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パーティーから追放された僕の最弱スキル『武器強化』が、気付いたら最強スキル【武器錬成】に進化していた件  作者: 五月雨前線
第1章

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第33話 不可能を可能に

(ちょ、ちょっと待ってよ! 絶命!? 何で急にそんな話になっちゃうの!? 今まではそういう感じじゃなかったじゃん!)


《今までの戦いと今回の戦いでは事情が違うということです。八鬧は別次元の強さを有しています。その八鬧を倒せるレベルの武器を錬成しようと思った場合、その分代償が大きくなるという話です》


(そんな……やってみないと分からないじゃん! 早く武器を錬成してよ!)


《やってみなくても分かります。私が今まで、一度でも間違ったことを言ったことがありますか?》


(……それは……)


《私はリューオ様のために存在している神級スキルです。故に、リューオ様が確実に絶命してしまう錬成を行うことは絶対に出来ません》


 神級スキルは毅然とした口調で言う。僕は悔しさと怒りで顔を歪め、「くそっ!!」と叫びながら右手で腿をぶっ叩いた。


「くそ……どうすれば……どうすればこの状況を打開出来るんだ……?」


「ブモアアアアアアア!!!!!」


 その時、八鬧の叫び声が轟いた。慌てて視線を向けると、八鬧の体の所々が紫色に輝き、さらに八鬧の口から毒々しい紫色のブレスが放たれているのが見えた。

 ミラエルはなんとかそのブレスを回避したものの、キュオルはそのブレスを避けきれずに喰らってしまう。直後、キュオルの動きが鈍り、さらにキュオルが口から大量の血を吐き出した。

 明らかにキュオルの様子がおかしい。恐らくブレスを喰らった影響だろう。八鬧の攻撃は変化し、確実に強くなっている。今までは本気を出していなかったということか?


「急いで助けにっ……」


 キュオルを助けに行こうと足を踏み出しかけ、そこで僕は動きを止めた。八鬧はキュオルに追撃を加えていない。キュオルはブレスを喰らって、動きが鈍っているにも関わらず。

 ……そうか、八鬧は僕やユミナがキュオルを助けに行くことを狙ってるんだ。助けに行ったところを、ブレスで狙い撃ちにするつもりだ。そういう罠を張るような行動を仕掛ける魔物と、以前ダンジョンで戦った経験がある。


 でも、それが分かったところで何も状況は好転していない。というか少しずつ悪くなっている。先程のブレスの残穢のようなものが、薄らとした紫色の毒々しい霧として戦場に滞留し続けているのだ。


(……あの霧って、多分スリップダメージを与える系のやつだよね)


《恐らくは》


 僕はがりがりと頭を掻きむしった。まずい。このままじゃまずい。キュオルはダメージを負い、ミラエルもスリップダメージで少しずつ消耗している。武器を錬成しようにも、消耗が大きすぎて無理だと言われている。

 何か……何か方法はないのか? この状況を打開出来る、起死回生の何かがないか考えろ、考えろ……!


「……リューオさん。リューオさんは今、恐らく神級スキルと頭の中で会話してるんですよね。その内容を私にも教えてください。私にも何か出来るかもしれないので」


 ユミナの口調は静かで、それでいて有無を言わさない独特の迫力があった。先程までのユミナとは、何かが違う。ユミナの変貌に少し驚きながら、僕は神級スキルとのやり取りを早口で共有した。


「分かりました。リューオさん、武器を錬成してください。八鬧を倒せる性能の剣を、2本。それをミラエルさんに渡してなんとかしてもらいましょう」


「いや、だからそれは消耗が大きすぎて……」


「消耗は私のスキルでなんとかします。だからリューオさんは武器を錬成してください」


 僕の言葉を遮り、ユミナは強い口調で言った。ユミナの大きな黒い瞳には、強靭な意志の光が宿っているように見えた。


「なんとかするって……意味が分からないよ! さっきの実験では、錬成の消耗に少し干渉するくらいしか出来なかったじゃん!」


「さっきと今では全然違うんです! 今、私の体に何かが起こってるんです! まだ自分でもよく分かってないんですけど……さっきキュオルさんに抱きしめられて、優しい言葉をかけてもらえた瞬間、私は初めて自分を肯定出来た気がしたんです。肯定出来た、って言ってもほんの少しだけですけど……その瞬間、突然頭の中で、小さな声が聞こえたんです」


「声?」


「はい。その声が、頭の中で言ったんです。開眼に必要な量のストレス値の蓄積、そして自己肯定感の向上を達成した。ユミナ・ブルークイーンは只今をもって神級スキル『超回復』を開眼する、って……」


「!!!!!」


 衝撃。僕は全身で鳥肌が立つのを感じた。


「何が何だかさっぱり分からなくて、幻聴かと思って無視してたので、3人には相談してなかったんですけど……何度も声が聞こえて、さすがにおかしいと思って相談しようと思ったら、八鬧が現れてしまって……」


 僕は口に手を当て、思考を巡らせた。頭の中で声が聞こえる。突然聞こえた声、ストレス値の蓄積。僕が神級スキルを開眼した時と、殆ど状況が同じなんじゃないか?

 そんな。まさかこの土壇場で、ユミナが神級スキルを開眼させたというのか? そんなことが本当にあり得るのか?


(ユミナの言ってることが本当かどうかって分かる?)


