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サブストリート4番街
「『黒く燃え盛る雷の槍』!」
「がわぁぁぁ!!」
「あ、勢いまって使っちまった……」
漆黒の槍に雷を纏った一撃が薄汚いローブを着た男を直撃。
男は完全に意識を失って地面に倒れてしまった。
なかなか強い技なので死なかったのは運が良かったのだろう。
「にしても変だな……」
既に4番街にいるテロリストは全員気絶または拘束した。
おかげで現在4番街は爆発が起こらないでいるのだが…
「何でこいつらこんなに弱いんだ?」
そう、テロリストにしては弱すぎる。
魔法陣による爆発も、壁すら破壊できないくらいの小規模爆発が少なくなかった。
『ユグドラシル』を使わないといけない規模の爆発は最初のみでその他は……
「……あ、そうか。
灯台下暗しってやつだな!」
俺はデスパイア産のことわざという言葉を使ってみた。
テロリストは恐らく二つの隊に分かれて行動している。
さっきの奴らの様に魔法陣で爆発を起こすグループ。
放送があったように『統治機関』と取り引きするグループ。首謀者は恐らくこのチームだ。
爆発の規模は魔法陣を書く者の魔力にも左右される。 つまり最初メインストリートで起こった大爆発は首謀者、またはその側近が起こしたものだろう。
「……てことはミイ達があぶねぇ!」
1人でシリアスな空気を醸し出した俺はメインストリートへ向かう為にサブストリートを駆け出した。