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第54話 空中戦

神殿森林の上空。

巨大な翼を羽ばたかせ空を飛ぶ危険度Aの魔物グリフォンの“二つ名持ち”『金眼鷲』

その背中に掴み、共に空を飛ぶディールとユウネであった。


「はわわわわわわわ! 高い高い高い!!」


怯えながらディールの背中に引っ付くユウネ。

生まれて初めての、空への飛翔。

見た事無い、空からの景色。

その景色をチラチラ眺めるが、恐怖心の方が大きい。


一方のディール。

同じく生まれて初めての空への飛翔だが、先生たるオーウェンから聞かされていた、空を自在に飛ぶ魔法の話。

鳥のように、翼を持つ魔物のように、自由に空を飛ぶ魔法。

方法は二つ。

飛翔系魔法を習得するか、飛翔する“獣”を召喚できる【加護】を持つか。


幼き頃、強く憧れた。

あの空を、自由に飛べる!!

もし自分に【加護】が授かり、魔法の力に目覚めたら……ダメ元で飛翔系魔法の習得に励もうと思っていたのであった。


“空飛ぶ剣士”


なんて格好いいのだろう!

幼き頃の夢。

妄想するだけで心躍るのだった。



そして今。

魔物とは言え、翼を持つ獣に跨り大空を翔る。

眼前に広がる森と、遠くに見える険しい山々。

見上げていた物が、まるで小さいオブジェのように映るのだ。


「すっげぇ……」


成人したとは言え、15歳の少年である。

目と心を輝かせ、空への飛翔に感動しっぱなしだ。


『案ずるな娘。あと1つ刻も経てば“土の神殿”に着く。しばし耐えられよ。』


『金眼鷲』が声を掛ける。

ふぁ、ふぁい! と気の抜けた返事をする、ユウネ。

そんな、自分の背中に抱き着くユウネの手を握るディール。


「ユウネ、大丈夫だ。オレが付いている。」


その事で、耳まで真っ赤にするユウネ。

背中越しに頷き、


「ありがとう、ディール。」


と伝えるのであった。


『仲睦まじいな、お主ら。我が主【金剛龍ガンテツ】様がきっと主らを祝福されるだろう。』


茶化すように言う『金眼鷲』

その言葉に顔を真っ赤にさせるディール。


そして思い出す、ディールが“水の神殿”で行ったこと。

ガイドの男が言っていた言葉を。


『仲睦まじい夫婦が手を取り合い“龍穴”に剣を刺すと、龍神様が永遠の愛をお認めになります』


自分とホムラだけが【碧海龍スイテン】の元に着いてしまうのでは?

もしかすると全然違う場所に飛ばされて、ユウネをグレバディス教国まで連れていくという約束が果たせなくなるのでは?


その考えがよぎったため、ユウネの手を握り、“龍穴”にホムラを刺した。

確か、自分ディールは、何も説明せずユウネの手を握ったのだ。


顔から湯気が出るんじゃないかというくらいに顔を真っ赤にするディール。

背中には、高さに恐怖し必死にしがみつく、大切な人(ユウネ)


「ど、どうしたのディール!?」

「な、な、なんでもない…」


すでに結ばれた二人であったが、あの時はまだそんな関係じゃなかった。

その後結ばれたことを考えると……あながち“龍神の祝福”は本当だったのかもしれない。


―ねぇ!楽しんでいるところ悪いんだけど、敵だよ!―


顔を真っ赤にするディールと必死にしがみつくユウネに、ホムラが叫ぶ。


「て、敵!? こんな空で…」

『くっ。何もこんな場面で襲ってこなくても良いものを、カラス共が!』


驚愕するディールに、苦々しく叫ぶ『金眼鷲』

その前方と、後方から、黒い点のように見える何かが群れを成して飛んできた。


「あれは……!?」

『ワイバーンの群れだ!! 数が多すぎる!』

「キャア!!」


『金眼鷲』は急激に高度を落とし、森すれすれに飛ぶ。

その速度も速めるが、ずっと遠くに見えたワイバーンの群れが徐々にその包囲網を狭めてきた。


『ダメだ。やはり狙いは我と主らだ! 追いつかれるぞ!』

「降りて迎撃をするのはどうだ!?」

『地上でワイバーンの群れと対峙するなど、自殺行為だ!例え攻撃が届こうとも、奴らの速度と連携は崩せるものではない!』


焦る『金眼鷲』

いくら強力なグリフォンの中でも群を抜いた戦力を持つ“二つ名持ち”であったとしても、個体が同じ危険度Aに該当するワイバーン、それも何十もの群れを相手にするのは不可能である。

