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パーティーから追放された僕の最弱スキル『武器強化』が、気付いたら最強スキル【武器錬成】に進化していた件  作者: 五月雨前線
第1章

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第13話 生意気

「リューオ、お前は一旦王女のケアを頼む! 壁際にいる王女の安全を確保してくれ!」


 ノルドの叫び声が聞こえた。視線を向けたその時には、ノルドの元に怪物……とりあえずミュルヴォと呼ぶか、ミュルヴォが襲いかかっていた。ノルドはスキル『鏡撃』を駆使して迎撃するも、ミュルヴォがすぐに倒される気配はない。


 たしかに、突然現れたミュルヴォが、先程の炎のような遠距離攻撃を持っていて、それによって王女が命を落としてしまう可能性はゼロではない。この作戦の最重要目的はネミア王女の救出であり、王女の安全の確保は極めて重要だ。


「分かりました!」


 僕は叫び、全速力で王女の元へ走った。王女は洞窟の壁際にぺたんと座り込んでいる。


「王女様! 今のままだと危険なので、ひとまず……」


「助けに来るのが遅いのよ! 殺されるかと思ったじゃない!」


 王女は僕の言葉を遮り、ばしっ、と僕の足を右手で殴った。


「え、あ、すみません、これでも最速で来たんですが……」


「私が遅いと言ったら遅いのよ! ダンジョンで散歩してたら訳の分からない連中に突然攻撃されて、護衛の人は皆殺されちゃうし、私は縛られちゃうしで大変だったんだから!」


 王女はぷりぷりと怒っている。こんな状況でよくそこまで怒りを露わに出来るものだ。恐怖心はないのだろうか。

 

 ネミア王女の身長は150センチ弱で、明るい茶髪の髪をツインテールにまとめている。機動性を確保した黄色いドレス(語彙力)のような服を纏っており、いかにも高級そうだ。

 そして、めちゃくちゃかわいい。ミラエルと比べると少しつり目がちで、いかにも気の強そうな感じだが、顔立ちは極めて整っている。っと、今はそんなことを考えてる場合じゃない。


「それは本当にすみません。えっと、とりあえず王女様の安全を」


「何が王女様よ! どいつもこいつも王女様王女様って、馬鹿じゃないの! 私はネミア! ちゃんと名前で呼びなさい!」


 何でこんなに怒ってるんだろうか。とはいえ従うしかない。


「ネミア様、今はネミア様の安全を確保する必要があるんですよ」


 ネミア王女……ネミアでいいか、ネミアは腕を組み、値踏みするような目を向けてくる。


「そうね。具体的にどうするか聞かせてもらおうかしら」


「ええっと……あのミュルヴォとかいう化け物からとにかく距離をとってほしいので、遠くに避難してください。僕も付き添いますので」


「戦いが終わるまで避難しておくってことよね」


「そうです」


「貴方がずっと私のそばにいてくれるってこと?」


「いえ、僕も戦わないといけないので、ネミア様を遠くまで避難させたら戦いに加わります」


「そんなの駄目よ! 私が1人になっちゃうじゃない! その間に魔物に襲われたらどうするのよ! 却下よ却下! もう少しマシな案を出しなさい!」


 ネミアは再びぷりぷりと怒り出してしまった。少し生意気な態度が気になるが、言われてみればたしかにその通りだ。なら、あまりネミアを遠くには行かせない方がいいってことか?

 しかし、そうするとネミアが遠距離攻撃に巻き込まれる可能性がある。どうすればいい? 早く僕も加勢しないといけないから、ここであまり時間は使いたくない。あ、そうだ、神級スキルに相談してみよう。


(ねえねえ、何かいい方法ない? ネミアをあまり遠くに行かせず、攻撃からも身を守れるようになる方法)


《難しい相談ですね……》


 珍しく神級スキルが困っている。でもなんとかしてもらうしかない。


(うーんそうだなぁ……あ、いいこと思いついた。なんか鎧というかさ、大きい盾みたいな感じのやつでもいいから、ネミアを外部の攻撃とかから守れる何かを作ってよ。尚且つ僕への負担が出来る限り少なくなる感じで)


《難しい注文ですね……攻撃から守れる何か……負担も少なく……私は武器を錬成するスキルなんですが……》


(難しいだろうけど頼むよ! お願い! 時間がないんだって!)


