18
「てゆーか次決勝なのよ?わかってるの?」
「わ、分かってますけど……」
なかなかのビンタを顔面にかまされていたので地面に這いつくばっていると決勝戦の呼び出しが行われた。
「よーしいきますかね」
「相手はエレナよ。気を引き締めないとね。あれでも一応はこの学校で1番強いんだから」
「1番巨乳?」
「強い?」
「ミイは?」
「まな板……って何言わせとんじゃごるぁぁぁっ!!」
「ぷぎぃぃぃぃっ!!!の、ノリツッコミ萌えぇぇえっ!!」
試合前から大ダメージを負う魔王であった。
『さぁ!ここからは私ことアクセル君とミイ=レストルトさんの担任の先生が司会をさせてもらいます!』
わぁぁ!と何人かの生徒が歓声を上げた。
俺たちのクラスだ。
てか先生の名前ってないのか?
『決勝戦!3年生代表のエレナ=レストルトさん、シュバルツ=ユークリエリッド=ハーゲリオさんの登場です!』
決定、アダ名は金○じゃなくて下痢だ。
エレナと下痢がフィールドの上に上がっていく様子が伺える。
エレナはいつもは下ろしてある長い水色の髪を二つにくくっていた。
下痢?漏らしそうになってんじゃねぇの?
『そして!我がクラスの代表!ミイ=レストルトさんとレン=アクセル君です!』
「みんな大好きレン君だよぉー!
ツインテール萌えぇぇえっ!!」
お決まりのセリフを叫んで俺はフィールドに飛び込んだ。
ミイの方はツインテールをいじりながらだ。
というか俺の言葉に照れてんのか?
「あんたと同類にされるのだけは絶対避けたいわね……」
「ツインテール!萌えぇ!!」
俺は何かのストップが切れたかのように叫んでいた。
「そろそろ黙れ」
「ドフュッ!」
『さ、さて気を取り直して決勝戦開始といたします!
スタート!』
「『スパイラルレイン』!」
開始の合図とともにエレナが魔法を放ってきた。
む、中級魔法だな…
「ミイ!避けてろ!『黒炎』!」
真っ黒だが、ゆらゆらと揺れる大きな炎をエレナの魔法にぶつけて相殺させる。
普通に他の相手より格段に強い。
「お姉ちゃん覚悟!」
魔法を使って隙のあるエレナにミイが『アイススピア』を放った。
氷の槍は勢いよくエレナへと飛んでいく。
「させないよ!『メルト』」
もう少しで直撃という所でミイの攻撃は防がれてしまった。