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冒険者試験

「さぁ、着きましたよ!ここが試験会場です!」


そう言って嬉々として連れてこられた場所は街の外の何もない平原だった、僕は1人置いて行かれて困惑していると受付の人が説明を始める。


「まずはエアルさんの使える魔法について見ておきたくて街の外まで来て頂きました、彼方に用意している魔力蓄積石カカシがあるので彼方に向かって魔法をお願いします、ここでは威力と精度を見させて頂きます」


ギルドの受付の人が指を差しながら説明してくるれると早速の実技に少し緊張するがいつも通りにすれば良いと思い深呼吸して構える、左手を前に出し右手で支えるように構えてカカシに狙いを定める、全身から魔力をかき集め集中力を高めて放つ。


「雷よ、鳴れ!」


僕の詠唱と共に放たれた魔法は真っ直ぐカカシに命中するとカカシに触れた途端に吸収されて消えてしまった、試験官を務める職員さんは静かに頷き何か紙に書いていた、そのまま僕に近づいてこようとすると僕がまた構えているのを見て歩みを止めた、僕はそのままもう一度カカシに標準を合わせてもう一度詠唱する。


「雷霆よ、鳴り響け!」


周囲の空気がピリつき僕の手から放たれた魔法は先程の魔法とは比べ物にならない威力と速さを持ち、カカシに当たるとバチバチと音を立てながらも魔法を吸収する、その光景を見て試験官は驚きを隠せないでいると僕に質問を投げかけてくる。


「君、何歳なの?」


「最近12になりました」


「じゅうに!?私その倍は生きてるのに…」


そんなに驚くことなのかな?と内心困惑していると試験官がよくわからないことを呟きながら驚いた表情を作り直すようにほっぺを叩き、次の実技の説明へと移る。


「はぁ、びっくりしましたが取り敢えず次の試験に行きましょうか、次は魔術以外の能力を見ようと思いますがエアルさんは魔法使いですよね?ここはパスしましょうか?」


そう言われるが僕は首を横に振り答える。


「いえ、剣術の方が得意なくらいですよ!」


「えぇっ!?」


その僕の言葉に驚いた表情をしていた、剣術と魔術じゃ1人で練習する時の効率が違いすぎるのでそれもそうだ魔術の方は村にあった書物を読み漁るのと先生に教えてもらった魔力量を伸ばす訓練をしていたくらいで雷の魔法は少し使える種類も増えたのだが回復魔法に関しては村を出る前と比べて変わりがない、それに比べて剣術は1人で鍛錬と村の近くの魔物を練習相手にして、感覚や体の筋肉量や動きなどを磨くには森の魔物達は、いい先生と言えるだろう。


「とりあえず、試験の説明をしますね?」


「お願いします!」

 

どこか遠い目をした試験官さんが試験について話してくれる。


「じゃあこれからエアルさんには私と模擬戦をしてもらいます、武器はご自分の武器をお使いください、ですが怪我がないように武器にはこの布を被せてください」


そう言い腰に下げていた小さなポーチから表は黒く裏には魔法陣が描かれた布を2枚取り出し、1枚エアルに手渡すと自分の武器にも被せる、被された布は武器に触れて少し経つと光出し試験官の槍の刃を包むように形が変わった、エアルもそれを見て同じようにして武器を黒い布で包むと試験官は確認をして説明を続ける。


「この布で包んでいれば体に触れても切れないので怪我のリスクを減らし私が魔力を注げばすぐに元に戻るので模擬戦の時は使用させてもらっています」


「すごいですね、魔法ってこんな使い方もできるんですね」


僕は感心して興味津々で剣に巻きついた布を見る、布からは微弱な魔力を感じることができるが原理までの理解はできなかった、剣にピタリと張り付き隙間もなく引っ張ろうとしても摘むことができないほどだった。

僕が剣に夢中になっていると試験官が僕の顔を覗き込む。


「あのぉ、そろそろ始めてもいいですか?」


「あっ、すみません、この魔法が凄くて見入ってしまって、始めましょうか」


「あはは、よろしければまた後で教えますよ、実は結構簡単に出来るものなので」


「本当ですか!?ぜひ!」


お互い少し距離をとりながら話し4、5歩離れたあたりでお互い向かい合い構える、僕は剣を前に構える試験官は槍を使うようだ、槍を使う人と戦うのは初めてなので少しワクワクしていた、この人はどんな動きをしてどんな闘い方をするんだろうと考えるとワクワクする。


