エピローグ
この出来事を一言で表すなら「世の中を支えるのは優しさでも厳しさでもなく、バランスを保たれるその中間である」だ。
大人になった僕は酒に慣らす為にシャンディガフやディーゼル【コーラとビールを割ったカクテル】を飲み階段を一歩進もうと挑もうとした。
けれど結果は僅か数杯で顔が火照り、まともに頭が回らず…僕は酒が弱い、すなわち下戸である事を思い知らされた。
その時の感覚は本作に近しい状態であった。
恐らく、読者の中にはあまりしっくり来てない人もいる。
ジュール・ルナールの『にんじん』を思い出してほしい。
家族から“にんじん”と呼ばれている少年が、理不尽な環境の最中で必死に抵抗して自分なりの生き様を貫くお話だ。
一つのエピソード自体は短いものの、それは“にんじん”にとっての思い出深い話だったり物語を進む上での鍵になる出来事だったりと、案外奥深い小説だ。
是非読んでほしい…と言いたいところだが、高度な考察を求められる即ち一筋縄では読み取る事が困難な気難しい内容だから、一応「行動の善悪は神のみぞ知る」と片付けた方が無難だと思う。
本作を仕上げる為に、僕は底に沈めておいたトラウマを必死に掘り起こし脳内でプロットを作りながら書いた。
その支障なのか、終盤辺りで元々抱えていて静まっていたはずの逆流性食道炎をぶり返す羽目になった。
正直、校閲などは読者に託すと心の底から決めている。
何故なら、読み直しの時に口から胃液を出したりしたら凄く不快に思うから、ただそれだけの理由だ。
最後に、読んでいる人に一言問い掛けて話を終わらせる。
─────“君たちはどう生きるか、いや、君たちはどう切り抜けるか”
最後まで読書して頂き有り難う御座います。
本作は難しい言葉を網羅して可能な限り僕の心境に近しくさせるよう試みをしました。
個人的には長編小説を書く気力で綴りましたが、実際は原稿用紙約40枚程しかなく正直ビックリしています。
ですが、恐らく読者もそれぐらいの体感を覚えたと思います。
僕は、小説を書く時の殆どはショートショートでここまで書いて完結させたのは本作で初めてです。
本文には「校閲などは読者に託す」と書いていますが、もし誤字脱字があったら親切に教えて頂けると助かります。
これが直接的に響いたが定かではありませんが、19の時に「不安神経症」と診断されました。
内容自体は胸糞でありますが、一人でも「逆ハラ」の存在を知ってもらい僕の様な被害者を少しでも減ってくれたら幸いで何よりです。




