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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

望まぬ称号──龍を使う長と、その剣

作者:あつろ
「私を剣と使うがいい」


血溜まりから拾い上げた男は、惑う彼女にそう囁いた。

故郷を踏み躙られたくなくて受けて立った戦いは、けれど敗色が濃厚だ。
ただ人死にを増やして滅ぶべきか、矜持を捨てて生き延びるべきか、できる選択は二つに一つだったはずなのに。

何の気紛れかは知らないが差し伸べられた手は、きっと彼女が有するすべてを放り出しても望むほどの威力。
一も二もなく飛びついていいはずを素直に喜べない理由は、相手の姿にあった。



部分的に身体を覆う鱗、片方だけの角、火眼金睛。



明らかな異形である彼は、死にたがるほどに自身の姿を厭っていた。
知りながら戦場で目立てと請うのはあまりに酷で、それを目当てに助けたと言われるのも癪だった。

「よせ。私には何も対価が支払えぬ。くれてやれるとすればただ、お前が望まぬ龍の名のみだ」
「私もお前に差し出せるのは、血腥い勝利だけだ」

けれど人死には減らせるの言葉は、天秤を傾けるほどには重かった。


苦渋の決断を下した彼女は、後に呼ばれる。災厄を撒く龍使い、と。
望んで龍に身を窶した剣は、果たして龍の名以外の何かを得られるのだろうか。




この作品の一部は、「言の葉工房 織奏」に掲載しています。
2.一陣の風
2019/08/26 22:45
3.守るべき故郷
2019/08/27 22:49
4.龍の子
2019/08/28 22:38
5.剣の誓い
2019/08/29 23:25
6.龍となる決意
2019/08/30 22:38
7.守る重さ
2019/08/31 22:26
8.静謐の夜
2019/09/01 22:42
9.契約と雇用
2019/09/03 23:06
10.一族
2019/09/04 23:59
11.夜の軌跡
2019/09/05 23:27
12.血臭
2019/09/06 23:53
13.耳環と苗木
2019/09/07 22:50
14.盟約の精霊
2019/09/08 22:20
16.私の務め
2019/09/10 23:05
17.精霊の愛
2019/09/11 22:44
18.会談への誘い
2019/09/12 23:08
19.望んだ称号
2019/09/13 22:31
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