加えて、背中には敬愛する主、【金剛龍ガンテツ】の大事な客人を乗せている。

より不利な状況であるのだ。


『奴等……この状況を知っての猛攻と見た! これを機に我を滅ぼそうとしているのだな!』

「何か恨まれる事でもしたのか!?」

『この森の頂点である我が目障りなだけだ! 幾度か衝突し何匹か奴らを屠ったが……機を見ていたのだな。』


ディールの叫びに答える『金眼鷲』は、森の木々に当たるんじゃないかというくらい高度を落として飛翔する。

だが、ワイバーンの方が速度が速い。

前方と後方から見えたワイバーンの群れは、いくつかの小隊に別れ、横と後ろから距離を詰め、包囲するように『金眼鷲』を追う。


「ユウネ! 『金眼鷲』に“星盾”を!」

「わ、わかった!」


震えながら、ユウネは“詠唱”を始める。


「『光の盾を成す星々に告げる、我は星と命運を共にする神子なり。その盾は堕ちる邪悪を退け我らの光を通し星の恵みと命を守る大盾となれ。“星盾”』!!!」


強烈な光と共に、無数の星の礫が『金眼鷲』の周囲に舞い盾を成す。

幾重にも複雑に絡む、光のベール。



ユウネは今まで“無詠唱”で魔法を放っていた。


自身に宿る魔力と大気中を満たす魔素を取り込み、ステータスに刻まれた魔法を発動させる。

そのために、魔法を具現化すること、イメージを膨らませ魔力と魔素を混ぜ合わせる行為が“詠唱”である。


通常、魔法の発動と“詠唱”はセットだ。

しかし、有力な魔導士であればその詠唱を省略して即座に発動させる“無詠唱”も可能となる。


だが当然リスクもある。

使用する魔力が多くなるが、練れる魔素が少なくなる

ため詠唱に比べその効果は各段に落ちる。

連発するとすぐ魔力が枯渇してしまうのだ。

よほどの緊急事態で無い限り、無詠唱は控えるべきである。


ユウネは【神子】の加護から得た強大な魔力と“魔素を練る力”が生まれながらにして優れていたため、無詠唱でもその効果は絶大であった。


だが、上には上がいるように、その効果が及ばないものもある。

先日対峙した【碧海龍スイテン】が生み出した水のゴーレムが良い例であった。

無詠唱でも強力な“星盾”であったが、わずか数発で砕かれた。

かつて危機を迎えた、キマイラの群れも同様。


攻撃を受け続ければ、いつか割れる。

避けられない事実である。


それを解決するためにはどうしれば良いか?

単純な話、効果を底上げすれば良いのだ。


さらに単純な話、その解決方法は“詠唱”であったのだ。


詠唱を紡げば、効果は上がる。

その言葉が長ければ長いほど、効果は上がる。

それだけ多くの魔素を取り込めるからだ。


しかし同時に必要とされる体内の魔力も増加する。

だがユウネは【神子】。魔力など、有り余っているのだ。

スイテン指摘により、余裕がある時は詠唱をするようにした、ユウネであった。



『これは……!? 何とも凄まじい防壁魔法だ。さすがは【神子】と言ったところか。』


感嘆の声をあげる『金眼鷲』


「ディール、鷲さん! この“星盾”は外の攻撃は防ぐけど、中からなら攻撃を当てることが出来ます!」


“星盾”を発動し、左手をギュッとディールの腰のベルトを握るユウネ。

そのユウネの頭を撫でて、ディールは『金眼鷲』の背中の毛で腰を縛りながら笑って言う。


「よし、ありがとうユウネ! 後はオレ達に任せろ!『金眼鷲』、お前はとにかく飛べ! あいつらとの距離に気をつけてくれ。」

『承知したが……お主はどうするのだ!?』

「あのワイバーン共を、斬る!」


ディールはホムラを抜き、その剣刃に手を添えた。


「いくぜ、ホムラ!」


―ええ、任せて!―


「『金眼鷲』、高度を上げて右手から来る連中を前にしろ!」

『承知!』


『金眼鷲』はグルンと大きく旋回し、高度を上げる。

ユウネから響く悲鳴などお構いなしだ。


ワイバンーンまでの距離は、およそ100m。

グリフォンである『金眼鷲』とあまり変わらない巨体が、7匹。

まるで隊列のように、乱れず飛翔しながら真っ直ぐ飛んできた。


「さぁて。効くか効かないかで、逃げるかどうか決まるな……」


ホムラが炎に包まれる。

魔法の耐久力が高い“竜種”に、果たして通じるかどうか。

ワイバーンまでの距離、およそ50m。


ここだ!


