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閑話12 崩れゆく日常

『お待たせしました、マルゼン総統閣下。』


連合軍本部フォーミッド中心部。

十二将官邸の隣に位置する、総統官邸。


総統専用の寝室のベットで横たわる老齢の男性。

ソリドール公爵国国王であり、連合軍の最高指導者である総統マルゼン・フォン・ソリドールに跪き、頭を垂れる人物。


骸骨を彷彿させる真っ白な鉄仮面。

漆黒のローブを身に纏う。


十二将末席にして、3人の“世界最強”の一人。

その中でも最強・頂点と謂われる人物。

【戦場の死神】ディエザであった。


「ディエザよ、すまぬな。こんな時間に呼びつけて……」


ベットから身体を起こされながら、にこやかに告げるマルゼン。

その隣には、マルゼンの長女、十二将第1席のマリィがいる。

マリィは起き上がるマルゼンを両手で支え、ベッドの背もたれにゆっくりと座らせた。


『面を外します。失礼します。』


ディエザはそう言い、白い鉄仮面に手をかける。


「良い。ここにはお主の事を知る者しかおらぬが……いつ誰が来るか分からぬからな。何かあればシエラやユフィナ、エリスが遠慮なく入ってくるぞ。」


手を掲げ、ディエザを制するマルゼン。

ディエザは持ち上げつつあった鉄仮面を、再度、被りなおす。


『かしこまりました。このような面をしたままである失礼をどうかお許しください。』

「よいよい。そんな畏まらなくても良い。」


頭を下げるディエザにマルゼンはにこやかに伝える。


『本日はどのような御用件で?』

「うむ。詳しくはマリィとフウガ殿から聞いて欲しい。」


マリィはマルゼンの隣から、ディエザの前まで歩く。

腰には、マリィ専用魔剣“フウガ”を帯びていた。


銀色に輝く鞘と、銀の鍔と柄。

その魔剣を剣帯から外し、マリィは隣の椅子に置いた。


「……出てきて、フウガ。」


マリィが告げると、魔剣は鈍く光り、その形を変える。

魔剣は、一人の男性へと姿を変え椅子に腰掛ける。


「はいはいー。ひっさびさだね、ディエザちゃん!」


長い銀髪をサラサラとなびかせ、胸元が肌蹴たスーツを身に纏う若い優男が流し目で言う。

その男は優雅に座り、足を組む。

一つ一つの動作に色気があり、自分を良く魅せようとしているのが節々から伝わる。


あまりこの場には相応しくない軽薄そうな優男。

十二将第1席マリィの魔剣にして、ソリドール公爵国の守護神、“風の龍神”こと【銀翔龍フウガ】であった。


『ご無沙汰しております。フウガ様。』


ディエザは椅子に優雅に座るフウガに頭を深々と下げた。

その様子に満足するようにニヤニヤと笑う、フウガ。


「相変わらず固いねー。もっと気楽に行こうよー。」

『どのような御用件で?』


仮面の下、声も魔力で変声されているため表情が分からないディエザの言葉。

銀髪を掻き分けてフウガはため息をする。


「はぁー。ディエザちゃんは相変わらずだなぁ。」


ディエザは何も答えない。

タラリと額から汗を流し、フウガは観念したように告げる。


「はいはい、用件を伝えるよー。実はね、ガンテツとシロナから連絡があったんだよ。“資格者がホムラを抜いた”ってね。」


その言葉に、ディエザは動揺したのか“ガチャ”と硬質な鎧音を立てる。


「オレッチ的には、ディエザちゃんが“資格者”になるんじゃないかなって思っていたけど、ほら、君、アレだしねえ。もうちょっと時間掛かるかと思っていたのよ。」

『私は“理”から外れている身とは言え、ホムラ様を抜く資格はありません。……そもそも不要です。』

「怖いねぇ。さすが世界最強、いや“史上最強”ディエザちゃんだ。」


フウガは汗を垂れ流し、呆れたように言う。


『ところで“資格者”とホムラ様はいずこに?』

「今、ガンテツのところで修行中だってさ。それも【星の神子】も一緒なんだってよ。」


その言葉にディエザは思わず立ち上がる。

「ひっ」と短い悲鳴をあげるフウガ。


『も、申し訳ありませんフウガ様。少々……動揺しました。』

「わかる。わかるよマジで。あの【星の神子】が一緒となると……期待しちゃうよねぇ?」


頷くディエザ。


「修行はまだまだ時間が掛かるみたいだよ。全っ然弱いらしくてさ、“資格者”の子。鍛え甲斐があるって、あの爺さん張り切っていたし、シロナはシロナで何か企んでいるみたいだったし。」

