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バロン村の悪魔召喚実験

 バロン村の一軒の農家に、「ヒュー」と夏前にも関わらず冬のように寒々とした隙間風が唸る。


「ほぎゃああぁぁ――ほぎゃぁああああ――」


 赤子が泣き止まない。


 サヴォナローラは赤子を抱いて窓の側により、あやす。


「あいあいあい、どうしたんでちゅか?」

「ううううううあああ」

「あれはパパの馬車でちゅよ〜。怖くないでちゅよ〜。いや、ママの馬車ですかな? あそこにはみーんないるから心配ないでちゅよ〜」


 手下の修道士が報告に来る。


「無垢な子供の血の瓶、と首、規定数の全てを収集完了しました」

「ご苦労です。次の段階に移行します」

「サヴォナローラ様、魔法鏡で教皇様からお話があるとのことです」

「わかりました。後で伺うとお伝えしてください」

 

 魔女の核と、無垢な子供の血と首で新たな生物を錬成する、錬金術の禁忌の一つ。


「クックッックックック!」


 不気味な笑みと笑い声が、こだまする。


「魔女の核と無垢な子供の血と首で新たな生物を錬成すると何が生まれると思いますか? 答えは簡単、純度の高いキメラです。ではそのキメラを器に高位の悪魔様をこの世に招待するとどうなると思いますか?」


 サヴォナローラは赤ん坊の目玉を舐める。そして赤ん坊の両目を自分の両眼にくっつきそうなほど近づけ、覗き込む。


「最近、活きの良い核のサンプルが2つ採れましたからねぇ。楽しみですよ」


 赤ん坊に向かってサヴォナローラは続けて言う。


「あなたに贖罪の機会を与えましょう。この世に生を受けた罪を償ってもらいましょうかねぇ」


 赤ん坊は虚な目で、天井を見たまま瞬きをしなくなった。


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