「伏せろ『金眼鷲』!! いくぞ、“炎斬”!!」


ディールの言葉で、鷲の首と頭を下げる『金眼鷲』

それとほぼ同時にホムラを横薙ぎに振るう。


迸る炎の巨大な刃が、ワイバーンの群れを目がけて飛ぶ。

驚き、空中で身体を捻らせ避けようとするワイバーンだが、遅い。

“炎斬”が先に、7匹のワイバーンに届いた。


『ドザンッ!!!』


大きな切断音。

同時に胴体、翼、首を斬られそのまま森へ堕ちていく、5匹のワイバーン。

両端に位置していた2匹のワイバーンは、辛うじて避けられた。


一度に5匹もの同胞が切り殺され、呆然となるワイバーン。


“追い詰めた”

“この数では憎き『金眼鷲』も太刀打ちできない”


知性も高く、狡猾な戦法を得意とするワイバーン達はそう考えていたのだ。


だが、『金眼鷲』の背にのるニンゲンが放った炎の刃は簡単にも同胞達を切り裂いたのだ。

驚愕し、その場で停滞する2匹のワイバーンであった。


「よし、効いたぞ!」

『なんとも……。奴等は“竜種”の中でも飛翔のためその鱗は脆い部類に入るが、それでも通常の魔物とは訳が違う。それをこうも簡単に斬るとは。さすが“資格者”だな。』


同じように驚愕する『金眼鷲』であった。


生き残った2匹のワイバンーンが『ギャアア!ギャア!』とけたたましく鳴く。

すると、散り散りで包囲しつつ近づいてきた他のワイバーンの群れが、違う動きをし始めた。


バラバラに分かれて『金眼鷲』を中心に、球状に包囲をするよう飛び交うワイバーン。

その数、およそ40匹。


「な、なんだこれは!?」

『奴等め! お主の飛ぶ斬撃に仲間が巻き込まれないようにと、個別包囲に切り替えたのだ。恐らく、包囲を狭めたらあちこちから襲い掛かってくるぞ!』


苦々しく言う『金眼鷲』

ワイバーンの当初の戦略は、5~7匹の群れを成して包囲を狭め、正面に相対するチームが『金眼鷲』を引きつけつつ、横から後ろからと他のチームが死角から攻撃を行うものだった。


しかし、状況が変わった。

背に乗るニンゲンの攻撃。

アレは同胞をまとめて巻き込む。

しかも、脆いとは言え“竜種”の装甲を軽々切り裂く攻撃力である。


“群れていたら、危険だ”


生き残った2匹が、即座にその情報を他の同胞に伝え、戦略を変更したのだ。


知性があり、狡猾なワイバーン。

その群れに当然リーダーはいるが、戦場となれば個体ごとが戦局を判断し、全体に最適解の指示を飛ばして他はそれに従う。

一体一体が、強力な“竜”

群れの戦略を忠実にこなす兵でありながら、時には優れた指揮官になり得る。


包囲網が残り100mほどとなった。


『不味い! 逃げ道が断たれたぞ!』

「ホムラ、“炎刃”だ!いくぞ!」


―ええ!―


叫ぶ『金眼鷲』を後目に、ディールはホムラの刃に炎を迸らせ、その炎を巨大な車輪状に形づくる。


「ちょっと熱いかもしれないが、我慢しろよ!」

『何をする気だ!?』


ディールは直径5mはある炎の車輪を空高く上げた。

その車輪には、鎖のようにホムラの炎が付いている。


「『金眼鷲』! オレの身体をワイバーンに向けるように飛べ!」

『しょ、承知した!!』


ディールは、丁度頭上に位置するワイバーン目がけて炎の車輪を飛ばした。

突如現れた炎のリング。

それが轟音と共にワイバーンの身体を穿った。


『ギシェエエエエエ!!』


喰らったワイバーンはその身体を一瞬で炭化し、ボロボロと森へと堕ちていく。

だが、ディールの攻撃はまだ終わらない。


空中でグルンと炎の車輪を回し、空飛ぶワイバーンを狙い討ちにする。

避けようにも、円を描くように襲い掛かって来る炎の車輪に巻き込まれる形でその数を減らしていくワイバーン。


『ガキィン!!』


『ぬ!?』


ワイバーンもただでやられるわけにはいかない。

射程距離に入った個体から、炎のブレスを放ち『金眼鷲』を襲う。

それが、ユウネが発動させた“星盾”(詠唱バージョン)に防がれたのであった。


「大丈夫だ、ユウネの魔法を信じろ! どんどん飛べ!!」


旋回するように飛ぶ『金眼鷲』

ユウネが振り落とされないよう、ディールは左手でユウネを掴みながらワイバーンを狙い打つ。


『ギシャアアアア!!!!』

『ガイン!!』


突如現れたワイバーンが、その毒爪を“星盾”を穿つ。

毒と爪の刃で、光を放ちながら徐々に薄くなる“星盾”


