
「トンビが鷹を生む、とはまさにこの事だな。 ミッシェル様だけが救いだよ」
そう言って苦笑いするお父様。
「そういえば領地はどうでしたか?」
「まぁ細かい問題はあるが特に問題はなさそうだ。 私達が王都にいた間に若干人口が増えたみたいだな」
「他の領地からですか?」
「それもあるが他国からも来ているみたいだ」
「他国からもですか?」
「うん、どうも世界情勢は我々が思っているより複雑化しているみたいだ。 お前も心がけておいたほうが良い」
お父様の言葉に私は深く頷いた。
それから1週間後、ミッシェル様が我が家にやってきた。
「エレシア! 久しぶりね」
「ミッシェル様もお元気そうで何よりです」
「えぇ、毎日忙しい日々を過ごしているわ」
そう言っているがミッシェル様の顔はすごく充実している。
王女時代では想像つかない程の笑顔だ。
「遅くなったけど愚家族が迷惑かけたわね」
「いえいえ、漸く決着をつけたので」
「表向きはそうみたいだけど……」
はい?
「もしかして何か耳に入っているんですか?」
「そうじゃないけど用心はしておいた方がいい、て話よ。 あの人達がこのまま大人しくしてる訳が無い、と思うのよ」
……なんとも不安になりそうな物言いだ。