第35話 ミラエル vs 八鬧
「ぷぐぎゃああああああああああああああああっっ!!!!!!!」
私の斬撃で体を斬り刻まれた八鬧は絶叫し、それでも倒れなかった。巨剣を操り、私の命を奪わんと全力で抵抗してくる。
見える。極限まで高まった集中力のおかげで、八鬧の攻撃の軌道が全て、見える。そして、極限まで高まった集中力のおかげで、私が理想とする動きを寸分違わず実現出来る。
私が超高速で剣を振ることで意図せず真空波が発生し、その影響で周囲の木々が薙ぎ倒されている。これが聖剣無我境地のデメリット。しかし周りには誰もいない。思う存分戦える。
『双聖・旋風剣撃!!!!!』
「ぷぐあああああっ!!! クソアマがぁぁぁ死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
私が放った21連撃を喰らいながらも八鬧はしかし、全速力で後方に退避すると同時に極太の有毒なブレスを吐き出した。仮に私が退がれば、その隙に逃げようという魂胆か。
させない。理不尽に命を奪った報いを受けさせる。今ここで、必ず。
「逃げられるとでも思ったのか」
「ぐがああああっ!?」
明らかに逃走を図っていた八鬧に追いつき、私は両の剣を振るった。肉を刻む感触が妙に心地いい。八鬧は緑色の血を全身から吹き出し、巨剣を構えながらぶるぶると体を震わせている。
「ば、馬鹿な、何故こんなに速くここまで……!?」
「ブレスの中を突っ切った。それだけだ」
「突っ切った、だと!? ありえない!! 人間にそんなこと出来るはずない!!」
「出来る。お前を殺すためなら私は何だってやる」
私は半身、上下太刀の構えを取り、八鬧を鋭く睨みつける。絶叫しながら放たれた八鬧の攻撃は、今の私には止まって見えた。
『双聖・旋風剣撃!!!!!』
「うぐぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!」
21連撃がクリーンヒットした。八鬧は絶叫しながら後退する。全身から血を吹き出す八鬧と距離を詰め、呼吸すら忘れて私はただひたすらに剣を振るう。
おかしい。ここまで攻撃を加えているのに、何故八鬧は倒れない?
まずい。聖剣無我境地には時間制限がある。制限を過ぎると体が限界を迎えて私は確実に死ぬ。あまり時間の猶予はない。
『双聖・旋風……』
「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
勝負を決めるべく連撃を放とうとしたその時、八鬧が咆哮をあげた。あまりにも強烈な咆哮で鼓膜が破れそうになる。
加えて八鬧の全身から、今までより何倍も濃い有毒な霧が放たれた。あまりにも霧が濃く、もはや八鬧を取り囲む分厚い壁のようだ。さすがに突破は不可能と判断し、私は一度後退して距離を取った。
「げはあっ……があああっ……は“ああ……あああ……!!!」
八鬧の呼吸は大きく乱れ、脂肪が付着した体は所々が抉れ、出血死するんじゃないかと思うほどの大量の血を吹き出している。どう見ても満身創痍。それでも尚、八鬧は倒れない。倒れてくれない。
「……何故倒れない……? 何故そこまでして戦う……? お前をそこまで突き動かすものは一体何なんだ……?」
思わず、本音が口から漏れ出た。はっ、と八鬧は大きく息を呑み、その後「ううううぅ……!!」と顔を歪めながら声を漏らす。
「何故そこまでして戦うか……? この腐った世界をぶっ壊すために決まってるだろうがっっ……!! あの時、オラを最初から最後まで苦しめたこの世界を、オラを受け入れてくれなかった全ての人間を、殺す! 壊す! オラを受け入れ、救ってくれたフェアード教団のために、お前のようなカスを1人残らず殺し尽くす! それがオラの……オラの存在意義だっ!!! 負けるわけにはいかないんだぁぁぁっっっ!!!!!!!!!!」
壁状の霧が消え失せる。八鬧が襲いかかってくる。私は剣を構え、地面を蹴った。力と力が、気持ちと気持ちが交錯する。死闘はまだ、終わらない。
※次の話は2026年5月5日の21時10分に投稿します。お楽しみに
昨日、とある場所のポケモンセンターに行ってきました。
GWということでとても人が多かったです。そして嬉しかったことが1つあります。老若男女、あらゆる人がポケモンセンターという空間を楽しみ、ポケモンというコンテンツを好いているのを目の当たりに出来たことです。ポケモンはこんなにも愛されてるんだなぁ……としみじみしてしまいました。
加えて、相棒ができました! そのポケモンの名はシャワーズ! シャワーズのぬいぐるみを購入し、リュックに装着しました! これでいつでも相棒と一緒です!
シャワーズ、君に決めた!