《……承知しました。1.3秒で<ハイゴールドアーマー>と<ハイゴールドシールド>を錬成します》


 なんとか押し切って錬成を頼み込んだ。すると、眩い光とともに金色の鎧と巨大な盾が出現した。おお、なんかすごそう。ネミアがこの鎧を纏った上で盾を構えていれば、なんとか身は守れそうだ。

 おまけに、体への負担は殆ど感じない。ちょうどいい塩梅で錬成してくれたのだろう。感謝感謝。


「ネミア様、この鎧を着て盾を構えていてもらえますか?」


「な……な……何なのよ貴方! 魔法使いなの!?」


 ネミアは驚愕の表情を浮かべている。あ、そっか、説明もせずにいきなり目の前で錬成しちゃったから驚いてるのか。


「魔法使いではないです。僕は武器錬成という神級スキルを持っていまして、この鎧と盾はそのスキルで錬成したんですよ」


「ぶきれんせい……? しんきゅう……? と、とにかく、そんな鎧を着るなんて嫌だわ! 鎧の性能が分からないし、なんか動きにくそうじゃない!」


(性能は最高級です。鎧も盾も軽量です。ネミアの体型に合わせて錬成しているので動きにくくありません。馬鹿にしないでください)


 頭の中で即座に神級スキルが応じる。なんか苛ついているように聞こえるのは気のせいかな?


「性能は最高級で、軽量で、ネミア様の体型に合わせてるので動きにくくはないそうです」


「信用できないわ! それに何なのよその口調! 誰かから聞いたみたいな話し方じゃない! 意味が分からないわ!」


「……」


 ……めんどくさい。これ以上ここで時間を消費するのは流石にまずい。ここは強気にいこう。


「いい加減にしてください」


 僕はネミアの両肩に手を置き、声のトーンを低くして強めに言った。ネミアはびくっ、と体を震わせる。よし、この調子だ。


「この作戦は、貴方を救出するための作戦です。僕は早く戦いに戻って、あの化け物を倒す必要があります。貴方を守るために戦わないといけないんです。貴方は大切な存在なんです。その大切な存在を守るために、これは必要な行動なんですよ。お願いします、鎧を着て盾を構えてください」


「……そ、そんな……まさかこんな場所で、急にそんなこと……! 大胆すぎるわ……い、いいわ、従ってあげるわよ……!」


 ネミアは視線を逸らし、何やらぶつぶつと呟いている。それはうまく聞き取れなかったが、どうやら強気の姿勢が功を奏したようだ。

 その後ネミアはおとなしく僕の指示に従い、鎧を着た上で盾を構えてくれた。よし、これで戦いに参加出来る。なにやらネミアの顔が赤かったように見えたが、今はそんなことどうでもいい。


「っ……!」


 戦況に目を向け、その激しさと過酷さに僕は思わず息を呑んだ。


 かつて人間だった4体の化け物、ミュルヴォは、それぞれ目標を定めて攻撃を加えている。ノルドとレインは1体、ミラエルは2体のミュルヴォと激闘を繰り広げていた。

 ノルドは剣技と攻撃を反射するスキルで戦っており、レインは何やら不思議な戦い方をしている。黒い霧の塊を銃弾のように打ち出したり、幻影で敵を欺いている内に斬りかかったりしているのだ。あれが金級スキル『幻影』による戦い方というわけか。


 ノルドもレインも、形勢は互角のように見て取れる。となるとまず僕がサポートすべきは、1人で2体を相手にしているミラエルだ。


(ミラエルと化け物の戦いはどう見える?)


《互角もしくはやや不利かと。ミラエルの武器の性能が低いです》


 神級スキルは冷静に応じる。たしかに戦いを見ている限り、ミラエルがミュルヴォを圧倒しているようには見えない。

 やはり、武器か。武器を錬成するしかないのか。さっき鎧と盾を錬成した上で、また錬成を行うことになる。体への負担はどれほどになるのだろう。


(じゃあミラエル用に武器を錬成してほしい。僕への負担も最小限になるように)


《以前のミノタウロス戦の時よりもさらに高性能な武器を錬成する必要があります。相応の負担がかかります。なんとかリューオ様が引き続き動ける程度には負担を抑えるつもりですが》


(それでいいよ、お願い!)


《承知しました。1.9秒で<龍轟剣ドラグレア・ナルバル―ド>の錬成が完了します》



※第14話は2026年4月17日13時40分に投稿します。お楽しみに

まりほー!! 9-7で日ハムに勝利!!


西川史礁選手、4打数4安打5打点1HRの大暴れ! 素晴らしい! この調子でロッテを引っ張っていってください!


カード勝ち越しするぞ、マリーンズファイティン!

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