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パーティーから追放された僕の最弱スキル『武器強化』が、気付いたら最強スキル【武器錬成】に進化していた件  作者: 五月雨前線
第2章

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第55話 六愧の狙い

投稿が遅れてしまい申し訳ありませんm(_ _)m

 私の斬撃によって死者の群れは一瞬の内に薙ぎ倒され、一気に視界が開けた。加速する勢いのまま私は次々と連撃を繰り出す。


 2本の剣と2つの鉤爪が幾重にも交錯し、衝突によって絶え間なく金属音が発生している。六愧に対してはしかし、即座に致命傷を与えることは叶わなかった。


「うぐうううっ……! 噂には聞いてたけど、とんでもない絶技だねえ……!」


 六愧は声を漏らしながら、無限にも等しい私の斬撃を受け止めている。とはいえ六愧は完全に斬撃を防いでいるわけではない。時折六愧にダメージを与えられている感触はあるものの、聖剣無我境地を使用して一瞬でケリをつけるという目論見は外れてしまった。


「ふううっ……」


 短く息を吐きながら、六愧の命を奪わんと私はただひたすらに双剣を操る。超高速で剣を操ることで、意図せず発生する真空波が城内の天井や壁に幾度もぶつかっていた。真空波の影響で建物が崩壊する、なんてことは起きないと信じたい。


 聖剣無我境地には時間制限がある。制限を過ぎると私は死んでしまうし、制限ギリギリで聖剣無我境地を解除したとしても、対八鬧戦の時のように満身創痍で動けなくなっておしまいだ。

 今後の戦いを見据えて、早々に決着をつけて聖剣無我境地を解除しなきゃ……と思っていた私だったが、そこで違和感に気付いた。何かがおかしい。以前八鬧と戦った時と比べて何かが違う。


(……なるほど、そういうことか)


 数秒で私は違和感の正体に気付いた。八鬧は本気で私の命を奪わんと攻撃を仕掛けていたが、目の前の六愧は違う。私の攻撃を捌き、防御に徹して致命傷を負わないことだけを意識して戦っているのだ。


 恐らく六愧は聖剣無我境地に時間制限があることを見抜いているのだろう。その上で防御に徹している。極論になってしまうが、私が時間制限に達して命を落とすまで粘れば六愧は勝てる。それを狙っているのだろう。

 加えて、ここで私を足止めしておくことで、私をリューオの元へ向かえないようにしたいのだろう。小賢しい。しかし極めて理にかなっている戦法だ。こういうところも明らかに八鬧とは異なっている。


 六愧の狙いは見抜いた。たしかに、完全に防御に徹する実力者の命を奪うことは極めて難しい。しかし、ここで必ずしも六愧の命を奪う必要はない。今私がすべきことは、目の前の六愧をなんとかして一刻も早くリューオたちの元へ向かうことだ。


「はっ!!!」


 攻撃と攻撃が交錯する刹那、気合一閃、私は危険を冒して強く踏み込んだ。多少のダメージは覚悟して、六愧の下半身に狙いをつけて双剣を薙ぎ払う。

 踏み込みすぎて両腕に傷を負ったものの、狙い通り六愧を空中に回避させることには成功した。間髪入れずに攻撃を仕掛け、その攻撃が鉤爪で防がれるのとほぼ同時に、私は狙い澄ました渾身の回し蹴りを叩き込んだ。


「っっ!?!?」


 六愧の小さな体に私の右足がめり込む。驚きからか六愧は目を見開いていた。そして、聖剣無我境地で威力が上がっている蹴りをまともに食らった六愧は、ものすごい勢いではるか後方へと吹っ飛んでいった。


「ぐっ……はあ……はあ……」


 私は聖剣無我境地を解除し、その場に膝をついた。時間制限まではまだ余裕があったものの、消耗していることには変わりない。

 体に鉛が乗っているような疲労に顔を歪めつつ、私はすぐに立ち上がって六愧が吹っ飛んでいった方向に視線を向けた。すぐに戻ってくる気配はない。あの程度の蹴りで倒せるとは思ってないが、六愧を遠ざけることは出来た。奇襲作戦は成功だ。これでリューオの元へ向かえる。


「ううう……ああ……」


「うごおお……」


 その時、くぐもった声が聞こえてきた。声の方向に視線を向ける。殆どの死者は薙ぎ倒されてバラバラになっていたものの、数体の死者はまだ残っており、その死者が声を発しているようだった。


 使役する主である六愧がいなくなったからか、先程とは違って私に攻撃を仕掛けてくる様子はない。真空波の影響で体がズタボロになり、地面に横たわってもぞもぞと体を動かしている元同僚たちの姿はとても痛々しかった。


「…………」


 リューオの元へ向かいかけたところで、私は立ち止まった。このまま死者を放置していいものだろうか?

 六愧の能力は未知数だ。このまま放置したらやがて死者が攻撃性を取り戻し、後に他の人間を襲ったりする可能性はゼロではない。適切に処理する必要がある、と私は思った。


「……本当にすまない。私が不甲斐ないばかりに、お前たちを守ることが出来なかった。お前たちの死は決して無駄にしない。お前たちの死に報いるため、私は必ずフェアード教団を打ち滅ぼす。それをここに誓う。……私が言うのは間違ってるかもしれないが、安らかに眠ってくれ」


 込み上げる胸の痛みに耐えながら私は言い、双剣を操って残っていた死者の体を粉々に斬り刻んだ。そして勢いよく駆け出した。大切な仲間を、私にとってかけがえのない存在であるリューオを、守るために。



※第56話は2026年5月27日の午後8時40分に投稿します。お楽しみに。

ロッテ勝てました! カープとの3連戦の初戦をとりました!


まりほー! この調子でカード勝ち越し決めましょう!


マリーンズファイティン!

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