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サバゲーテイル・トラジック  作者: 一条由吏
ソロプレイ編
12/13

後日談 -3-

お読み頂きましてありがとうございます。

 結婚報告のため、雪絵さんの実家を訪れたときは、大変緊張した。山田ホールディングス社の創始者である山田取無氏が現れたからだ。


 意外と気さくで、身長も俺よりわずかに高いだけで親近感を覚えた。家族なのだからと『トム』と呼ぶように強制されたときは、驚いたが山田家のみなさんがそう呼んでいるのを聞くうちに自然とそう呼ぶようになった。


「へえ、この子が雪絵の旦那さんか。なるほど、まんま雪絵の好みだな。」


「そうなのよね。VR世界で出会ったときは、若干身長に下駄を穿いていたけど、好みの権化で絶対口説き落とすつもりだったのだけど、こういうことってままならないものよね。」


「でも、結局落とせたんだろ。結果オーライじゃないか。」


「うん、卑怯な手を使っちゃった。ある程度好感度を上げておいてから、突然私の本性をみせたのよ。案の定、彼が私に汚い言葉を吐いたけど、その罪悪感に付けこんで関係を持っちゃった。しかも、本当の身長をバラしたのは、その後だもの。」


「それでも、彼は受け入れてくれたんだろ。結果オーライじゃないか。」


「ねえ、銀ちゃん。なぜ、あの時受け入れてくれたの?」


「そうだなぁ。実は、俺はこの身長で女性から不当な扱いを受けたことは少ないんだ。どちらかと言えば、身長で不当な扱いをするのは、男性ばかりでね。もちろん、結婚相手には、高身長という条件をつける女性は居たけど。」


「それで?」


「その俺が、女性に対して身長が高いというだけで不当な扱いをするのは、変だろ。」


 まあ、心の中では、結構いろいろ思っていたけど・・・。


「こういう人なの。トム。変な人でしょ。」


 変かなぁ。好きになっちゃえば、容姿なんて関係ないと思うけどなぁ。


「好きだよ。雪絵さん。」


 あ、真っ赤になって俯いてしまった。こういうところは、可愛いと思うしね。たとえ俯いた時の高さが、俺の身長と変わらないとしてもだ。


・・・・・・・


 VR世界での結婚式は、派手だったけど、リアルの結婚式は、身内だけの式となった。


 てっきり、要人が沢山来たり、長期間に渡る海外での結婚式なのかと思っていたのだったが、山田家の人間は、山田ホールディングス社の子会社を指揮しており、とても忙しいようだ。


 新婚旅行もハワイに2週間程だ。その上、ハワイのリゾートホテルに設置した新型VR装置のテストも兼ねている。そう例の快感神経に繋がっている装置だ。


 このホテルでは、VR世界でハワイを再現しており、わずかな滞在で何倍ものハワイのバカンスを楽しめると好評を博している。その中で唯一できなかった行為をスイートルーム利用者のみに、公開する試みだという。


 VR世界のコンテンツは、既に各客室に備え付けられたゲーム機用VR用ヘッドギアで長年実績があるもので、新型VR装置でも完全な上位互換があることは、テストプレイヤーにより実証済みである。


 あとは、この新型VR装置の経験時間の多い俺達がテストすれば完了である。


 VRMMORPGとは、違い雪絵さんが使用するVR装置には、身長や年齢などを変更する設定はない。ただ快感の増幅ができるだけだ。このテストのために、試作機で増幅装置を1.1倍から0.1倍刻みで快感度を身体に覚えさせてきたのだ。それと、大幅に違わなければテストOKだ。


「うん、よさそうだね。倍率が上がる度に快感度が増しているし、試作機との比較も対してかわらないようだ。」


「そう、じゃテスト完了ね。あとは、十二分に楽しみましょう。」


「もしかして、VR世界でリアルと同じ身長で雪絵さんとセックスするの。初めてじゃないか?」


「たぶん、そうね。」


「いままで、追及しなかったけどそのショタコンって、爺コンのなれの果てなのか?」


 雪絵さんが、トム殿に向けている視線は、単なる身内へというよりは、恋人である俺への視線に似ていたからだ。しかも、俺と体つきもそうだが、顔も何処と無く似ているのだ。


「えっ・・・・。なんで解かるのよ。やだ・・・絶対言わないでよ。内緒なんだから・・・。」


「本当なんだな。わかった誰にも言わないよ。」


「まあ、それだけでもないけどね。世の中の男達に幻滅しているせいかも。この身長では、私を女性として見てくれなかったのに、私が山田家の人間と知るとちやほやしだす、そんな男達ばかりだったからね。」


「一応聞いておくけどその病気は、俺に対してが初めてなんだろうな。過去に同じようなことをしてないだろうな。」


 実は、山田家の逢う人逢う人に肩を叩かれ、頑張れって励まされたのだ。過去に同じような人間がいたのでは、ないかと邪推したのだが・・・。


「じ、実は、前に正体を隠したままで婚約までしたひとがいたの。」


「それで?」


「で、ショタプレイにこぎつけたんだけど、どうやら嫌だったらしくて・・・。始めは平気そうだったからどんどんエスカレートしていったら・・・ずっと我慢してくれていたみたいで、ノイローゼにしてしまったの。結果、婚約は破綻。」


「そうか。俺は、今のところ大丈夫だけど、嫌なら嫌だというから、ちゃんと止めてくれよ。」


「大丈夫よ。彼にしていたプレイは、もうとっくに超えたもの。でも本当に我慢していないでしょうね。」


「そうだな。この機会に一応釘を刺しておこう。ホモプレイなど、俺のお尻を使ったプレイは、拒否させてもらおう。」


「えっ・・・・。・・・・・。そ、・・そんなことは考えていないわよ。考えすぎよ。は・は・は。」


 よかった。考えてみたいだ。VR世界では、何でもありだからって、男女間でわざわざする内容じゃないからな。雪絵さんのことだから、めちゃめちゃにされてしまうだろうし。


リアルでの後日談でした。この2人これで本当に幸せなんでしょうかね。



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