『そうでしょう。“資格者”もこの世界の“理”から外れた身です。しばらくは苦労するでしょう。』

「君も、そうだったからな。」


再度、頷くディエザ。


『それにしても【星の神子】も一緒とは。シロナ様のお考えも大凡予想が付きます。』

「ああ。君なら分かるだろうね。」


フウガとディエザの会話に、マリィがポツリと言葉を挟む。


「……そんなに危険なの?“ディア”って。」


「……さっすがマリィちゃんだねえ。今の会話でそこまでわかっちゃうんだ。」


驚き、呆れ声のフウガ。

ディエザも表情は分からないが、動揺している感じだ。


「……参考までに聞くけど、私とフウガの全力で、勝てる?」

『そうですね……あの“力”なら可能性があると、申しておきましょう。しかし今はまだ無理です。貴女やシエラ様なら可能性はありますが、現時点では砂粒のような可能性だとご理解ください。』


その言葉に、感情の乏しいマリィの目が見開かれる。


「マ、マリィちゃん、人前でその顔は、やめよう、ね?」


震えながらフウガが告げる。



マリィは、目を見開き、口をまるで三日月のように裂け、笑う。

残虐性を孕む、凄惨な笑顔。



「落ち着いなさい、マリィ。」


マルゼンの声が響く。

その声に合わせるように、マリィは普段通りの感情が抜け落ちた顔に戻った。

震えながら、ふぅ、と息を吐くフウガ。


「……ごめん、フウガ。興奮しちゃった。」

「うん、わかるよ、わかる。でも、ダメだからね? あいつら刺激しちゃ、ダメだからね?」

「……考慮する。」

『絶対におやめくださいマリィ様。私が貴女を排除せねばならなくなります。』


ディエザの言葉に、うぐっ…と呟くマリィ。


「……うん、約束する。」

『参考でとの事でお答えしましたが、貴女とフウガ様が例の“力”を持って全力で私に対峙したとしても、私なら目を閉じてでも貴女を斬り伏せることが出来ます。そのような現状では話になりません。』


淡々と諭す、ディエザ。


『貴女は弱い。それを自覚なさってください。』

「……そうはっきり言われると流石に傷付く。でも、頑張る。」


マリィは両手で拳をつくり、フンス、と鼻息を立てる。


「さて、もう一つ本題。ディエザちゃんはどう思う?」

『どう思うとは?』


フウガは一呼吸置いて、呟く。


「この戦争……。“ディア”が絡んでいると思うかい?」


沈黙。

そしてディエザは答える。


『恐らく関わっているでしょう。アレは人に溶け込むのが巧い。人間を唆し、操り、かき乱す。』


息を飲む、フウガとマルゼン。

ディエザは続ける。


『そろそろ“時期”に当たります。より多くの人間の命を刈り取らんとするでしょう。手頃なのが戦争です。様々な要素が絡んでいるとは言え、このタイミング……“ディア”が一枚噛んでいると見てもおかしくありません。』


その言葉に、表情を暗くするマルゼン。


「儂がこのような身体であるのが悔しい。そんな節目を、愛する娘や次代に託すことになるとは……。」


涙を流し、マルゼンは呟く。


「……父上、だからこそ私たちは備えてきた。ずっと、500年もの間。全て紡いできた。」

「だとしてもだ。儂が、儂が、健在ならば!」


悔しい。

何も出来ず、こうして病に伏せ、尽きる命をただ待つだけの自分が。


「……父上、必ず、私が“奴”を葬り去ります。それで、おしまい。」


マリィははっきりと告げる。

フウガとディエザはその言葉に警戒を示す。


『マリィ様……。』

「……ディエザ、大丈夫。分かっている。私はまだまだ弱い。“奴”を斬り殺せる力を付けるまで、強くなる。」


頷くディエザ。


『私も居ることをお忘れなく。その時は、命運をお伴させていただきます。』

「……そうね。あと、シエラも連れていきましょう。」


マリィは口元をゆがめてディエザに告げる。

ディエザは少し考え、


『……そうですね。』


そう答えるのであった。


『いずれにせよ、まだまだこちらの準備が足りておりません。本来戦争などしている場合では無いのですが、連合軍も帝国軍もこの段階ではもはや手遅れです。』


ディエザは視線をマリィからマルゼンへと移す。


『数ヶ月前より連絡を取り合うソエリス帝国皇帝の“作戦”とやらも間もなく決行だと聞きます。そうでなくともなるべく双方の被害を抑えることです。加えて“資格者”と【星の神子】がどこまでその力を伸ばすかにもかかっておりましょう。』


