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ーーテロ開始20分前 ニート サブストリート5番街
「……トゥエルの奴どこに行ったんだ?」
ペットショップの前にいろって言ってあったんだが。
俺はシルヴィアの奴に言われた任務についていた。ニートで起こるらしいテロの防止だ。
俺は赤い目で周りの人々を見渡す。
赤い髪に赤く鋭い目、近くの人はぎょっと驚いて目を逸らして歩いていく。
「……既に目星はついた。
昨日得た情報によると奴らの特徴は…」
テロというのは国に対しての不満などを武力行使でぶつける、というのが簡単な意味合いだ。
ということは奴らは統治機関に対し、何かしらの不満がある。
圏外。 恐らくだが、そこの住民だろう。
勇者が目撃された一週間ほど前の工場従業員無差別傷害事件。
それがきっかけになってテロに及んだ…と俺は推測している。
俺はサブストリートの脇道に入り、対象者を睨みつける。
「うわぁっ!?何だ!?身体が勝手に…!」
ボロボロの服に薄汚れた髪、どう見てもこの街で浮いている男の身体は、何かに引っ張られるように脇道へと吸い寄せられていった。
ガンッ!
俺は男を壁に押し付けると赤い目で男の目を睨みつける。
「言え、お前らの目的は何だ?」
「ひっ、ひぃぃぃ!!?
お、俺はただこの街に買い物に来ただけで……」
メリメリメリッと音を立てて、俺に対して講義の声をあげる男の腹が何かの圧力によって陥没していく。
「ぎゃぁぁぁっ!!!
話す!話すからやめてくれぇ!」
「ふん…最初からそうしろ」
痛みに耐えきれなくなったのか、男は涙や鼻水を垂らしながら必死に俺に静止の声を上げた。
「お、俺達はただボスに爆発系記入式魔法陣の設置を命じられただけで……」
記入式魔法陣。
てことは爆発テロ……この大勢の人の中で?
かなりの被害が出るな。
まぁ俺の任務は首謀者の抹殺及び捕獲。民衆への被害なんて知ったもんじゃない。
「首謀者はどこだ」
「それは!俺達は知らされて…!
ぐふぁっ!?」
「教えろ」
「ぐぎぎぎぎ……ほ、本当に知らないんだ!」
男の顔は圧力による痛みで醜く歪み、ほとんど原型をとどめていない。
「……なら良い」
「が……」
俺が男から離れると、男は地面に倒れて動かなくなった。