「この、野郎!」


ディールはホムラと炎の車輪を繋ぐ火の鎖でワイバーンを焼き切る。

『ジュワアアア』という音と共に絶命し、堕ちるワイバーン。

だが。


『ガイン!ガイン!ガイン!』


その隙に距離を詰め、“星盾”を破ろうと決死の突撃をするワイバーンが、5匹。

辺りの星の礫が光を放ち、ポロポロと落ちていく。


“炎の車輪が、広範囲に猛威を振るうなら、いっそ突撃してあの盾の魔法を破ろう“


またしても、ワイバーンは戦略を変えたのだ。

それを見て、即座に“熱纏”“延伸”に切り替えるディール。

纏わりつくワイバーンを一匹、また一匹と容赦なく切り裂いていく。

『金眼鷲』も口から風魔法のブレスを放ち応戦する。


『助かったぞ小僧。だがこの盾、いつまで持つ!?』

「分からない! だが、信じろ!」


猛攻で、その光をかなり薄くした“星盾”

すると、ディールの邪魔をしない程度にベルトを掴んでいたユウネが言葉を紡ぐ。


「『……光を失いその命を閉ざそうとする星々に告げる、我は星と命運を共にする神子なり。今一度その輝きを取り戻し再び瞬く星の輝きを得よ。“星盾”』!!!」


“詠唱展開”による補強。

本来、防壁魔法は一度展開したら、破壊されるまで掛け直すことが出来ない。

効果重複は、どんな優れた魔導士でも不可能であったのだ。


それを解決する方法が、再度、詠唱を紡ぎ補強すること“詠唱展開”である。


しかし、その技はただ魔法を展開するとは比べ物にならない程の魔力を要する。

凡そ10倍~20倍の魔力が必要とも言われる。


額から汗を流し、肩で息をするユウネ。

いくら膨大な魔力を有する【神子】であっても、急激な魔力低下は身体に大きな負担を掛けるのであった。


「助かったユウネ! 一気にいくぞ『金眼鷲』!!」

『応ッ!!』


“炎斬”と“熱纏”を交互に切り替え、ワイバーンを一匹ずつ倒すディール。

その数は、残り10匹ほどとなった。


『ギシェエアアアアアアアア!!!』


突如響く、けたたましいワイバーンの鳴き声。

その声と同時に、身体を大きく旋回させて『金眼鷲』から離れて行った。


「どうしたんだ!?」

『撤退だな。多くの同胞を失い、盾の魔法も復活した中これ以上我らを相手するのは全滅も免れないと判断したのだろう。我らの勝利だ。』


嬉しそうに伝える『金眼鷲』。

空中での脅威を、退けたのであった。


「はぁ……何とかなったか。」


ディールも大きく息を吐いた。

慣れない空中戦、それも巨大な『金眼鷲』に跨りつつの応戦。

ユウネの“星盾”には本当に助けられる、と安堵した。


―さっすがディールと私ね! あんなカラス共も敵じゃなかった!……その、ユ、ユウネも頑張ったわね…―


照れくさそうに言うホムラ。

だが、ユウネはディールの腰ベルトを掴んだまま、返事をしない。


「どうしたユウネ?」

―何よー! 珍しく褒めてあげたのに、その態度は!―


ユウネは、青白い顔をして右手で口を押さえる。

そして、呟く。


「き、気持ち、悪い……」


生まれて初めての飛翔と、空中戦。

右へ左へ、上へ下へと、目まぐるしく旋回する『金眼鷲』

そして“星盾”を補強するため急激に減らした魔力。


酔ったのだ。


「おおい『金眼鷲』!! 一旦森へ降りろ! 早く!!」

『何故だ? ワイバーン共を退けたのだ。この眼前に広がる静かな空を楽しめ。あと半刻ほどで我が主の……』

「いいからっ!!!!」


「おえっ……吐き、そう……」

「早く降りろーーー!!」



渋々、森へ着地する『金眼鷲』

ユウネは、女として、愛するディールの前で、その威厳を何とか保つことが出来たのであった。

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