そして、改めてフウガを見る。


『ガンテツ様の後は、貴方の元でしょうか?』

「恐らくね。ホムラの封印の解除キーを渡さないとシロナのところには行けないし、あ、その前に教皇のところにも行かないとダメだったな。きっと近いうちに会えるよ。」


フウガがおどけるように答える。

その言葉に、ディエザは頷く。


『私が直々に鍛えるのも手かもしれませんが。』

「おいおい! “資格者”とホムラを殺す気かい!?」


速攻でつっこむフウガ。

後ろで頷くマリィとマルゼン。


『そ、そんな事しません。そもそも“本業”もあるので、そちらとの折り合いが難しいところです。お願いするとすればマリィ様か、ゴードンですな。』

「ゴードンちゃんと言えばあの【剣聖】だったな。確かに彼なら適任かもね。」


フウガの同意に頷き、ディエザは尋ねる。


『ところで……“資格者”は何と申す者なのですか?』


フウガは一瞬考え込み、答える。


「確か、ディールちゃんとか言ったな。【星の神子】はユウネちゃんっていう、可愛い女の子って話しだったはず。」



その言葉に、ディエザの身体から再度『ガチャリ』と鎧が擦りあわされる硬質音が響いた。


「……どうしたの、ディエザ。」

『フウガ様、その者のファミリーネームは、何と?』

「うーん、そこまでは聞いてないなー。今度聞いておこうか?」


怪訝そうな顔をするマリィとフウガ。

ディエザは、頷き、はっきりと告げる。


『ぜひ、お願いします。もしかすると、行方不明だというゴードンの弟かもしれません。』


頷くフウガ。


次の瞬間、フウガの表情がこわばった。


「……どうしたの、フウガ?」

「ユフィナちゃんが走っているな。どうやら、こちらに来るみたいだね。」


そう言い、フウガは“魔剣”に戻った。

マリィは魔剣フウガを手に取り、腰の剣帯へ付ける。


『ドンドン!』

激しいノック音


『マルゼン総統、ユフィナです! 火急の報せにより御目通し願います!』

「入れ!」


マルゼンの声により、ユフィナがドアを勢いよく開け、入ってきた。


「失礼します!……ってマリィと、ディエザも!? ちょうど良かった!」

「……ユフィナ、どうしたの?」


肩で息をするユフィナにマリィが首を傾げて尋ねる。


「報告です! 帝国軍が大軍を引き連れて戦線間際の進軍が確認されました! シータが確認したところ、その数30万! “十傑衆”の2位カイゼルを大将とし、4位アーシェ、6位ゾルゲ、7位ウルフェル、8位ジャッカルの4人の将軍が確認されました! 前回の進軍より、規模が遥かに大きいです!」


その報告に、マリィは目を大きく見開く。


「現在、シータの要請にて第4席マイスター、第5席ゴードン、第9席ザインの3名を前線へ転送しました。順次増援をしなければなりません!」

「……どういう事? オフェリアの作戦は?」


その言葉に、ユフィナは俯き、はっきりと告げる。


「ここに来る前、4位アーシェよりオフェリアの代理として連絡があった。オフェリアは……1位ゼクトの謀反による凶刃に倒れ、死亡したとの事、よ……。」


全員が唖然とする。

例の作戦が失敗したとか、そんな話ではなかった。

まさか、最も信頼のおける腹心の裏切りによって皇帝オフェリアは倒れたというのだ。


「……話は、わかっ、た。それ、で?」


絞り出すように、マリィは尋ねる。


「4位アーシェ曰く、謀反を起こしたゼクトを包囲し、十傑衆の手によりその場で処刑したとのこと。これらは四大公爵国の間者による策略であり、ゼクトは公爵国と繋がっていた。その凶刃に倒れた皇帝オフェリアの無念を晴らすため、弟の3位オズノートが皇帝位を暫定継承し、総力を挙げて四大公爵国への進軍を指示した、との、こと。」



――――



帝国軍進軍の確認、少し前。

一枚の報告書を手に頭を抱えるユフィナであった。


「はぁ~~。レリック侯爵め、そう来たか……」


ラーグ公爵国の“森街道”に住まう凶悪な“二つ名持ち”である『黒獣王』の討伐と、生き証人『任侠道』との邂逅によって、その場を仕切ったレリック侯爵から功労者であるハンター達へ褒章を授与したとの件、何故か、新人ながらBランクに認定された二人組のハンターが褒章を辞退したとのことで、その真意を確かめるべく報告を出させたが……。


レリック侯爵直々の報告書には、こう書いてあった。


『若い二人のハンターは、仲睦まじい恋人同士であった。その実力もさることながら、謙虚かつ清貧を貴ぶ今時の若者には稀有な者達であった。“まだ若輩者である”を理由に褒章を固辞した二人にレリックは感銘を受け、変わる褒美は何が良いか対話を通じ確認したところ、我が宮殿での婚姻を所望された。二人が婚姻でこの地を訪れた際、その希望を叶えるとレリックは命を賭して確約した。よって、これ以上の褒章は過剰と判断し、二人の申し出を受理した所存である。その名、その素性については婚姻まで伏せることで、二人の愛を静かに育む時間とされたい。』


ユフィナは十二将官邸の執務室で、ため息を盛大についた。


褒賞の件は何となく理解した。

何か裏がありそうではあるが……


それよりも、レリックの宮での結婚式!?


