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メインストリート
「近くで見るとなかなかデカい木だな…」
首謀者の居場所を確定した俺はメインストリートの建物の屋上から辺りを見渡していた。
道路にそびえ立つのは巨大な樹木。
恐らく魔法によるものだろうが、このレベルの魔法を使うとは……強いぞ。
「どんな奴か見てみたい…が、今はとりあえず任務だな」
一度、下の通路に視線を向けてみる。
多くの人々は木の下に避難している。
ん?誰だか分からないがテロリストと闘ってる奴がいるな……
『…アイススピア…!』
『…小癪なっ…!』
『……!……』
よく聞き取れはしないがテロリストの方が劣勢のようである。
「……見つけた」
やはり仲間が闘っているのが気になっていたのか、首謀者らしき者達がテロリストとの闘いを窓から覗いているのが発見できた。
建物の中に残っているのはテロリストくらいで一般人は皆、避難している。
バッ…!
俺は高さのある屋上から飛び降りると首謀者のいる建物へ意識を向ける。
「『フォース』」
ピタッとと俺の身体は空中で動きを止め、首謀者達の元へと引き寄せられていく。
「『ヘルブレイズ』」
俺の呪唱とともに巨大な黒炎が首謀者達のいる建物の窓を破壊する。
『きゃぁぁ!?』
下の方では建物への攻撃の際に壊れた瓦礫などが降り注ぎ、驚いてパニックになっている。
関係ない、まずはテロリストの抹殺だ。
建物の中は閑散としていて、元々オフィスだったと思われる部屋の椅子や机は全て壁際へ寄せられている。
通信機などが真ん中に広げられており、それで放送をジャックしたのだろう。
武器を構える男は5人。
全員みすぼらしい格好にナイフや棍棒などを手にしている。
おそらくそれは見せかけで魔法を使う時に陽動で使うものだろう。
「な、なんだお前は!?」
『ヘルブレイズ』の攻撃を避けて部屋の奥に男達は集まっていた。
「お前らを殺しにきた」
やっと見つけてやったんだ、ちょっとくらいは楽しませろよ?
俺は何かに押し出されるようにしてテロリスト達の元へと急進するのだった。