「では、試験開始ッ!」


その言葉と同時に距離を詰めるために前に走り出そうと一歩踏み出すと顔の前に穂先の部分を向けられ剣の間合いには入らせないと圧をかけられ足に力を入れ踏み込み止まる。


「長いな」


僕が攻め悩んでいると素早い動きで槍を引き大きく一歩踏み込み胴体目掛けて槍を横に大きく振り薙ぎ払いをする、僕は後ろに飛び間一髪で避ける。


「ほぉ、なかなか動けますね!」


感心しながらも武器を構え直し僕の動きを静かに見ている試験官は余裕そうにしているように見えて隙がなかった、正直槍のリーチは結構厄介だ僕の剣の2倍ほどの長さのある槍をいなしながら剣を当てなくてはいけないのはかなり難しい、それに試験官さんもう冒険者はやめたって言ってたけど現役じゃないかと思えるくらいには動けている、額から流れる上げを拭って僕は剣を構え直しまた近づくために走り出した。


「リーチが足りてないのをどう補うおつもりですか!」


走るエアルの顔の前にまた同じように槍が突き出されると今度は左に避けてそのまま剣の間合いにまで入る事に成功する。

よし、もらった!

そう思い斬りかかろうと下から剣を振り上げようとすると試験官は槍を引く勢いのまま石突で僕の手を突き体制を崩したところに中茎で僕を後ろに弾きもう一度距離をとりまた僕動きに注視する。


「今のは良かったですが、まだまだ私には届きそうにないですね、どうしますか?この辺りで終わりますか?」


僕は態勢を立て直し剣を構え直して答える。


「いえ、ここからですよ!」


声を張り上げ言い放ち同じようにもう一度近づくと今度は薙ぎ払いをして来たので僕はその薙ぎ払いに合わせて剣を大きく上から下へと振り下ろして槍を横から叩く。


「なっ!?」


地面に叩きつけられ驚きの声を上げる試験官の隙を見逃さずに僕は距離を詰める、態勢を立て直そうと槍を引く試験官の槍の中茎の部分を左手で掴み動きを鈍らせて、そのままガラ空きになった試験官さんの頭に素早く剣を横から振るが寸止めして息を切らしながら言う。


「これで合格ですか?」


「お見事です」


その言葉を聞いてお互い武器を下げる、一息ついたところで布を取ってもらい武器を片すと試験官はさっきの戦闘でのことを僕に話す。


「お疲れ様です、まさか12歳の子に負けるとは思いませんでしたよ、私元々レベル4の冒険者だったんですよ?」


「ありがとうございます、でも試験官さんもか なり動けていましたよね、どうして冒険者を引退したんですか?」


僕の言葉を聞いて興奮気味だった試験官さんは少し落ち着き経緯を話してくれた。


「試験官さんではなくレインとお呼びください、それから私が冒険者を辞めたのは、まぁ、上には上がいると言いますか化け物並の人を沢山見てしまったので自信をなくして」


「あ〜それは、仕方ないですね、あはは」


そんなレインさんに僕は苦笑いをするしかなかった、どんな化け物を見たんだろうと内心不安になる、こんな強い人が見て自信をなくすのは相当な強さを持った人がいるんだろう。

そんな考えを抱きながらふと気になっていたことをレインさんに伝える。


「あの、レインさん僕には敬語じゃなくて大丈夫ですよ、敬語だとなんだか落ち着かなくて」


その言葉を聞いて少し動揺しながらもレインは少し悩みながらも答えてくれた。


「わかりました、じゃあ敬語は使わないでおくわね」


「まだ、ちょっと残ってますよ?」


「ご、ごめんね」


そんな事を言いながらも街に戻る準備をして出発すると、今後の説明や街や冒険者についていろんな事を話して教えてくれた。

冒険者ギルドに着くとレインさんと共にいろんな手続きを済ませ冒険者カードができるまで時間がかかるらしいので僕は一度宿に戻る事にして、また明日受け取りに行く事にした。


「ふぅ、今日は疲れたなぁ」


街を歩きながら独り言を呟く、空は日が傾いていて茜色に染まっていた、街をぶらぶらしながら今夜の晩御飯のために飲食店を探してると何やら近くの店で騒ぎが起きているのに気がついた、気になって近づいてみるとどうやら酒場の中で1人の荒くれが暴れているのが目に入った。


「おらぁ、もっと酒持って来い!全然足りねぇぞ何やってんだジジイ、早くしろ!」


「す、すみません!」


荒くれが机に足を上げてデカい態度で騒いでいるようだ机の上には中身がからであろうタルが何個も置いており床にも数個転がっていた、店員さんもその荒れように困っていたが何も言い出せないのだろうか渋々従っていると感じでお酒をテーブルへと運んでいた、正直見てるだけでも気分が悪くなるその光景に僕は我慢が出来なかったので店の扉を勢いよく開けて入店する事にした。


「たのもぉー!!」


僕が大きな声で言いながら店内に入ると店員さんや荒くれだけでなく店内のみんな驚いた顔を僕に向けてただ何も言わずに見ていた。

恥ずかしい、普通に入れば良かった。

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