確かに、ユフィナも幼少期より何度も訪れたレリック侯爵領の美しさは知っている。

特に”レリックの宮”は、文字通り息を飲む美しさだ。


女性なら一度は夢見る。

“ここで婚姻の儀をしたい”


ユフィナもそう思った。

だが、彼女のお目に叶う殿方は未だ現れない。


問題は恋に、愛に生きるシエラだ。

絶対、騒ぐ。

羨ましいと、騒ぐ。


“私もアゼイド君と! ユフィナ、なんとかして!”


目に見える。

例えユフィナや父、国王であるラーグ公爵が嘆願しても叶うかどうかすら分からないのに……。


「めんどくさいなあ、もう!」


嫌々しく言葉を吐くと、執務机に置かれていた“通信紙”が淡く光を放った。

いつ、オフェリアから連絡が入っても良いように、シエラ・マリィ・エリス・ユフィナの4人が持ち回りで手にしていた。


「来たか!!」


はやる気持ちを押さえ、紙を広げる。

内容を確認し、場合によっては全員を収集する。

いくつかのプランがユフィナの脳裏に浮かぶ。


だが、通信紙から現れたのは、初めて見る女性。

真っ青なストレートヘアに、金の瞳。

不思議な色を放つプレートアーマーと白地に金の刺繍が施されたスカートを身に纏う、剣士の女性。


「貴女は?」

『突然のご連絡申し訳ありません! 私めは、帝国軍大将団“十傑衆”の4位を預かっています、アーシェ・ラナトリアと申します。貴女様は、ラーグ公爵国が次期首領、ユフィナ・フォン・ラーグ閣下であるとお見受けいたしますが!?』


その女性、アーシェは丁寧に、しかし切羽詰まったように語る。

確か、オフェリアの作戦について“協力者”側の、十傑衆であった。


「そうよ。一体どうしたというのですか?」

『火急の報告です! オフェリア様が、謀反に遭い凶刃にて倒れられました!』


目を見開き、手に持つ書類を落とすユフィナ。


『犯人は、1位ゼクト。オフェリア様の愛人であり、貴女方にお伝えした“作戦”の要であったのですが、突如裏切り、オフェリア様を刺したのです!!!』

「なんですって!?」


驚愕し、椅子やテーブルの上にある物を倒しながら立ち上がるユフィナ。

ふるふると震えて報告を続けるアーシェ。


『ゼクト様、いえ、ゼクトは、オフェリア様殺害と、貴女達の間者の疑いにより他の十傑衆によって処刑されました……。そして皇帝継承権で次位であるオズノート様が、暫定皇帝として、間者に唆された姉君の無念を晴らすべく四大公爵国への総攻撃を決定されました。これより、大規模な攻撃が始まります!』


さらに驚愕するユフィナ。

ある意味、最も恐れていた事が現実になったのだ。


『規模は30万人。大将は2位カイゼルでございます!我ら十傑衆も、6位ゾルゲ、7位ウルフェル、8位ジャッカルも前線に加わります。……私も、その前線に、加われとの命令で、ございます。』


歯を食いしばり、顔を顰めて告げるアーシェ。

ユフィナは一つ息を吐き出し、答える。


「ご連絡感謝します、アーシェ殿。双方の被害が最小限となるよう、全力を尽くします。貴女様も危険ですのでこの通信は早々にお切りください。そして、願わくば……オフェリア皇帝陛下の意思を継ぎ、公爵国と帝国との和睦に向け共に歩みましょう。」


ユフィナの言葉に、涙を流し、アーシェは伏せる。


『お心遣い……痛み入ります、ユフィナ様。例え帝国内にオフェリア様の……意思を、継ぐ者が私一人だとしても!! 必ずや、叶えてみせます!!』


顔を上げ、力強く宣言するアーシェ。

その言葉に頷くユフィナ。


そうだ、まだ終わったわけではない。


オフェリア、貴女の意思は私たちが継ぐ!


通信紙の通信が切れたことを確認したユフィナ。

まずは戦線の第7席シータと連絡を取り合い、帝国軍進軍の有無の確認だ!



その後、マルゼン総統の元へ走るユフィナであった。



――――



場所は変わり、ソエリス帝国城塞。

惨劇のあった後の、皇帝私室。


まだ乾ききっていない、夥しい血痕に濡れる床。

ところどころに見られる、砕けた氷の跡。


そこには、連合軍十二将第2席【光の神子】ユフィナとの通信を終えた十傑衆4位アーシェが一人、立っていた。


その目には涙。

真剣な眼差しで、呟く。


「オフェリア様の御意思を、必ずや……」







その口が、歪む。


「……な~んて、ね♪」

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