《極めて悪質な嘘に決まって……な……そ、そんな! 馬鹿な! 先程まで何も感じなかったのに、今はユミナ・ブルークイーンから神級スキルの気配を感じます! ありえません! あっていいはずがない! こんなことは前代未聞です!》


 神級スキルが突然、見たことのないレベルで取り乱し始めた。その反応が、ユミナの神級スキルの開眼という信じがたい事象が真実であることを物語っているように思えた。


「え? な、なに? 私が神級スキルを持ってることを、リューオさんに分かってもらうために意図的にオーラを強くしてる? 何を言ってるの? ううう、頭の中で声がするの、気持ち悪い……」


 ユミナは呟き、頭を抱えている。

 神級スキルがユミナの頭の中で喋っているということか? なんとも不思議な光景だ。今まで僕は周りからこういうふうに見られていたのか。って、今はそれどころじゃない。


(こ、これってさ、ユミナの神級スキルでなんとかなるってことなんじゃないの!? どうなの! 答えてよ! 時間がないんだよ!)


《……は、はい。神級スキルなら、不可能を可能にし、錬成の消耗を回復させ、八鬧を討伐出来るレベルの剣を2本錬成することは可能かもしれません》


(よし!! じゃあ今すぐ……)


《しかし! しかしです! 上手くいかない可能性もあります! いや、上手くいかない可能性の方が高いです! ユミナ・ブルークイーンが神級スキルをまともに使用するのは初めてでしょう! スキルの使い方にも慣れてないのに、いきなりこんな大博打を打つなんてあまりにも危険です! リューオ様が命を落としてしまったら元も子もありません!》


 神級スキルが全力で声を張り上げている。ここまで感情を露わにする神級スキルを、今まで見たことがない。

 でも……僕の心は、もう既に決まっている。


「ユミナ、1つだけ大事な質問をさせて欲しい」


「は、はい!」


 僕が声をかけると、ユミナはぴん、と背筋を伸ばした。


「その神級スキル、『超回復』に聞いてみてほしいんだ。八鬧を倒せる性能を持った2本の剣の錬成を成功させるために、錬成の消耗をなんとか出来るかどうかを」


「聞いてみる、って、どうやって……」


「普通に人と話す感じで、頭の中で聞いてみればいいんだよ。頭の中で会話する感じ。そうすれば神級スキルが答えてくれるはずだから」


「ちょ、ちょっと待ってくださいね、えっと……はい、はい。なんとか出来る、らしいです。ただ、かなり危険だと言ってます。それは大博打であり、最悪命を落とすかもしれない、と」


 そっちも大博打、か。大博打と大博打、望むところだ。


「分かった。ユミナ、僕はこの状況をなんとかしたい。皆で生き残るために、どうにかしてあの八鬧を倒したい。そのために武器を錬成したいと強く思ってる。僕に協力してくれる? ……大博打を打つ覚悟はある?」


 ユミナは一瞬視線を落とした後、覚悟を決めた表情で大きく頷いた。


「はい。私もこの状況をなんとかしたいです。私を肯定してくれたキュオルさんを、絶対に助けたいです!」


「よし、じゃあ一か八かの賭けに出よう。僕が神級スキルで武器を錬成するから、ユミナは神級スキルで錬成の消耗をひたすら回復してほしい。錬成が終わったら、動けるどちらかが2本の剣をミラエルの元へ届ける。これでいい?」


「はい! こうなったらもうヤケです! 急いでやっちゃいましょう!」


 ユミナは両方の拳を顔の前で掲げた。こんな状況で愛くるしい仕草をするユミナを見て思わず笑みが溢れる。


(というわけで、錬成よろしくね)


《本当にいいんですか?》


(うん。ここで博打に打って出ないと一生後悔する気がするからね。頼むよ、一生のお願い!)


《一生のお願いは別の機会に。承知しました。リューオ様を、ユミナ・ブルークイーンを……信じます。7.1秒で<紫電(しでん)絢爛(けんらん)(のかみ)義閃(ぎせん)>と<冥王剣・ヘルアビスダークネス>の錬成が完了します》



※第34話は2026年5月3日の18時10分に投稿します。お楽しみに

ポケモンチャンピオンズのシングルバトルで対戦する際、手持ちの6体の中から3体を選出する必要があります。ここでは、私が選出の際に何を考えているかを少し解説してみます。


といってもシンプルで、「このポケモンをどのポケモンで相手するか」という思考だけです。


例えば相手のパーティーにイダイトウがいた場合、ほぼ確でミミッキュを選出します。何故か? ミミッキュはイダイトウを倒せるからです。1対1のタイマンを想定した場合、のろいのおふだを装備したミミッキュのシャドークロー+かげうちで落とせます。耐久に振ってるイダイトウは見たことがありません。


相手のパーティーにハッサムがいた場合、ほのおタイプの技を使えるポケモンを出したいところです。ただ、その思考は読まれやすい気がするのでその辺の兼ね合いは大事かも。


相手のパーティーにルカリオやゲンガーがいる場合はガブリアスを出したい感じがします。メガルカリオとメガゲンガーはスカーフガブリアスのじしんで落とせます。


相手のパーティーにアーマーガアがいる場合は、でんきorほのおタイプの特殊技が使える特殊アタッカーを出したいところ。アーマーガアは特殊技で速攻で落とす必要があります。


ざっとこんな感じでしょうか。ポケモンチャンピオンズ最高です。未プレイの方は是非やってみてください。基本プレイ無料です。

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